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MとAのミュージカル・ラン日記 ♪♪♪

音楽を聴きながら走る市民ランナーのブログです。ランと音楽以外のスポーツについても書きます。今は大谷翔平に夢中です!

2014ウィンブルドンを振り返って (2)フェデラーのバックハンドとネットプレー

2014-07-07 | ランニング以外のスポーツ
決勝はジョコビッチ対フェデラー。ジョコビッチがフルセットを制す。

 10時から生中継があったので「これは観るっきゃない!」と観はじめたが、暑さの中走ったせいで眠い。半分はうとうとしながら第3セットまで観た。お互いにほとんどブレーク・チャンスがない。2セットがタイ・ブレーク。チャンピオンシップ・ポイントを奪われながらもサービスエースでなんとかキープし、フェデラーが逆に第4セットを7-5で取り返した。ここであきらめた。

 ここからは録画で見た。ファイナルセットは第6ゲームまでサービスゲームでは1ポイントも奪われてなかったフェデラーが、第7ゲーム、第8ゲームとデュースの連続ながら互いにキープ。4-4からの第9ゲームはジョコビッチのサービスゲーム。15-15からネット際のスマッシュをフェデラーがミスしてネットに引っかけたあたりからジョコビッチがペースをつかんだように見えた。
 あるいはこのスマッシュミスはフェデラーの「疲れ」の証拠でもあったかもしれない。
 サービスゲームをキープし5-4としたジョコビッチ。第5セットは中盤までフェデラー押し気味の展開だったのに潮目が変わった。うまく行ってる時ほど注意が必要だ! ワールドカップ直前の強化試合に3連勝した日本代表もこの罠にはまった。

 第10ゲームフェデラーはサービスゲームをキープできず、スコア4-6で万事休す。
 でも、この大会のフェデラーは久々に素晴らしい出来だった。32歳という年齢から限界説が取りざたされるこの頃だけど、少なくとも芝のコートではまだまだ世界一に限りなく近い位置にいることを証明した。
 本当にどのプレーをとっても無駄がなく美しい。特にシングル・バックハンド。それとネットプレー。リスクを冒して攻めに出る勇気こそが実はフェデラーの魅力の最たるものだと思う。あまりにスマートなので観る者は忘れがちだけど。
 王者にふさわしいテニススタイルにほれぼれする。他に代役はいない。

 もちろんジョコビッチも素晴らしかった。わたしが注文をつけるとすれば、バックハンドが両手打ちである点くらい。それ以外はどのプレーもまとまっていてスキがない。そこがちょっとつまらないところだ。ときどき叫んだりするが、それは一瞬で、すぐに水を打ったように冷静さを取り戻す。このあたりの気持ちのコントロールの仕方が抜群だと思う。
 優勝後には打って変わって柔和な表情を見せ涙をこらえ少年のように振舞えるオン・オフの切り替えも好感が持てる。その点は錦織に似てるかもなあ。

 その錦織始め男子も若手が台頭し面白かった。女子も同様。ブシャール、ハレプ、ケルバーなど若くていきのいい選手を何人も観ることができて楽しい大会だった。日本の奈良、土居も2回戦で負けたけど、それぞれヴィーナス・ウイリアムス、マカロワを苦しめたし、日本のテニス界のレジェンドでもある伊達さんもマカロワに肉薄し話題をさらった。
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2014ウィンブルドンを振り返って (1)錦織は悪くなかった。

2014-07-07 | ランニング以外のスポーツ
 今年のウィンブルドンも終わってしまった。サッカーのブラジル・ワールドカップと並行して日程されていたので、あっちもこっちもと観るのが大変だった。ぜいたくな悩みだ。
 この文章は決勝の前に書いたものだけど、推敲しようと思ってる間に忘れてしまっていた。
 フェデラーの優勝を予想していたのだが、惜しくも叶わなかった。

