KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★空き地の宝物と夏のカケラたち

2013年07月28日 | KAORUの好きなものギャラリー


今まであった建物が取り壊されて
更地になったあとの植物たちを見るのが好きだ。



ある時は一面のレースフラワー。
ある時は一面のムラサキハナナ。
そして、カワイイ形のヒョウタンが
コロコロとたわわに実っていたこともあった。



コンクリートだらけの東京なのに


一瞬のチャンスを逃すことなく
むき出しになった土の上に
思いもかけない花たちが
たくましく育っていく。


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このところのマイブーム。
気になって仕方ない場所がある。



子どもの頃からあった八百屋さんの跡地に
すくすくと伸び始めたのは

なんとミニトマトたち。


その葉と花を見た時、ピンときた。


なんかこう、八百屋さんの意地をみた気がした。

これまで空き地にさまざまな植物が
はえているのをみたけど、
ココは雑草じゃなくて野菜かぁ~!納得。って。



まだまだ働き盛りのご主人が脳梗塞で倒れて、
半身麻痺になり、退院後、数日間は復活したものの
体調が回復せず数年後に亡くなってしまった。


娘さんたちは、うちの息子の数年上ぐらいだから
そんなに私とも年が離れているわけではない。


年老いたお父さんとお嫁さんと娘たちが残されて
店はがらんどうになって数年が経った。


とうとう売りに出しだのだろうか。

ある時、あっという間にショベルカーに飲み込まれるように
むき出しの土が出て、更地になった。
思ったよりもずっと大きい敷地面積だった。

近々9階建てのビルが建つらしい。
施主は、知らない人の名前になっていた。


そのご主人が倒れた直後にできた
威勢の良い真新しい八百屋さんを
杖を突きながら、視察していたのだろうか
遠巻きに眺めていた後ろ姿を偶然見かけたのだった。


絶望にも似た悲哀のような、
そんな後ろ姿。

それが、私の見た最期の姿だった。






今日、思い切って、
写真を撮るために更地に足を踏み入れてみた。

トマトの花をよく見てみると
ちょっと花弁が細い。

あれ?トマト?

葉っぱを触ってみると
青臭い、トマトの香り。





株はランダムに10株ほどが散らばっている。


誰かがもし植えたのなら

もう少しキレイに規則正しく植えたのではないだろうか?

だって、日本人だから。


もうちょっと、几帳面だろう。


一株ずつ回ってみたら、
ついに見つけた!

ラグビーボール型の青いトマト。

イタリアントマト型?



どうりで花の形が違ってた。


今はまだ、道行く人も
ただの雑草と思っているに違いないが
もうしばらくして、赤く実ったトマトが
土と緑色の間に浮かび上がり

目を引くに違いない。

きっと驚くだろうな~、と思うだけで

ココロが躍る。


突如現れた真っ赤なミニトマトを
遠慮がちに、取りに来るんだろうか?

それとも、争奪戦となるのだろうか?

誰かの土地だから、と
熟したまま放置されるのだろうか?


はたまた、熟する前に
あえなく工事に入ったりするのか?


それにしても、なんとたくましい生命力。



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そしてもうひとつの驚きは
その敷地跡に花を咲かせるサフィニア”↓



華やかにゴージャスに咲く夏の花。
鉢植えでしかみたことがないのに
突然、地植え?


もし誰かが植えたのなら、
もっとしっかりした株になっているだろう。


トマトとサフィニアも種がこぼれた、としか
考えられないような、野性味ある伸び方。


もし本当に誰かが故意に植えたとしたなら


誰にも取られないように、柵を立てたり

またはもっと大きくなるように、支柱を立てたり

キレイに咲くようにとか、踏まれないように、とか

人為的な何か手の跡がなんらか感じられるのが常だ。




これもきっと種がこぼれたのか、
事情はわからないが

けなげでいて、超ワイルドな
サフィニアとミニトマトを見守っていきたい。



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↑こちらは売り出し中の物件の空き地。



まだ更地になったばかりで植物はほとんど生えていないのだが

土をよくよく観察してみると

なんと貝がいっぱい。



最初は、食べ残し?とも思ったんだけど

アサリじゃない貝もあるし…

線路の向こうは大森貝塚だし
昭和30年代まで第一京浜から向こうは海だったし。


と、あれこれ思うとやっぱりコレは自然に
出てきたモノ、と考えたほうがよさそう。



 

