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ウィンブルドン男単、盧彦勲が死闘の末八強に!

2010年06月29日 05時56分33秒 | スポーツ

(快挙を達成!日が暮れだしたセンターコートでガッツポーズのルー選手。テレビから)

テニスの世界四大大会の一つ、ウィンブルドン(全英オープン)で台湾の男子プロ選手、ルー・イェンスンがやってくれた。台湾時間の28日深夜に始まった男子シングルス四回戦でアメリカのスター選手、今大会第5シードのアンディ・ロディック選手と対戦。4時間半を超えるフルセット、第5セットは延長に入るという死闘の末に見事勝利、台湾の選手としてはもちろん初、アジアの選手としては1995年の松岡修造選手以来となる貴重な八強入りを決めたのだ。

(センターコートは4時間半を超える熱戦で西日が射す。昨年の歴史に残る決勝戦より長い試合なのだ。テレビから)

(集中してロディック選手の弾丸サービスに備える。テレビから)

(スタンドからは中国語で「加油!(がんばれ!)」という声が何度も響いていた。彼には聞こえていたのだろうか。テレビより)

(台湾の選手の戦うところならどこだって国旗が現れる!国連加盟を認められない中華民国の国旗がオフィシャルに掲げられることはないからだ)

ロディック選手といえば2003年の全米オープン(世界四大大会の一つ)の覇者で元世界1位。(現在は7位)その弾丸サーブはあまりにも有名だが、昨年のウィンブルドンではストロークの安定性が増し、ネットプレーやドロップショットなどの技術面も向上、決勝戦でロジャー・フェデラー選手(スイス)と4時間16分にわたる歴史に残る名勝負を演じて惜敗したのは記憶に新しい。
そのロディック選手に真っ向から立ち向かったルー選手、第1セットこそサービスゲームを破られてゲームカウント4-6で取られたが、その後は両者とも各自サービスゲームをキープし続け、ルー選手は第2、第3セットでいずれもタイブレークを制して逆転。第4セットも同じ展開ながらルー選手はタイブレークでロディック選手に押し切られ、セットカウント2-2の互角に。
第5セットもシーソーゲームの末、ゲームカウント6-6となって延長戦にもつれこんだ。ウィンブルドンでは最終セットはタイブレークが無く、ゲームカウントで2ゲームの差をつけないと試合は終了しない。その後も両者は各自サービスゲームをキープしたが、第16ゲームにロディック選手のミスから広がったチャンスをルー選手が逃さず、9-7でこのセットを奪って台湾のテニス界にとっての歴史的な快挙を果たした。最終的なスコアはルー選手の4-6、7-6、7-6、6-7、9-7。

(勝ってロディック選手と握手するのは初めて。ロディック選手はショックだったのだろう、すごい速さでロッカールームに消えた。テレビより)

(試合終了後、放心したように両手で顔を覆うルー選手。テレビから)

(勝利者インタビューに流暢な英語で答えるルー選手。「まだ実感がわかない」としながら、ドイツ人コーチと家族にしきりに感謝していた。また、「台湾では午前3時だが…」と水を向けられると、「台湾の人たちとこの勝利を分かち合いたい」と応じた。テレビから)

ルー選手は1983年生まれで現在26歳。身長180センチの右利きでバックハンドは両手打ち。2001年にプロ入りして以来、台湾を代表する選手として活躍、昨年1月の全豪オープン(四大大会の一つ)では当時世界11位のダビッド・ナルバンディアン選手(アルゼンチン)を破って3回戦に進出、台湾の男子選手として過去最高の成績を残した。世界ランキングも昨年4月には自己最高の55位まで上昇。現在は82位でアジアではトップだ。

(フォアからの強力なトップスピンが武器)

(バックハンドは両手打ち)

ルー選手の父親はすでに亡くなっている。生前の願いは、ルー選手がウィンブルドンの本戦に出場して世界ランキング上位100位に入ること。ルー選手は父親が亡くなってからこれらをすべて実現し、「父に見せたかった」と涙ぐんだこともある。しかし、今は感傷的になってはいない。ロディック戦の前、「ボールは丸い」(試合はやってみないとわからないという意味)と勇敢に話したルー選手は過去三戦全敗だったロディック選手をついに下して次のステージへと進んだ。
準々決勝での相手はこれまた強豪、世界3位で今大会第3シードのノヴァーク・ジョコビッチ選手(セルビア)だ。ジョコビッチ選手は気性の激しい選手だがスタミナに難点がある。ルー選手がロディック戦のような超人的な体力を見せることが出来ればチャンスはあるのではないか。

日本ではワールドカップで、みな選挙どころではないと聞いた。中華民国台湾も出場していないとはいえ、お祭り好きな国民性からかワールドカップはけっこう盛り上がっている。そしてさらにはルー選手の活躍。中国大陸との貿易協定、ECFA台湾海峡両岸経済合作枠組み協議締結(29日)への関心など吹っ飛んでしまいそうだ!(U)

※ 勝利の瞬間の動画がYouTubeにアップされています。ご覧ください!
  http://www.youtube.com/watch?v=O0exgyLe2ts&feature=player_embedded

(16強に残った時点で中華民国の張小月・英国駐在代表が祝福に訪れた。台湾ではスポーツ選手に対する政府のサポートは決して多くない。テニス選手のほとんどは実家が私財を投じて競技を続けさせている。子供にスポーツをさせる観念が普及していない台湾では政府の踏み込んだ支援が必要なはずだが・・・)

 

 



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