残念! 初の2'd Weekも錦織はベスト16で敗退

 ベスト8を賭けたラオニッチとの4回戦。1セット目を奪って「これはいける!」と思って、あとは録画で翌日観ることにした。これまで2度対戦していずれも勝っているということも、この日の勝利を確信させた理由の1つ。
 ところが勝負事はやはり下駄を履くまでわからないものだ。
 “錦織、敗れる”のニュース。「ええっ!負けたって?」

わずかな差

 したがって、試合の続きは「それがきわどい試合だったのか、完敗で手も脚も出なかったのか?」を確認するために観たようなものだ。
 どうしても端折りながら観ているので、錦織がブレイクを2つ許して1-6で奪われた第2セットの印象があまり残っていない。まあそのくらい簡単に取られてしまったということかもしれない。試合後のインタビューで「2セット目を簡単に取られて流れが変わってしまった」と答えていた。

 勝負は第3セットのタイブレークだった。第1セット途中からラオニッチはビッグサーバーの本領を発揮。ファーストサーブの確率も上がり、コースもぴたりと決めてきていた。
 何せ速い。わたしが観てたシーンでの最速は141マイル=226km/h。
 結局この日のサービスエースは実に35本。錦織はもちろんレシーブのいい選手。その錦織にしてこのエースの数。このタイブレークでも「お手上げだよ」という意思表示だと思うけど、エースの決まったあと両手を広げて首を振るしぐさが見られた。誰にも取れない。だいたい35本のエースが次々決まったとすれば、自分のサービスゲームをほぼ9ゲーム連取できてしまうほどの数なわけだ。
 錦織にとってはタイブレークに持ち込んで、わずかなすきに付け込んで7-6で奪うしかこの日のラオニッチを破る手段はなさそうに見えた。
 このセットには並々ならぬ意気込みで望んでいたから、錦織の落胆は大きかった。1本1本のプレーが目いっぱいのギリギリの勝負だった。ラケットを叩きつけそうになったシーンもあった(思いとどまったけど)。セットを失った後はラケットを空中に放り投げた。

 続く4セット目もねばっていたが、ブレイクされたタイミングが悪かった。5ゲーム目を奪われてラオニッチのサーヴィイング・フォー・ザ・マッチ。このゲームでもブレイクチャンスがあったが、ラオニッチも必死にこのゲームで決めにきた。サーブもファーストからものすごいスピンをかけてきたり、この日のラオニッチならナダルにも勝てたかもしれない。
 でも、フェデラーならどうだろう。

 錦織は悪くなかった。勝負を分けたのはほんの少しの差だったし(このレベルではその少しが勝負を分けるわけだけど)、この日はラオニッチのサーブが素晴らしかった。

ナダルも4回戦で敗れる

 まったく試合は見ていないが、ナダルも4回戦でランキング144位、オーストラリアの19歳、ニック・キリオスに敗れていた。ウインブルドンでの優勝もあるナダルだけど、やはり芝は彼の「家」ではないようだ。
 ちゃんと育てばすごい選手になるかもしれない。名前を覚えておこう。

昨年の王者マレーもベスト4に残れず

 ベスト4が出そろった。準決勝はジョコビッチマレーを破った(しかも3-0)ブルガリアのディミトロフフェデラー錦織、キリオスを連覇したラオニッチという組合せ。
 ディミトロフのマレー戦は少し見た。この日のマレーは何もできなかった。あっけなく負けた印象。ディミトロフという選手も初めて見たけど、顔はロベルト・バッジョ似のハンサムでプレーはフェデラーに似ていると言われているそうだ。マレーにこんな勝ち方ができるというのは只者でないことは明らかだ。
 ジョコビッチチリッチとフルセット。フェデラーワウリンカを3-1。ラオニッチは錦織戦同様1セット目を落とした後3セット練習でキリオスを破った。しかもサービスエースは39本!

