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台湾における「日本研究」のすそ野拡大に期待

2009年10月14日 13時25分26秒 | 台湾ニュース

 9月24日、台湾の国立政治大学・国際関係研究センター内に、台湾初の「現代日本研究センター」が設立されました。 
 日本事情に精通する台湾の若手人材の育成をその目的としており、日本の対台湾窓口機関である財団法人交流協会が全面的に支援する一大プロジェクトとして、先月晴れて開所式を迎えました(上の写真)。

左から順に
楊永明・国家安全会議諮問委員(閣僚級。現在の馬英九政権内では数少ない日本留学組で非常に流暢な日本語を話す)
齋藤正樹・代表(日本の駐中華民国大使に相当)
楊進添・外交部長
蕭萬長・副総統
呉思華・国立政治大学学長  

 開所式で挨拶に立った、交流協会台北事務所の齋藤・代表は、台湾との友好関係を喜びつつも、「台湾では、欧米研究は非常に幅が広く盛んだが、日本に関する研究となると、語学や文学、歴史などが中心。政治や社会など、より多角的で全面的な日本研究を行っているところはまだ少ない」と指摘。
 このセンターが、台湾における日本研究の中心的なプラットフォームとなる事を強く期待しました。  

 斉藤・代表の挨拶を受けて、来賓挨拶の最後を飾った蕭萬長・副総統も、「台湾と日本は国交がないにも係らずきわめて密接な関係を維持しているが、日本の統治を経験している『日本語世代』と呼ばれる人たちはみな既に70歳以上で、日本をよく知る人材は少なくなってきている」と、齋藤・代表の指摘に賛同。 
 「現代の日本」についてより深く理解し、研究していく必要がある、と述べ、このセンターから若き知日派が育ち、今後の日本との交流に貢献して欲しいと呼びかけました。 

 開所式翌日の9月25日には、対日双方の専門家らによる、記念会議が行われました。 
 台湾の対日窓口機関・亜東関係協会の彭栄次・会長は、「今世界は『Change』の時代だが、台湾と日本の関係だけは絶対に『Change』させてはならない」と、対日人材を断絶させてはならないとの思いを強く訴えました。


予定を変更し急遽駆けつけた彭栄次・亜東関係協会会長
李登輝・元総統の対日ブレーンの重鎮として知られる財界人


早稲田大学台湾研究所前所長の西川潤・教授
日本側出席者を代表し、台湾における日本研究の現状について発表


日本における台湾研究の権威、東京大学の若林正丈・教授
「地域研究の意義は他者への理解」と


台湾側の教授陣 

 台北市内の国立政治大学は、台湾でも有数の規模と高い教育水準を誇る総合大学として知られています。その校名にもよく表れている様に、現在の政治大学は元々、中華民国政府がまだ中国大陸にあった時代に、国民党の党務学校として、官僚などを育成する事を目的として発足したのが始まりです。 
 そのため、台湾に移ってからも、文系、特に政治や外交、歴史などの社会科学系が強く、多くの官僚や政治家がここから輩出されています。 

 その国立政治大学に所属する国際関係研究センターは、台湾でもトップレベルの国際問題に関するシンクタンクとして有名です。 
 その中に設立された「現代日本研究センター」から、新時代の知日派が多く巣立つ事を、心から期待すると共に、私たち日本の側も、よりいっそうの台湾理解につとめたいですね。(華)



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