↑ゴロゴロと転がる石ころに混じって
あちこちに点在するアサリみたいな2枚貝や
もう少し大きい、白くてスジの入った貝。


やっぱり海だったことを示すまぎれもない証。


大森貝塚は縄文時代からの遺跡。

線路の向こうは新しく更地にすると
ほとんどが遺跡が出てしまい、

そのたびに工事中断となり区の考古学調査がはいるので
本当は迷惑な話なのだと聞いたことがある。


そして、東京大空襲で丸焼けになってしまったという
ウチの近所は、もうさすがに聞かないが
十数年前までは時折、不発弾処理で警戒態勢が敷かれたりしていた。


太古の、自然の歴史と戦争の爪痕。


そして、

ほんのわずかな土を見つけて
チャンスとばかり、すかさず命を輝かせて
生きていく植物たち。






時は夏。

公園には直径2~3センチの穴が無数にあいている。

7年の眠りから目覚めたセミたちが
命の限りにその声を響かせる。





もうすぐ夏祭り。

水神町会の屋台の龍神様が道路でひっそりと
その出番を待っていた。



先日、tatsuroと夜に食事した帰りに
道をさっと横切る猫のような、

それにしては、ガリガリで背中が丸く、
尻尾をずるずると引きずっていた
謎のイキモノがいた。

なにあれ?

フェレットにしてはかなり大きいし…

顔はちっちゃいし…


そしたら、すかさず

あ!あれね、ハクビシンだよ!
この間もユウタ(幼馴染みの友だち)と一緒に
このあたりを探したんだよね。

線路向こうの天祖神社でもよく見かけたよ。

なに?ハクビシン???


スマホですかさずチェックすると

猫よりもイタチに近い姿で

たった今見たのとおんなじ。

初めてでビックリしたぁー!



品川に住んで47年。
(大阪に生まれて1年たって東京へ。
やだ、もうすぐ50年になっちゃうじゃない(^^;)

こんなに長く住んでいるのに
見たことなかった~~~!

この間ちょうどテレビでやってた
「平成ぽんぽこ」のタヌキを思い出しちゃった。




こんなビルだらけの場所に

たくましく生きる
野生の動物たち。

そしてわずかな期間でも、
お構いなしに根っこを伸ばす植物たち。

そして、人々の願い。
豊富な水が湧き出てくれますようにと
江戸時代から受け継がれ、
大切に日々の暮らしに息づく龍神さま。



縄文時代からの貝殻と江戸時代から続く
龍神様からは過去の息吹きを。

ミニトマトやセミ、ハクビシンからは未来の力強さを。





都会の中のほんのわずかな
自然の中で見つける命のサイクルは

どんな逆境でもへこたれない
本当のスゴさを教えてくれる。


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いつだったか、
花市場の人の講演会で聞いた話。

日本は緑豊かな島。

ほっておくとすぐ森になっちゃう。と言っていた。
今日はその言葉を実感。

もうひとつの空き地は
ちょっと見ない間に、

背の高い知らない草に覆われていた。

夏らしい白いお花。
トランペットアサガオ、ダチュラみたいな…
でもちょっと違うな~。

なんだろ?


 

今度また花仲間に聞いてみよう~♪



ホントに肥沃な土地じゃないと
こんなコトにはならないはず。



夏のお花の研修会の2日間を終えて、

夕陽が残る
コロとの散歩道で見つける
小さな小さな自然。

ゆったり流れる雲と、
ゆるやかに過ぎ行く夏が

私にとってのかけがえのない時間。
コメント (2)
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