フェデラー優勝を予想する

 個人的にはラオニッチのサーブをフェデラーがどうさばくのかにいちばん興味がある。ラオニッチは素晴らしいサーブを高い確率でコントロールしてるけど、たはり緊張する場面ではファーストをミスする確率が高くなる。相手がフェデラーともなればこれまで通りやれるかどうか。フェデラーナダル錦織のようなタイプに比較的弱い気がするが、長身のビッグサーバータイプにはあまり負けてないんじゃなかろうか?
 ディミトロフ、ジョコビッチも相当すごい試合になりそうだ。ジョコビッチは2011-13の3年間グランドスラム3大会にファイナル進出。今年も全仏でファイナル進出もナダルに敗れて準優勝。最も得意で4℃チャンピオンに輝いている全豪がまさかのベスト8どまりだった今年、3年ぶり2度目のウィナーを狙っていることは間違いないし、マレー、ナダルがすでに姿を消した今年は大きなチャンスだ。

 わたしはフェデラーのテニスが好きだし、男子にはシングルのバックハンドの打ってもらいたいと思っている。今、安定度ではジョコビッチがNo.1だろうけど--事実この大会でグランドスラム23度目のセミファイナル進出となり、サンプラス、ナダルに並ぶ最多記録だそうだ--まだ23歳ながら、シングル・バックハンドで今年ブレイクしているといってもいいディミトロフは手ごわそうだ。昨年、クレーでだがジョコビッチを破っている。
 フェデラーラオニッチに勝つと思う。今大会は見た目もプレーも非常にシャープな印象で、並々ならぬ意気込みを感じる。
 万が一、ラオニッチフェデラーを破るようなことがあり、ディミトロフジョコビッチに勝つような事態になった場合、ディミトロフは今年の全豪3回戦でラオニッチに3-1で勝っており、23歳同士の対戦を制すのはディミトロフかもしれない。ただし、今回は芝ということでビッグサーバーのラオニッチに有利にちがいない。

 ジョコビッチフェデラーの順当な組み合わせとなったっ場合には、ジョコビッチに分があるように思うけど、芝の王者フェデラーの意気込みがこれを覆さないとも限らない。

 ああ、どうなることやら。いずれにしても楽しみなウィンブルドン。
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日本には錦織がいた。2014ウインブルドン。

2014-06-30 | ランニング以外のスポーツ
ウィンブルドンも熱かった!

 日本が予選リーグで早々に敗れ、「だからもうワールドカップに興味がない」というわけではないが、現実的な反応として、日本がいないワールドカップは、日本人にとって、あるいはわたしにとって、日本がいたワールドカップとは決定的に変質してしまっている。どうしようもない。
 メッシやネイマールやロドリゲスのプレーを始め、たとえば今日のギリシャ-コスタリカ戦の激闘だって面白いと思うし、それなりに熱くなるけれど、日本戦とは受容の仕方が異なるのはやむを得ない。
 それはナショナリストかどうかと関係はゼロではないかもしれないが、つまりは彼らをよく知っているとか、何がしかのつながりがあるとか、そういうたぐいの問題なのだろう。メッシと親友だったり、ロドリゲスの恋人だったりすれば(彼にはすでに美人の奥さんがいるそうだが)、やはり熱く応援するにちがいない。

錦織を応援しよう!

 今年の錦織の試合を、(さすがに録画を飛ばしながらだが)それなりにしっかりと見ている。1,2回戦はまったく危なげがなかった。完全に試合をコントロールし、必要な場面ではペースアップするだけで簡単に勝利をモノにした。
 右足首に黒いサポーターをつけてプレーしているが、身体の調子は良さそうだ。ここまで3セットで決着させていることも体力的にはかなり大きい。

 3回戦は日没サスペンデッド。伊達さんの嫌な思い出がよみがえる。相手は故障で132位まで落ちているが、最高位36位まで上がった経験もあるイタリアのシモーネ・ボレリ。しかも別の選手が棄権したため?繰り上がりで出てきたラッキーボーイらしい。
 元々男子選手の場合は、100位の選手とトップ選手の差など本当に細かなコントロールの力だとか、決定的な場面での集中\力や気持ちの強さ、冷静さなどにすぎない(と思う)。だから逆に言えばほんの少しの何かで結果も大きく変わってしまうことはある。彼には失うものがない。ノープレッシャー。
 だが錦織は違う。そしてこの試合(雨天中断などがあり途中までしか録画されてなかった)常に先手を取られながらも、セットカウント2-2に追いついて第5セット第4ゲーム、3-3でサスペンデッドになったようだ。翌日は大会休養日(!)で本日これから続きがある!
 これは見逃すわけにはいかない。

