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ようこそ我が家へ! ルース&のあ

放棄されて失われかけた小さな命たち。その成長の記録です。

知ることから

2010-03-31 16:02:28 | センターレポート

動物レスキュー団体「ちばわん」のホームページに「センター・リポート」というコーナーがあります。日本では行政によって設置されている動物愛護センター、もしくは動物保護センターという場所があります。センターとは捕獲された動物が来たり、持ち込まれたりするところです。そして、行き場のない動物たちを待っているのは死なのです。

ちばわんでは、このセンターから動物を引き出し、新しい家族を迎えるお手伝いをしています。



レスキューされた子犬達




私自身、日本で捨て犬捨て猫が多くいることは知っていました。やがて行政によって処分されることも知っていました。でも、彼らは「安楽死」させられると聞かされていたような気がしますし、そう信じていました。
辛い野良生活を強いられるよりも、安らかに死を迎えた方が幸せなんじゃないかな、なんて、呑気に思っていたんですよ。
つまり「無知」だったんです。

無知がもたらす弊害と、悲惨な結果について、人間はどれほど経験してきたことでしょう。






かつて第二次世界大戦の時、ナチスによって行われたホロコースト。優性思想の元に多くのユダヤ人、少数民族、障害者、思想犯など、純粋なドイツ民族の遺伝子(そんなものはありはしないのですが)を汚すと思われた人々が、普通では考えられない方法で殺されて行きました。

けれども当時のドイツ国民のどれほどの人が、この事実を知っていたでしょうか?アウシュビッツ・ビルケナウで行われていたような想像もつかない恐ろしいことを知っていた人はほとんどいなかったと思います。



ボロボロになって、息も絶え絶えの子。




周囲で捕らえられていく人は、何らかの犯罪者や社会にとって悪影響を及ぼす人だから、仕方がない。また、そういう考えを植えつけるようなドイツ国民優位思想教育を施されていました。第一次世界大戦で敗北し、他国に踏みつけられたドイツ国民は、自分たちこそ本当は優れた民族なんだ、というナチスの甘い思想に踊らされてしまいました。

自分たちの足を引っ張るような人は捕らえられて当然。また、捕らえられた人々はきっと、大きな刑務所のようなところに行くのだろう、ぐらいに思っていたのではないでしょうか?強制労働は思い浮かんでも、ガス室を想像出来た人はあまりいないでしょう。もし、黒いうわさを聞いても、耳をふさぐか、否定していたのではないでしょうか?

私はドイツ国民が特に残酷で非情だとは思いません。事実動物愛護でドイツはもっとも先進的な国です。ただ、当時彼らの多くは本当のことを知らなかったのです。






日本でも南京攻略によって、多くの中国人が殺された時、戦勝結果だけが報じられ、日本全国ではお祭り騒ぎになったと聞いています。けれども、もし、日本刀によって首をはねられ、銃剣で刺され、吊るし首になっている人を目の当たりにしたら、酒を呑んで大騒ぎをする気になるでしょうか。

それも知らないからこそ、出来ることです。



お迎えを待つような目。




日本のセンターでは毎日のように、動物が殺処分されています。それは決して「安楽死」などでは無いことも、私はちばわんと関わるようになってから知りました。

殺される方法は、まず動物たちを密閉された箱に入れます。そして炭酸ガス(二酸化炭素)を箱に注入します。室内はすぐに酸素欠乏の状態になり、彼らは窒息するのです。窒息して意識を失うまでの数分間、彼らは、非常に苦しむのです。もがき苦しみ、やがて死が訪れます。



この奥が処分室です。


彼らは何も悪いことをしていません。だた、人間にとって不都合になったから、死ななくてはならないのです。


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ちょっと想像してみましょう。
犬は人間にすれば2~3歳の知能を持っていると言われています。もし人間の3歳児が、ある日突然家族から離され、知らない建物のコンクリートの部屋に押し込められたらどうでしょう。そこに居る理由も解らず、知っている人も誰もいない。いるのは同じ境遇の知らない子ばかり。
恐ろしさと心細さでパニックになるのではないでしょうか。

