KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★生まれた場所の意味

2005年10月15日 | スピリチュアル セッション
               【金木犀】

10月10日前後の、この季節が大好きである。

トコトコと歩く駅までの道のりや
犬との散歩道、自転車を颯爽と走らせるいつもの道で
どこからか甘い香りが漂って、
香水のように纏わりつくような感覚。

すると、花の姿は確認できなくても
あ~、今年も金木犀の季節がきたんだわ。と
初秋の到来を肌と香りで感じることができる。

ぽかぽかと暖かい陽射し。最近の温暖化で気温は
子どもの頃よりずいぶんと高くはなったけれど、
湿度はやはり、夏とはぜんぜん違ってさわやかである。


金木犀(キンモクセイ)は街中をやわらかく包み込み
甘くて繊細な芳香で、心が癒される。

沈丁花(ジンチョウゲ)は柑橘系のようなさわやかな甘さで、
間もなく訪れる春に心が踊る。

梔子(クチナシ)の濃厚な甘さは
梅雨の憂うつな気分をなぐさめてくれる。


四季折々の花の香りは、わざわざ遠出をしなくても
東京の空の下、毎日の生活の中でも
十分に満喫することができる。

都会には季節がなくなったことを、
世間はたまに嘆くけれど、
キャッチする感性がなくなってきたことこそ
もっと深刻に考えたほうがいいかもしれない。

公園の植木からだって、
プラスチックのプランターに植えられた
ご近所のガーデニングからでも、
ビルのほんのわずかな植え込みからも
存分にお裾分けをしていただける。

香りで季節を感じ取ることができた時、
日本に生まれたことに感謝する。

子どもが親を選ぶ時、もちろんその際には
生まれる国も合わせてチョイスするのだろうと思う。

だとすると、出生地も何か関係ありそうだよね!と
ある時、そんな話になったことがある。


まわりの人間関係や職業だけでなく
生まれた土地、育った土地のひとつひとつに
実は奥深い意味が隠されていたり、または
散りばめられているような気がする。


********************

先日の美容院で、アシスタントの若い男の子が
おすすめの映画をピックアップしてくれた。

どんなジャンルが好きなんですか?という問いに、
そうねぇ、まずは血を流さないヤツ。
ラブストーリーっていうよりも、ジャンル名はわかんないけど
『ニューシネマパラダイス』とか『バグダットカフェ』とか。と
答えると、あ~、それはローカルシネマタイプ(?)ですね!という。
(メジャーな映画館ではなく、小さな劇場で放映される映画)


そして、20才半ばくらいの彼は
それなら『解夏』がおすすめですよ!と
数年前の邦画を推薦してくれた。

僕はね、長崎生まれなんですよ。だからあの映画の
バックに映る風景が懐かしくて、それもあって好きなんです。
と、ポツリポツリと話し出した。

おじいちゃんと一緒に暮らしていたんですね。
だから戦争中の話を小さい頃からよく聞きました。
原爆の時、おじいちゃんは兵隊で
外国に行っていたので生き延びました。

あの時、祖父が日本にいたら自分は生まれていなかった。
そんなことを時々思うんですよ。僕の命について。
もしかしたら、なかったかも知れない命。

それは長崎という地に生まれたからこそ真剣に考える。
長崎に生まれ育ったことを誇りに思うし、本当に良かった。と
若い彼はドライヤーをしながら鏡越しに話してくれた。

ねぇ、やっぱり生まれ育ったところって
深い意味があると思う?と尋ねると、
迷うことなく、ありますね!と断言していた。

親を選ぶとするなら、生まれる時代や場所も
そして今、暮らしているこの場所も
単なる偶然だと言いきれるだろうか?

出身地でコンプレックスを感じたり、
優越感を感じたり、誇らしく愛着があるのもまた、
人生の学びのカリキュラムに組み込まれているのだ
と考えてみたら、誰かとの会話で話題になる
何気ない地元話ひとつでさえも、
毎日のご近所での出来事も、
生きていくことの意味につながるヒントを
いただけるような気がするのである。





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