連日猛暑にはカキ氷？いいえ、東京の恐怖学園！

（「東京の恐怖学園」の看板。東京では「ヤミコの呪い」と名付けられたイベントで、お台場と同時開催になっている。赤いランドセルを背負った女の子が不気味！）

日本は梅雨が明けて天気予報では毎日のように「熱中症に注意！」と呼びかけている。台湾ももちろん暑い。ちょっと晴れればすぐに35度前後になり、若い娘も日傘が手放せない。大型量販店ではペットボトル入りの冷たいお茶や、筒に入ったアイスクリームが次々とまとめ買いされているという。
当然、カキ氷も定番だ。台湾のカキ氷は日本とかなり異なる。日本が素朴のおいしさならば、台湾はさしずめカーニバルといった趣だ。水の氷を削って作るカキ氷でもトッピングがこれでもかという状態だし、「雪花冰」と呼ばれる、水に牛乳、さらにピーナッツペーストや抹茶、コーヒーを加えた液体を凍らせた氷を削って作るものも広く普及している。「雪花冰」は氷自体に味が付いている他、成分が単純な水ではないので、口に入れると一度クリーム状になってからのどを通るような独特の口当たりが楽しめる。氷だけのようにフワフワ、シャクシャクともしておらず、どちらかというとズシリとした感じだ。

（写真は「雪花冰」のピーナッツ味のもの。カンナくずが折り重なったような外見がユニーク）

しかし台北では今年、もっと涼しくなるものが話題となっている。それが「東京の恐怖学園」。日本東京のお台場にあるお化け屋敷「台場怪奇学校」が7月9日から31日までの限定で台北にやってきたのだ。音や光の特殊効果、主人公としての任務を負った冒険、仕掛けの施された専用懐中電灯などで日本でも話題のイベントが台湾で楽しめるというわけで、暑くて暑くてたまらんという若者が連日列を作っている。
遊園地に行く年齢でもないといえばそれまでだが、台湾ではお化け屋敷なるものはなかなか見かけない。中国語で「鬼屋」という言葉があるぐらいだから誰もが知っている遊楽施設なのだが、実際に経営しているのを自分は見たことが無かった。今年の夏休み、「鬼屋」を設けているのは台湾中部雲林県にある「剣湖山」と高雄県の「義大世界」の二つ。台北にいる限り体験できないのだ。

（真向かいは台北駅だよ…）

（台湾故事館への入り口から入る）

今回、「東京の恐怖学園」が現れたのは…なんと台北駅のまん前。台北通の人なら誰でも知っている、駅前の新光三越ビル（三越デパートが入っている。台北101が出来るまでは台北一高いビルだった）の隣のビル地下三階だ。地下二階には台湾のレトロな街角を再現した「台湾故事館」があると言えば、「あそこか」と思われる方もいるのでは。
「東京の恐怖学園」は「探検エリア」、「死人エリア」、「幽霊エリア」の三つのゾーンに分かれており、それぞれ4分間程度の映像を見てから中に入る。一度に入れるのは4人から6人。音や光で超自然現象の恐怖が味わえる「幽霊エリア」が怖さのハイエンド（頂点）との事だが、実際には人が脅かす「死人エリア」が最も怖かったとの感想も。一つのエリアに入るのに台湾元299元かかり、決して安くないのだが…、毎日延べ約1000人が「涼んでいる」。

（上の写真の左側。こんな感じで列が出来ていてビックリ。少人数で徐々に入場するので、かなり待つようだったが当人たちは盛り上がりつつ…）

（その列の後ろ。まだまだ続く）

（地下三階の入り口前の階段には入場を待つ人たちが。「好期待！楽しみ！」などと言いながら、幾分顔がこわばっているように見えた）

（壁には不気味な落書きが。日本語で書かれていて直輸入であることが感じられる）

（「東京の恐怖学園」は東京からやってきたプロデューサーも満足の出来だと言う。中からは絶叫が…。入り口まで来たらもう行くしかない！）

テレビのニュースでも取り上げられるほど話題になっている「東京の恐怖学園」。台湾は若者の娯楽の選択肢が実はあまり広くない。かつてはカラオケかボーリングしかなかった。だから「東京の恐怖学園」は今年の夏休みの思い出となるにちがいない。運営側によると反響が大きいことから8月末まで延長することも検討中だということで、そうなれば「駅前のお化け屋敷」を目指して台湾中部や南部からも若者がやってくるようになるかもしれない。もちろん、開催期間中の無事故を切に願う。

現在の営業時間は午後1時から夜10時まで。日本からこの夏、台湾に遊びにやってくる皆さんも台湾新幹線で南部へ向かう前に、あるいは台北に戻ってきたその足で、恐怖学園で涼んでみてはいかが？南国の日差しで火照った体が一気に冷え込むこと請け合い！って、自分は実はまだ体験していない。ジェットコースターでも「ちょっと…」という中年なので大目に見てください（笑）。なお、入場券は窓口で学生証を見せるか、あるいは学校の制服姿で購入すれば2割引になる。だからといって、20年、30年前の「学生」が制服を着て来るのはやっぱりやめたほうが…。かなり怖いので！（U）

（場外整理の女の子も、血しぶきがかかったような夏の制服姿。なかなか凝っていますね！）