「ここはどこ?」「お父さんは?お母さんは?」「いつになったら迎えに来るの?」「怖いよ!」「淋しいよ!」「お腹が空いたよ!」「寒いよ!」

そして待ちくたびれた果てに、みんなと一緒に狭い部屋に入れられたと思ったら、急に息が苦しくなって来て・・・「助けて!苦しいよ。お父さん、お母さん。助けて!」 あとには静寂だけが。。。



このようなことが日本全国で、毎日のように起きているのです。ただ、彼らは人間ではないということだけです。


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千葉の愛護センター




動物を捨てる人、センターに持ち込む人のうち、彼らの最期を知っている人は、本当に少ないと思います。きっと、私と同じように、安楽死するくらいに思っているかもしれません。また、わざと知ろうとしないのかもしれません。自分が彼らの死に手を染めたと思いたくないのでしょう。私はセンターに持って行っただけ。殺したのは私じゃない。

人はいろいろな方法で自分を正当化しようとします。けれども、どんないい訳をしたとしても、彼らを殺したのはセンターの職員さんではありません。捨てた人、持ち込んだ人なのです。






いつかもここで書きましたが、センターを批判する人がいるようです。けれどもセンターは、動物を放棄する人がいなければ存在しない機関なのです。つまり、センターは無責任な飼い主のしりぬぐいをさせられているわけです。

これは、センターの存在が犬猫を飼っている人だけの問題だけでは無いことを示しています。無責任な飼い主、無責任なブリーダーがいることで、莫大な税金が動物を殺すために使われているのです。動物愛護の面はもちろん、行政は動物放棄がいかに税金を無駄に食いつぶしているかに目を留め、罰則を含め規制していくことが必要だと思います。


家族の迎えを疑わずに待つ犬たち



さて、私たちは日々の活動を通して、このような現状を啓蒙してこうと考えています。

人は批判されると頑なになります。放棄する人、安易に動物を飼う人に対してただただ批判をしても問題はなくならないと思います。大切なのは知ってもらうこと。あなたがもし、動物を放棄したら、こういう結果が待っているんですよ、と知らせること。私のように、安楽死もいいんじゃない、なんて思っている人がいると思います。

人は負い目を負いたくないものです。自分が殺したと思いたい人はあまりいないと思います(一部、虐待趣味の人は除いて)。だからこそ、現状をもっともっと知っていただく。それにはまず、私のように保護犬、猫を家族に迎えてもらい、その子の来歴から、次第に知ってもらうのが一番良い方法だと思います。

私はいぬ親さまになっていただいた方に、我が家で撮り収めたワンコ画像のCDをお渡ししていますが、その中に必ずセンター時代の写真を入れるようにしています。原点はそこなんだということを知っていただきたいからです。

さて、必ず日本も動物愛護先進国になると私は思っています。私が子供のころから数羽に減って絶滅のふちにあった、あの「朱鷺」でさえ、今日本の空を舞っています。まだまだ、闘いはありますが、朱鷺を日本の空に飛ばしたのは、それを夢見て信じた人たちです。きっとちばわんのスタッフもそう信じていると思います。決して失望することなく、センターがやがて「処分」され、本当の「保護センター」になる日を夢見ていきたいと思っています。


※今回使用しました画像は、ちばわんセンター・リポートからお借りしました。


保護センターのこと。

2010-01-31 21:47:25 | センターレポート

私が関わっている、動物レスキュー団体「ちばわん」サイトの中に「センターレポート」というコーナーがあります。千葉県の、とある動物保護センターに定期的に訪れ、現状を報告するコーナーです。

「ちばわん」はこのセンターから多くの犬猫を引き出し、いぬ親、猫親さんを探す活動をしています。センターには毎日多くの犬猫が保護(捕獲)されてやってくるばかりではなく、飼い主からの持ち込みも多くあります。


              

