もうひとつの美しい工芸品 『 真珠の帯どめ 』
宝飾業界に30年以上も身をおいていながら とてもお恥ずかしい話ですが、
このお宝の 真の素晴らしさに気がついたのは つい最近なのです。
若いころは
” ピンク色じゃないし~ 照りも弱いし~ 小粒だし~ 修理した跡があるし~ ” なんて・・・・
悪いところばかりが気になり 頂いたままほったらかし。 若いとは そんなものなのでしょう。
実は この帯どめが欲しかったのは 私の母。 血のつながりのない嫁よりも 確実に血のつながりのある私に託されたわけです。
最近 この帯どめを 母が ちゃっかりと使っていた証拠を見つけました。 着物好きには たまらない逸品なのですね。
最近は 帯締めのみで 帯どめをしない 傾向だそうです。
まして 一分ちょっとしかない 繊細な紐に 華奢な金製の帯どめ
職人技が詰まった趣味人の お楽しみだったのでしょうね。
お正月に着物を着つけてもらい 最後に この帯どめが しっくりと収まるかどうか 自分の感性で鏡に聞いてみたいと思います。
出来れば 先人からの宝物を お礼の意味を込めて 大切に身につけたいと考えています。
なにせ このおばあさんと私の身長差は20㎝以上 大きさ的には ” ゾウのおなかにビスケット ” かも・・・・ どうなる事やら。
もし 付けれなくても 眺めているだけでうっとり美しい 大切なお宝であることにかわりはございません。
付けた足しのようで可愛そうなのですが・・・・
私の本当の祖母の形見 『 アンモナイトの帯どめ 』
変なもの好きだったんでしょうね。 血は争えませんね。
片口 由美