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郭泓志は「邪悪な」ボールで打者を辱める!

2010年05月29日 00時02分47秒 | スポーツ

(左から。動画共有サイトで有名になり、台湾版「スーザン・ボイル」と呼ばれるようになったアマチュア歌手の林育群さんと郭泓志・投手。23日にドジャースタジアムで行われた台湾観光イベント、「台湾デー」に出演した林さんは郭・投手と対面して興奮)

米大リーグで東洋人が活躍することはごく自然になった。台湾からもすでに6人が大リーガーとしてプレイした経験を持ち、そのうち投手2人はバリバリの現役。中でもロサンゼルス・ドジャースの中継ぎ、郭泓志・投手が注目を集めている。

郭泓志(グオ・ホンヂィと発音)・投手は左の速球派。1981年生まれで現在28歳。1999年7月、高校卒業後にドジャースとマイナー契約して渡米、2005年のシーズン終盤にドジャースに昇格して台湾4人目の大リーガーとなった。(左投手は1人目)しかし、剛速球で三振の山を築く一方、四球で自滅する「一人相撲」のケースが多く、先発はもちろん、抑えとしても目立った成績を残せなかった。

(「台湾デー」ではドジャース対デトロイト・タイガースの交流戦が。郭泓志・投手とタイガースで活躍する倪福徳・投手の「台湾製」二投手が対面。倪・投手は郭・投手を“火の玉ボーイ”と呼び、郭・投手は倪・投手が三振を奪った際に見せる弓を引くようなガッツポーズをしてみろよと互いにからかう。二人ともけっこうお笑い系。郭・投手は、「俺たちにとっては毎日が台湾を宣伝する台湾デーさ。がんばらなきゃ」と泣かせることを言う)

それが2008年のシーズンに大変身、コントロールが大幅に向上して持ち味の速球が生き、中継ぎを中心に42試合80イニング投げて、5勝3敗12ホールド1セーブ、防御率2.14という素晴らしい成績を残したのだ。この働きぶりにより、MLB(大リーグ)のオフィシャルHPが行った投票活動で、郭・投手はこの年の「最優秀セットアッパー」に選ばれた。「セットアッパー」とはリードした状態の終盤に登板する投手。最後を締めるのは「クローザー」。ドジャースにはブロクストンという守護神がいるので、郭・投手は今年の場合、主にブロクストン投手につなぐ役割を担っている。

(昨年秋に帰国した際には台風被災地再建のためのチャリティーイベントに参加、ユニフォームをオークションに出品した。珍しいタキシード姿)

2009年は開幕まもなくひじの故障で故障者リスト入り。7月下旬になって復帰するとショートリリーフで本領を発揮してトーリ監督の深い信頼を得たが、同監督は一方で「(ひじの問題で)彼にとってはすべてのボールが野球人生最後の一球になる可能性がある」として、投球は基本的に1イニングに限定するなど郭・投手を気遣う姿勢を見せた。
そして今シーズン、郭泓志・投手はやはりひじの具合で若干出遅れたもののこれまでに12試合に登板。中継ぎ成功を示すホールドは9と好調だ。ドジャースは4月にはナショナルリーグ西地区で最下位だったが5月に快進撃、サンディエゴ・パドレスに次ぐ二位に順位を上げている。5月に郭・投手が登板した試合はすべて勝っており、貢献度は大きい。郭・投手は現在、12試合10回2/3を投げ、0勝1敗(初登板で敗戦投手に)、ホールド9、被安打5、奪三振13(!)、四球3、自責点2で防御率は1.69。ここ11試合では自責点ゼロの大活躍だ。

(2009年4月15日、ジャッキー・ロビンソンを記念するため、選手全員がロビンソンの背番号42をつけた日の写真。左腕から繰り出す剛速球で大リーガーをキリキリ舞いに)

(ずんぐりした体つきでちょっとガニ股、肩をいからせて投げる姿はもっさりした印象だったが、昨年オフに帰国したときのイベントでは、ウェア越しに見事な肉体美がうかがえた)

そんな郭泓志・投手にアメリカのメディアも大注目。『Ocregister.com』では、郭・投手が26日までに214回1/3(大リーグ6年間)投げて、245個の三振を奪っていることを紹介、「郭泓志が相手打者を“辱める”能力に問題は無い!」と称えた。また、25日の『Rototimes.com』は、「郭泓志のひじに問題がない時のボールの威力はあまりにもfilthy(邪悪、不道徳、けしからん)だ!」とほめちぎった。

台湾からやって来た中継ぎ、それも1試合で1イニングしか投げない投手がこれほど注目される背景には、郭泓志・投手の過去が関係している気がする。郭・投手は2000年、2002年、2004年、2007年と四度、そのひじにメスを入れており、その都度選手生命が危ぶまれたのだ。そして今、度重なる手術にもかかわらず、郭・投手が平均で146キロから153キロ、最高159キロの剛速球を投げ続けることに大リーグの関係者は「奇蹟」と驚く。郭・投手も常に、「このボールが自分にとって最後になるかも」という覚悟で投げていると話す。郭・投手は2008年、42試合登板でホールド12、2009年は35試合でホールド14をあげた。今年は12試合でホールド9という驚異のハイペース。好調をキープして過去最高のシーズンにしてほしい。(U)

郭泓志・投手に関するミニ知識

出身地 : 台湾台南市
身  長 : 185センチ
体  重 : 107キロ
出身校 : 台南市私立南英高級商工職業学校
あだ名 : 小小郭 ※ 「大郭」は元中日ドラゴンズの郭源治・投手
             「小郭」は元西武ライオンズの郭泰源・投手 
      郭董(郭・会長!といった意味。貫禄があるからか?)
記 録 : 台湾出身のプロ野球選手として
        大リーグにおける初の左投手
        リーグ優勝決定シリーズに登板した初の投手(08年)
        ナ・リーグ優勝決定シリーズで勝利した初の投手(09年)
        大リーグで本塁打を打った初めての選手(07年)
通算成績 : 9勝14敗 43ホールド 1セーブ 防御率3.72
                                                          (※防御率は5/16まで)

(ニューヨーク・ヤンキースの王建民・投手の陰に隠れた存在だったが、今では台湾における大リーグ人気を支える代表的な人物に。親善試合のため今年3月にドジャースの一員として帰国した際には空港で大歓迎を受ける。ワシントン・ナショナルズに移籍した王建民・投手は7月に復帰の予定、こちらも期待!)

台湾の大リーガーに関する知識ではこちらもどうぞ!(ちょっと古いです・・・)http://blog.goo.ne.jp/rtijapaneseblog/e/f3d30b751ed497ba22211139778a8474 


 



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1 コメント

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10個目のホールドもゲット! (U)
2010-05-29 20:56:14
郭泓志・投手は台湾時間の29日に行われたコロラド・ロッキーズ戦でも2/3イニングを無失点に抑え、今季10個目のホールドをあげました!5-4と1点リードの7回裏、一死走者一塁で登板、三振、四球、三振で片付けました。防御率は1.59に下がっています!
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