カメブログ

聖蹟桜ヶ丘に住むおじさん(通称カメちゃん)のブログ

春、バーニーズで (起の巻)

2004年12月21日 | せいせきInfo
吉田修一さんのサインがOPAのときわ書房の壁に掛かっている。
「聖蹟桜ヶ丘へ捧ぐ」とくせの強い字で書かれていた。
モノクロの作家の写真はストイックな風貌をしっかりと写し取っていた。

新作、「春、バーニーズで」(出版元、文藝春秋)は主人公が聖蹟桜ヶ丘に住んでいる設定とのこと。

検索するとインタビューが何本か読める。
新作『ランドマーク』について語る・前編, 後編

最も旬な作家らしい。
興味を持ち、「日曜日たち」を読み始めている。バーニーズでは後回し。
作為的なところもあるが、ディティールがしっかりしているために、小説の世界が活字の中にきちんと立っている。
吉田氏の虚無感が強く漂う描写を読んでいると、私には金原ひとみ氏の人懐っこい作風が思い出されて、好ましく思えた。

愛読書が道路地図ってかなり変わっている。私も道を覚えようと道路地図をにらんでドライブした気分になることはあるけど(ほかの人がびっくりするような時間、たとえば1時間とか)、新旧の地図を比べて街の変化を楽しむところまではいかない。
俯瞰したような人物描写や物語の構造的な仕掛けなど、道路地図マニアの好みの片鱗が表れているのではないか?感じのある話で興味深い。