日本における動物保護の歴史は、私たちが今、普通に考える動物愛護の考え方とは多分に大きな開きがあると思います。私たちが考える動物愛護&保護とは、飼い主から捨てられたり、迷子になった可愛そうな動物たちを保護し、飼い主の元に返したり、新しい飼い主を探したり、必要な世話をして、野生動物なら野生に返す、というようなイメージがあると思います。

しかし、実のところ日本の動物保護は動物を愛する云々ではなく、公衆衛生の概念から発しているのです。かつての日本では動物からの感染症や、動物による傷害が多く発生していました。そういう動物たちから我々人間が害を受けることのないために、いろいろな法律を整備してきたという歴史が動物保護概念の根底にあります。

一番おなじみなのが畜犬登録と狂犬病の予防接種でしょう。確かになじみはありますが、今日の日本で狂犬病というものを実際に見ることはありません。公衆衛生のために施行された法律が功を奏した例です。かつては多くの人が狂犬病で命を落としました。狂犬病は感染するとほぼ100%死に至る、恐ろしい病気なのです。狂犬病の予防接種をするのは、犬を守るためではなく、感染した犬によって人が狂犬病に感染するのを防ぐためです。

センターのように動物を収容するための施設が設けられているのも、基本的には人に対する感染症を持っている可能性のある動物や、人を襲って怪我を負わせる可能性のある動物を捕獲し、隔離するために設置されているわけです。実際に、私が子供の頃(40年以上前)には野良犬や放し飼いの犬による咬傷が非常に多かったものです。

では放浪していたり、野生化した動物以外の、持ち込まれた動物を受け入れるのはなぜでしょうか?それは、たとえば飼い主を咬む、あまりにいたずらがひどくて耐えられない、転勤先が犬猫を飼えない環境、経済的に飼えなくなった、吠え声で眠れない、近所迷惑…などなど、動物がいることによって自分の今の生活が脅かされると訴える身勝手な飼い主に対する、行政の立場的な弱さがあるからだと思います。行政というのは国民の福祉を守るための機関である、というのが大前提ですから、生活を脅かすと言われれば、受け入れざるを得ません。受け入れないとそこら辺りに捨てられて、それこそ「害獣」になって人に危害を加えられても困るから、というのが理由でしょう。

また、動物の位置付けも法的には、私たち現在の多くの日本人が抱くイメージとはかけ離れたものです。法律的に犬猫、その他動物はすべて「物」であり、所有物なら「財産」として認識されています。ですから殺せば「器物損壊」。盗めば「窃盗」となります。人間なら「殺人」「誘拐」ということになります。

ですから現行の動物愛護に関する法律も、この域を出てはいないため、罰則も人に対するそれとはまったく比べ物にならないほど軽いのです。

センターに収容された犬猫は「器物」であり「拾得物」であるため、一定期間は、飼い主(落とし主)が現れるのを待ちます。でも、飼い主(落とし主)が現われなかったら物として処分されるわけです。法律というのは非常にシビアでクールなものだと思います。



              


さて、最初の動物保護センターのお話に戻りましょう。

ちばわんのセンターレポートをご覧になって、犬たちを、ずいぶん不衛生で冷たそうな場所に放置しているなぁと、思う方がおられると思います。私もかつてはそうでした。

しかし本来は犬猫をただ収容するだけの箱としての施設であり、医療面、衛生面を、さほど考慮する必要のない場所として建設されているのです。清掃はきちんとされています。でも収容される犬猫が多くて、すぐに汚れてしまいます。冷暖房設備などは当初からありません。設置したくても設置基準にない(器物ですから)ため設置できないわけです。

それでも多くのセンターでは予算を捻出し、ボランティアの助けを借りて、毛布やヒーター等を用意し、必死で命を守ろうと努力をしています。予算のない中、できる限りの医療的ケアも行なっています。

もし犬猫その他の動物を、人を害する恐れのある危険な拾得物として一定期間預かり、処分するのが動物保護センターの仕事なら、わざわざ面倒くさそうな(失礼!)動物保護団体やレスキュー団体に引渡したり、栄養・医療管理をしてまで預かる必要はないはずです。

