今年のウィンブルドンも終わってしまった。サッカーのブラジル・ワールドカップと並行して日程されていたので、あっちもこっちもと観るのが大変だった。ぜいたくな悩みだ。
この文章は決勝の前に書いたものだけど、推敲しようと思ってる間に忘れてしまっていた。
フェデラーの優勝を予想していたのだが、惜しくも叶わなかった。
残念! 初の2'd Weekも錦織はベスト16で敗退
ベスト8を賭けた
ラオニッチとの4回戦。1セット目を奪って「これはいける!」と思って、あとは録画で翌日観ることにした。これまで2度対戦していずれも勝っているということも、この日の勝利を確信させた理由の1つ。
ところが勝負事はやはり下駄を履くまでわからないものだ。
“錦織、敗れる”のニュース。「ええっ!負けたって?」
わずかな差
したがって、試合の続きは「それがきわどい試合だったのか、完敗で手も脚も出なかったのか?」を確認するために観たようなものだ。
どうしても端折りながら観ているので、
錦織がブレイクを2つ許して1-6で奪われた第2セットの印象があまり残っていない。まあそのくらい簡単に取られてしまったということかもしれない。試合後のインタビューで「2セット目を簡単に取られて流れが変わってしまった」と答えていた。
勝負は第3セットのタイブレークだった。第1セット途中から
ラオニッチはビッグサーバーの本領を発揮。ファーストサーブの確率も上がり、コースもぴたりと決めてきていた。
何せ速い。わたしが観てたシーンでの最速は141マイル=226km/h。
結局この日のサービスエースは実に35本。
錦織はもちろんレシーブのいい選手。その
錦織にしてこのエースの数。このタイブレークでも「お手上げだよ」という意思表示だと思うけど、エースの決まったあと両手を広げて首を振るしぐさが見られた。誰にも取れない。だいたい35本のエースが次々決まったとすれば、自分のサービスゲームをほぼ9ゲーム連取できてしまうほどの数なわけだ。
錦織にとってはタイブレークに持ち込んで、わずかなすきに付け込んで7-6で奪うしかこの日の
ラオニッチを破る手段はなさそうに見えた。
このセットには並々ならぬ意気込みで望んでいたから、
錦織の落胆は大きかった。1本1本のプレーが目いっぱいのギリギリの勝負だった。ラケットを叩きつけそうになったシーンもあった(思いとどまったけど)。セットを失った後はラケットを空中に放り投げた。
続く4セット目もねばっていたが、ブレイクされたタイミングが悪かった。5ゲーム目を奪われてラオニッチのサーヴィイング・フォー・ザ・マッチ。このゲームでもブレイクチャンスがあったが、
ラオニッチも必死にこのゲームで決めにきた。サーブもファーストからものすごいスピンをかけてきたり、この日の
ラオニッチなら
ナダルにも勝てたかもしれない。
でも、
フェデラーならどうだろう。
錦織は悪くなかった。勝負を分けたのはほんの少しの差だったし(このレベルではその少しが勝負を分けるわけだけど)、この日はラオニッチのサーブが素晴らしかった。
ナダルも4回戦で敗れる
まったく試合は見ていないが、
ナダルも4回戦でランキング144位、オーストラリアの19歳
、ニック・キリオスに敗れていた。ウインブルドンでの優勝もある
ナダルだけど、やはり芝は彼の「家」ではないようだ。
ちゃんと育てばすごい選手になるかもしれない。名前を覚えておこう。
昨年の王者マレーもベスト4に残れず
ベスト4が出そろった。準決勝は
ジョコビッチと
マレーを破った(しかも3-0)ブルガリアの
ディミトロフ、
フェデラーは
錦織、キリオスを連覇した
ラオニッチという組合せ。
ディミトロフのマレー戦は少し見た。この日のマレーは何もできなかった。あっけなく負けた印象。ディミトロフという選手も初めて見たけど、顔は
ロベルト・バッジョ似のハンサムでプレーは
フェデラーに似ていると言われているそうだ。
マレーにこんな勝ち方ができるというのは只者でないことは明らかだ。
ジョコビッチは
チリッチとフルセット。
フェデラーは
ワウリンカを3-1。
ラオニッチは錦織戦同様1セット目を落とした後3セット練習で
キリオスを破った。しかもサービスエースは39本!
フェデラー優勝を予想する
個人的には
ラオニッチのサーブを
フェデラーがどうさばくのかにいちばん興味がある。
ラオニッチは素晴らしいサーブを高い確率でコントロールしてるけど、たはり緊張する場面ではファーストをミスする確率が高くなる。相手がフェデラーともなればこれまで通りやれるかどうか。
フェデラーは
ナダルや
錦織のようなタイプに比較的弱い気がするが、長身のビッグサーバータイプにはあまり負けてないんじゃなかろうか?
ディミトロフ、ジョコビッチも相当すごい試合になりそうだ。
ジョコビッチは2011-13の3年間グランドスラム3大会にファイナル進出。今年も全仏でファイナル進出も
ナダルに敗れて準優勝。最も得意で4℃チャンピオンに輝いている全豪がまさかのベスト8どまりだった今年、3年ぶり2度目のウィナーを狙っていることは間違いないし、
マレー、ナダルがすでに姿を消した今年は大きなチャンスだ。
わたしは
フェデラーのテニスが好きだし、
男子にはシングルのバックハンドの打ってもらいたいと思っている。今、安定度では
ジョコビッチがNo.1だろうけど--事実この大会でグランドスラム23度目のセミファイナル進出となり、サンプラス、ナダルに並ぶ最多記録だそうだ--まだ23歳ながら、シングル・バックハンドで今年ブレイクしているといってもいい
ディミトロフは手ごわそうだ。昨年、クレーでだが
ジョコビッチを破っている。
フェデラーは
ラオニッチに勝つと思う。今大会は見た目もプレーも非常にシャープな印象で、並々ならぬ意気込みを感じる。
万が一、
ラオニッチが
フェデラーを破るようなことがあり、
ディミトロフも
ジョコビッチに勝つような事態になった場合、
ディミトロフは今年の全豪3回戦で
ラオニッチに3-1で勝っており、23歳同士の対戦を制すのは
ディミトロフかもしれない。ただし、今回は芝ということでビッグサーバーの
ラオニッチに有利にちがいない。
ジョコビッチと
フェデラーの順当な組み合わせとなったっ場合には、
ジョコビッチに分があるように思うけど、芝の王者
フェデラーの意気込みがこれを覆さないとも限らない。
ああ、どうなることやら。いずれにしても楽しみなウィンブルドン。