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MとAのミュージカル・ラン日記 ♪♪♪

音楽を聴きながら走る市民ランナーのブログです。ランと音楽以外のスポーツについても書きます。今は大谷翔平に夢中です!

リオ・オリンピック男子マラソン、日本あまりにも予想通りの結果。

2016-08-23 | レース観戦・応援
 リオ・オリンピックが無事終了した。細かなところは(そしてそれは当事者にはつらいことだったに違いないから軽々には良かったなんて言えないけど)ともかく、テロや殺人事件なんてのもなく、全体としてはとてもうまく進行しフィナーレを迎えた。情熱的で、はつらつとして、多少はしゃぎすぎの感もあったけど、南米の開放的な雰囲気からか選手たちも生き生きとプレーしていたように見えた。北半球にはない素晴らしさを感じた。
 日本は連日のメダルラッシュで、日本初とか五輪史上初とか、何十年ぶりとか、連覇とか内容的にも充実した大会だった。選手・関係者の皆さんお疲れ様でした。

置いてきぼりを食らったマラソン界

 そんな中、日本のマラソンチームは男女ともに(あまり使いたくない言葉だが)惨敗だった。誰がどう見ても。もちろん、選手たちはスタートまでできる限りの練習とコンディショニングを積んだであろうことはまったく疑っていない。にもかかわらずこの結果。ほぼ予想通りのこの結果は何だったのか?

 問題は間違いなく「選考前」にあるし、「選考方法」にもあると私は思う。

■ 選考前

 今回マラソンで画期的な結果を残したと思ったのがアメリカだ。もう10年以上(ロスオリンピック以来)ぱっとした成績はなかったと思う。男子ではフランク・ショーターまでさかのぼらないと名前が浮かばない。女子ではディナ・カスターが頑張ってたけど、今はどうしているかな?
今回もノーチェックだったが、男子ではまさかのゲーレン・ラップの参戦があり、銅メダルを獲得。マラソンは選考レースを1本走っただけらしい。だからベストタイムもこのときの2:11:13。いくら1万メートルが速くても誰もマークはしてなかったろう。ただ、彼のコーチはあのサラザールだったはずで、マラソンに出てくるからにはそれなりの勝算があったのもかもしれない。ジェリード・ワード選手も6着(2:11:30)に入賞している。一発勝負の選考レースでは2:13:00の3位だった。
 ちなみに場所はロサンジェルス。2月14日朝10時過ぎのスタート。この時期のロスは日中20℃くらいになる日本の春くらいの気持ちよく走れる気候らしい。それで、このタイムということは日本のトップ選手より実力は下とみる。少なくとも太刀打ちできないタイムではない。

 にもかかわらず、五輪ではこの結果。一つはよく言われるように、日本選手はスピード変化への対応ができないということだろう。それは、そうした展開のレース経験が少ない。つまり、自分で考えてレースをマネジメントする能力が養われていないということだと思う。たとえば、ラップは5000m、10000mでは大迫でもとうてい太刀打ちできないレベルにある。彼のレベルのレースでは常に激しいスピード変化にさらされており、その経験はマラソンでの揺さぶりにも生きたに違いない。昨今のマラソンレースの展開からすると、平坦なコースでペースメーカーがついてラスト10km、20kmだけの勝負でタイムが良くても、レースでは勝てない。昔とは違うのだ。

 日本も、まずは10000mで世界のファイナリストになれるようなスピードランナーを育てないとマラソンでのメダルは難しい。高岡だって元々長距離のトップ選手だった。残念ながら日本には今そういうランナーは1人もいない。最も可能性がある大迫はトラックで勝負すると言っていてマラソンには興味がないらしい。

■ 選考方法

 オリンピックのマラソンが「夏の暑い時期に行われる」こと、「ペースメーカーがいない」ことは周知の事実なのに、なぜ「夏のマラソン・ペースメーカーなし」の大会結果で選考しないのか不思議で仕方がない。
 どんな好環境でも2時間9分台で走るのは簡単ではないから、9分台と言うだけで評価されるのもわからなくはない。でも絶好の環境下なら世界と戦うには2時間4分台が少なくとも必要だ。日本には今6分台もいない。日本で認められるために選手はまず9分台を目指すのだろう。だから、9分台が出やすいレースに出るに違いない。そのレースはおそらく冬の寒い時期に行われ、ペースメーカーが20km、30km記録会のようにイーブンペースで引っ張ってくれる。でも、本当に必要なのは、強豪が集まるような大会でのレース経験だったり、計画的に打ち込める練習環境だったり(もちろん社会人ランナーには所属会社選手として相応の義務が生じるのはやむを得ない)するのではないか。
 現在夏のメジャーなマラソンは国内では8月の北海道マラソンくらいしかない。陸連は夏マラソンをもっと多く開催するべきだ。そして、選考レースには冬マラソンではなく夏マラソンを選ぶべきで、しかも、ペースメーカーはつけずに行うべきだろう。選考レースを複数にするのはスポンサーなどの関係からやむを得ないのだろうけど、夏マラソンと冬マラソンの結果を並べてタイムが速いとか言う感覚は我々アマチュアランナーからしても感覚がおかしいとしか思えない

 閉会式でも、男子マラソンだけが表彰式が組み込まれ、夏のオリンピックの競技の中でも特別なポジションを与えられていることを改めて感じた。オリンピック全体を象徴する競技がマラソンなのだ。近代オリンピックから始まった「新」種目にもかかわらずなぜそうなったのかは
知らない。ただ、名前の由来とされる紀元前450年のマラトンの戦いの故事の通り、走りきった伝令が死んでしまうほどの過酷さ、文字通り命がけの競技(少なくとも昔は)であるとの認識がそうさせたのかもしれない。事実、以前は過酷さ故に「女子には無理」とされていたくらいなのだ。
 東京オリンピックでは、少なくとも終盤まで優勝の期待をつなげるランナーが出てきてほしいものだ。

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