鬼ごっこをしているのは、医学と私とウィルスだ。
医学がウィルスに追いつきインターフェロンが生まれた。
次にインターフェロンの副作用に私が追いつく。
するとまたウィルスが違う方向へ逃げる。
医学がまた新薬を生む。新薬の副作用に、人が苦しみながらも追いつく。
その繰り返しだ。
疲れてしゃがみこんでしまう時。
相手を見失って途方に暮れる時。
誰かの声が聞こえる。
家族や仲間たちの声だ。
まだ私の鬼ごっこは終わっていない。
医学とウィルスの鬼ごっこもだ。
声が聞こえる限り、家族がいてくれる限り、仲間たちが支えてくれる限り、降参はないんだ。