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高雄県の旧日本海軍施設が国定古跡に

2010年09月08日 17時42分31秒 | 台湾観光旅行

 上の写真は、高雄県の県庁所在地にあたる、鳳山市というところにある、旧い軍事基地です。 
 日本統治時代、現在の高雄市の左営という地域は軍港として栄え、若かりし頃の中曽根康弘・元首相も駐在していた事で知られています。
 鳳山は、左栄からは少々距離がありますが、高雄港からほど近く、当時、当時、台湾の三大軍事無線通信所の一つに数えられた海軍の鳳山無線通信所が設けられていました(上の写真)。

 戦後、これらの設備は、中華民国の国軍が利用し、ここ鳳山では、秘密訓練や、白色テロと呼ばれた軍・警察などによる知識人らの無差別連行でも使用されたとされています。


敷地内の塹壕


同じく塹壕、こちらはちょっと小さめ

 その後、老朽化などによってこれらの設備は使用されなくなり、2007年には、旧日本海軍鳳山無線通信所(一番上の写真)とその周辺一帯(旧通信基地)は、高雄県の古跡に認定されました。

 県政府では、鳳山の旧日本海軍基地とその周辺の地域は、日本統治時代、国民党の一党独裁時代を経てきた、時代の生き証人であると共に、戦後国民党と共に台湾に渡ってきた中国大陸各地の軍人とその家族が集まって暮らした「眷村」という特殊文化も残されており、歴史を記録するためにも、国家指定の古跡としたい、と働きかけていました。

 その努力が実り、8月30日から、旧日本海軍鳳山無線通信所(通信基地)が、国家指定の古跡と認定される事になりました。
 国家古跡指定の範囲には、付近の眷村は入っていませんが、県政府では今後、眷村の文化イベントなどを通して、範囲拡大を働きかけていく意向のようです。


旧い給水塔


手洗い所として使われている建物


新しく改修された事務所

 鳳山では毎年冬に、「眷村文化フェスティバル」を開催しています。
 普通の観光旅行とは一風変わった、こんなイベントを通して、台湾が経てきた歴史を感じるのも一興です。(華)


旧日本海軍鳳山無線通信所の現在の航空写真
真ん中と外側で二重のサークルになっているのが分かる


旧日本海軍鳳山無線通信所までのアクセス
高雄新交通システム・KRTCの鳳山国中駅から徒歩10分弱


点線で囲まれた部分が入口

 旧日本海軍鳳山無線通信所は通常、一般公開はされておらず、毎年行われる「眷村文化フェスティバル」の時期のみ参観が可能となります(期間中はガイドの案内もあり)。
 それ以外の時期は、団体であれば事前に高雄県政府文化局に予約しての参観が可能です(今年12月25日には高雄県は高雄市と合併しますが、それ以降の連絡窓口はまだ不明)。
 今年の眷村文化フェスティバルは、10月末ごろから11月にかけてのどこかで予定されています。具体日程はまだ未定ですので、決まりましたらまたお知らせします。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
住所はどこなんでしょうか (worldtram)
2010-09-12 13:17:13
高雄に行くついでに寄ってみてみたいです。
いつも、この手の観光地には住所が記載されているのですが、
記載していないのは何か理由があるのですか?
返信する
アクセスについて ()
2010-09-13 16:19:16
worldtramさま、コメントありがとうございます。
大変失礼しました。アクセスについての案内をアップいたしました、ご参考になさってください。
ただ、眷村文化フェスティバルの期間以外は基本的には一般公開はされておらず、団体予約参観のみの受け付けとなっています。
言葉足らずで大変申し訳ございませんでした。
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