 ここを抜ければ、ベスト8を賭けて、第8シードのカナダのラオニッチ(残念ながら知らない)と闘うことが決まっている。準々決勝はナダルが相手だろう。
 そのナダルが2年前に敗れたロソルと戦った2回戦を見たけど、今回も薄氷の勝利だった。第2セットのタイブレークを落としていたら--落としそうな場面は何度もあった--負けていたかもしれない。しかし、ナダルほどあきらめの悪い男はいない。筋がねどころか筋ダイヤ入りのハートを持っている。相手が強いほど面白いけど、そうじゃなくてもナダルの試合は、いつ、どんな相手だろうが見る価値がある。いつも見るものを熱くさせる。テクニックだけならフェデラーのほうが多彩だし美しいし正確だろうが(その点ではフェデラーはテニス史上最高の選手じゃないかと思う)、ナダルは「そんなのカンケエねえ」。しかしフェデラーとは違う強さ、美しさをやはりそのプレー自体に感じるし、コートでの振る舞いにはナダルという人間の謙虚さ、やさしさが伝わってくる。
 このところ錦織はナダルと相性がいい。この3回戦第5セットをなんとかモノにしてナダルとの好勝負がみたいし、できたらなんとか破って準決勝に駒を進めてほしい。準決勝の相手はスイス勢、フェデラーかワウリンカのどちらかだろう。


 錦織、勝ちました! ベスト16。故障とかしてないだろうな。頼むぜ!

※昨年のウインブルドンについてのブログ(昨年も似たようなことを書いていた。ただし、波乱はあまりなし。セリーナが早々に負けたくらいか)
錦織にチャンス? 波乱続きのウィンブルドン2013
■今年もウインブルドンが始まった 日本勢は総じて調子がよさそうだ。 まずは何と言っても錦織圭。シードとはいえ、緊張感のある1回戦を楽に突破したのは大きい。伊達さんも簡単に2回...
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あなたは誰を応援しますか? 2014FIFAワールドカップ・ブラジル大会

2014-06-10 | ランニング以外のスポーツ
プロフェッショナル 仕事の流儀

 2週連続で放送された、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」ご覧になっただろうか?
 先週はここまでの道のりを中心に、今週はインタビューがメイン。
 本田の発言はいちいちもっともだ。彼の強さは、まず自分が弱い人間(普通の人間)であることを自覚し、毎日顔を出す自分の弱さと向き合い、対話し、負けない強さを持っていることだ。あきれるほどの負けず嫌いだとはよく聞く話だ。
 「僕は子どもたちに一度だって『夢はかなう』とは言ったことがないですよ」とも言った。わたしもよく「夢をもってあきらめなければ必ずかなう」と言う人に違和感を覚えるけれど、本田の言ってることには共感できる。本田の言ってることは「夢を持たず、努力もしなかったら、夢なんてかなうはずがないじゃないですか」、そういうことだ。だから、できるだけ、でっかい夢を描いた方がいい。
 最後に「プロフェッショナルとは?」と聞かれて、この番組では必ず聞かれる決まりになってるにもかかわらず「全く準備してませんでしたよ。ちょっと考えさせてください」。そう言って紡ぎ出した言葉は、

 自分の仕事に対してまじめに取り組むこと。うん、それだけで十分だと思いますよ。

 そんな風に結んだ。まあほんとに大した男だと思う。ずいぶんと年下なのに、そう思ってしまう自分が情けなくもあるが、言うだけじゃなくて実践し続けているその生き様はすごいと言わざるを得ない。