しかし現在多くのセンターでは、独自に譲渡会を開いたり、保護団体と協力し、犬猫の譲渡を行なっています。ちばわんなどのボランティア団体に引渡した犬猫は、新たな飼い主となった方々の名前・住所・畜犬登録番号まで追って、きちんと飼われているかどうかを確認します。これは大変な労力だと思います。

なぜそのような労力をかけてまで本来業務ではないことを行なうのか?それは、やはり動物は「物」ではないからでしょう。当たり前のことですが、毎日近くで接しているセンター職員の方々こそが、そのことを強く肌で感じておられることだと思います。

センターの現状を見て批判するのは簡単ですが、汚いと思ったら、清掃ボランティアも出来ます。床が冷たそうだと思ったら、毛布やタオルを寄付することもできるでしょう。いろいろな助けを求めているセンターは数多くあると思います。センターに行くまでもなく、自身が動物を飼う際、ペットショップやブリーダーから購入するのではなく、保護動物を迎えるのが何よりだと思います。

お会いしたことはありませんが、ブログ仲間の「コロリ達の母」さんは、ご自身も保護犬・猫と暮しておられますが、姪御さんが犬を飼いたいとおっしゃったときに、ぜひ保護犬をと勧めて飼ってもらったそうです。啓蒙することも大切な保護活動の一つだと思います。


どうかセンターが動物を粗雑に扱っている酷い場所、というようには考えないでください。センターでは毎日、並大抵ではない努力がなされているのです。さまざまな矛盾や、やり切れない思いと闘いながら、センター職員の方々は働いておられます。


そして、私はその皆さんの努力のおかげで可愛い可愛い家族を迎えることができました。心から感謝しています。ありがとうございました。



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今も寒い夜を冷たいコンクリートの上で過ごしているセンターの犬たち。この子たちも我が家の犬もまったく同じ命。もし手を差し伸べてくださる方が一人でもいらっしゃれば、一匹の命が同じように、暖かい家で過ごすことができます。

そんな方がいらっしゃったら、是非こちら
「センターレポート」をご覧下さり「ちばわん」までご連絡ください。

なお、センターレポートをご覧になってのお問い合わせは、センターではなくて
「ちばわん」までお願いいたします。
問合せ先:korotarouhs★nifty.com(担当:吉田)
(★を@に変換して下さい)


センターレポート

2009-08-10 00:06:06 | センターレポート

ルース&のあを譲渡していただいたボランティア団体「ちばわん」のサイトに「センターレポート」というものがあります。ちばわんでは定期的にセンターを訪れて、様子をレポートしたり、犬猫を引き出して新しい家族を探すお手伝いをしています。





「センター」とは、各地方自治体におおむね存在する「動物愛護センター」や「動物保護センター」と呼ばれるところです。名前は「愛護」や「保護」ですが、実際は動物を捕獲・収容し、元の飼い主や行先が決まらないと殺処分する場所です。

そういうと、すご~く悪いところのような印象を与えますが、そうではなく、このような場所が存在するのは、無責任に動物を飼い、都合が悪くなったからと言って放棄したり、センターに持ち込む身勝手な人間がいるからです。

実際センターの職員の方々は、大変な苦労と努力をされています。飼い主が見つかるように情報提供をしたり、譲渡(貰い手)会を開いたりしています。それでも、処分しなくてはならない犬猫、動物の方が圧倒的に多くて、それを遂行する職員の心痛は余りあることでしょうね。

そんなセンターと、引き出す犬猫の様子をリポートしたのが「センターリポート」です。ぜひ、ご覧になってください。そこには人を恨むことなく、ひたすら飼い主や自分を迎えに来てくれるのを待つ、ひたむきな目があります。もし、気になる子がいたら、引き出したいと思う子がいたら、ぜひ、ちばわんにご連絡ください。まだ間に合うかも知れません。

ご連絡は「ちばわん」担当者までおねがいします。


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