 先週の放送で実は最も印象に残っているシーン。宮古島での自主合宿で、本田が「どこに泊ってるんですか?」と番組スタッフに声をかけた。「一泊3500円のペンションです」と答えたら、「いいじゃないですか。僕も有名人じゃなかったら、そこ泊ってると思いますよ」とすぐさま本田は返した。
 それは本音でもあろうし、そのスタッフとの距離感を縮める、意図せず自然と出た思いやりの態度だという気がする。強気の発言ばかりが取り上げられ、釜本氏のように「本田を王様にさせるな」と心配する声もあるが、いろいろ見てると、彼はとても周囲、つまりファンやスタッフにも気配りしていると感じる。そういうところはまさに天才的だと思う。だから敵ではなく味方になるのだ。

 このブラジル大会では、遠藤を一番応援したいと思っているが、やっぱり本田も捨てがたいね。本田も遠藤と同じくらい応援したい。まあ、ほかのメンバーももちろん応援してるんだけど。

例によって、優勝予想

 開幕まであと3日。
 わたしの優勝候補の一番手は開催国ブラジルだ。かなり高い確率だとおもってはいるが、もちろん100%ということもありえない。
 2番手はメッシが今回はキャプテンを務めるアルゼンチン。マラドーナもすごいが、メッシの得点能力、とくにC.ロナウドのような破壊的な身体能力ではなく、サッカー選手として必要な能力に特化した場合、メッシは他を寄せ付けない選手だと思っている。ロナウドは他のスポーツでもそれなりに高い能力を発揮するだろうが、メッシはサッカーだからこそ発揮できる能力を最大限まで極めているとでもいえばよいだろうか。
 あとは難しい。南米開催では地理的な面で南米が有利なことはこれまでも証明されている。これは今回も有効だろう。
 アフリカ、北米はよく知らないが、優勝に絡むレベルではないと思われる。コートジボワールやカメルーンを観ればそう考えざるを得ない。
 ヨーロッパで一番強いのは、やはりドイツだろうか。これに続くのがスペイン、いやスペインとドイツはいい勝負だな。続くのがイタリア、ポルトガル、オランダ、ベルギーあたりかな。優勝経験のあるイングランド、フランスは少し落ちる気がする。わたしはルーニーの大ファンだが、チーム力としては物足りない。フランスはリベリの欠場が痛い。
 あと、勝ち負けはともかく、日本の恩人、愛すべきオシムの祖国ボスニア=ヘルツェゴビナは応援したい。
 
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サッカー 日本対ザンビア戦。4-3で勝利。W杯前最後の強化試合を観て

2014-06-08 | ランニング以外のスポーツ
まずは勝って良かった! しかも劇的な勝利。

 強化試合だし、勝負は二の次という人もいるが、わたしはそうは思わない。勝って5連勝でワールドカップに臨めて本当に良かった。内容が良くても、勝つか負けるかでは気分が全く違う。「勝って兜の緒を締める」のは当然のことだ。これで浮かれてるようなチームならW杯優勝などと一文字足りと語る資格はない。
 そんなやわなチームではすでに日本代表はない。

 しかも最終盤に追いつかれた後、ロスタイムでの逆転勝利。これは盛り上がった。しかも決めたのが大久保で、アシストが変わったばかりの青山。ザックもよく交代を命じたと思う。あとで述べるが、これは本番に向けて大きな意味を持つと思う。

 ザンビアは大したチームではないような戦前のメディアの報道で、まったく期待していなかった。まったくいつものように日本のメディアは自分の目で見てさえいないことを事実のように平気で自動的に書くことがしばしばある。
 ふたを開けてみれば、ザンビアは統制のとれた、きちんとした指導のもとにしっかりとトレーニングを積んだと見てとれるいいチームだった。「仮想」の対象とされたW杯初戦の相手コートジボワールのドログバやジェルビーニョ、ヤヤ・トゥーレのようなスーパーな選手はいなかったが、チームとしてとてもまとまっていて攻守に無駄な動きが少ない。メリハリをつけた攻撃で、選手たちの頭のよさも感じた。パトリス・ビュメール監督の手腕も大きいと思われる。全然知らないけど、まだ36歳とは信じられない。
 日本の失点はどれも完全に形を崩された正当なゴール--いくつかはディフェンスに当たってコースが変わったとはいえ--だ。ここに問題がある。多くの解説では、そここそが身体能力の高いアフリカの選手の特徴であり、一歩、身体半分、思ったよりも前に出てくるということらしい。ザンビア戦の経験を、試合後の言葉通り本番で役に立ててもらいたい。

停滞ではなく前進を

 4点取って勝ったことよりも、先に2点も前半の早い時間帯に失点したことにザックも香川も本田も大いなる危機感を語っていた。これはこれでW杯前に再点検し対策を練れるわけでよかったのではないか。といっても修正できることなのかどうか、わたしにはわからない。
 一つ思うのは、攻撃的に行くと決めたわけだから、釜本氏がどこかで語っていたように「日本は守備的に行かなくては世界と戦えない」というような意見を今さら気にしても仕方がない。また、今回に限ってはイタリア人指揮官の意志は相当固いと見ている。

 「自分たちのサッカーを勇気を持ってすることがとても重要」とザックは断言している。結果が出なかったことを熟慮した末に、岡崎や内田、俊輔を直前でレギュラーから外した、4年前の岡田監督のように、守備的な布陣とカウンター狙いにシステムを変更することはよもやないだろう。

 実際のところ、こうした指揮官を得て、今回こそ日本らしい攻撃を--結果はともかく--世界に示すべきW杯なのではないかと個人的には思う。そうでなくては、この4年間日本は全く進歩していないことになる。何事においても進歩しないといけないかどうかは難しい議論になるが、日本のサッカーにとっては停滞ではなく前進する姿を観たいと思う。ファンとしてそう思うことは許されてもいいだろう。

 もっと言うなら、日本がいつかW杯を持ちかえる日が来るとするなら、日本の攻撃サッカーを世界に示すのがこのブラジル大会で、もしそれができたなら4年後あるいは8年後は日本の監督とともに(いったい誰がいるだろう?次の課題がそこかもしれない)カップを掲げることが可能になるのだと思う。

コートジボワール戦の先発は?

 ザンビア戦を終えてザックの頭の中にはもう初戦の先発は固まっているに違いない。
 GK。ザンビア戦3失点の西川に引導をわたす決断をつけられたと思う。川島が今大会も正GKを担うと見る。
 全体のシステムに3バックの可能性ももはやない。CBのスタメンは森重と吉田麻也。ザンビア戦、PAで見せた身のこなしとボールさばき、結果としてアシストを決めたパスの精度は森重の攻撃力の高さを見せつけるものだった。ヘディングの強さ、正確さもすでにわれわれは知っている。
 SBは不動の2枚。長友と内田。内田は1対1の勝負を面白がっているところがあって、この試合でも1点目を抜かれて笑っていたが、それが仕方のないものであっても、もっとガツガツいってほしい。
 ボランチ。長谷部のコンディションの悪さへの言及から見て、遠藤と山口蛍が先発すると見る。あるいは、今回見せた青山の活躍から、青山自身も自信がついたろうし、ひょっとしたら青山と山口もありうるかもしれない。ただ、個人的には今回、本田と並んで遠藤をもっとも応援しているので、遠藤の先発を願う。スタミナが心配されてるようだが、普段の練習でも誰よりも走っている遠藤の姿を知っているし、いけるところまでまずは遠藤でいってほしいんだけど。
 1トップと2列目。ザンビア戦の終盤の布陣をわたしとしては推したい。ただし、1トップは大迫ではなく岡崎で。大迫、柿谷はやはりサブが妥当だと思うし、サブで力を発揮できると思う。
 2列目は、香川をトップ下に、本田を右、大久保を左に配置。しかしながら、この三人は自由に入れかわれる。あるいは岡崎も含めて4人がバランスを取りながら入れ替われたら面白いんじゃないか。
 今日ブラジル入りした日本代表メンバー。開幕まであと5日、楽しみは尽きない。
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