福島原発
東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐる不適切な言動で辞任した鉢呂吉雄・前経済産業相の後任は１２日、埼玉県選出の枝野幸男・前官房長官（４７）（衆院埼玉５区）に決まった。
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原発事故に対応した経験から、即戦力を期待された。ただ、原発事故収束や震災復興の使命に加え、被災地の信頼回復など野田政権の不手際の後始末もあり、県内では期待と懸念の声が交錯している。
入閣のニュースが流れた１２日昼頃から、さいたま市大宮区の枝野氏の事務所に、支持者から「原発事故対応に全力を尽くしてほしい」「エネルギー政策の見直しで手腕を発揮して」など、激励の電話やメールが続々と届いた。
地元経済界からは、景気対策を担う経済閣僚での入閣を歓迎する声が上がった。県商工会連合会は「何をやるべきかを分かっている人だ。日本経済の立て直しや震災復興に積極的に取り組んでもらえるという期待感がある」とした。
民主党内の受け止め方は複雑だ。党県連幹事長の本多平直・衆院議員は「枝野氏は官房長官として原発問題に取り組み、即戦力として活躍できる」と強調。政権浮揚の役割を果たすことへの期待感を示したものだが、一方で、「国民から見放された菅政権で原発対応にあたっていたのに、再び担当に就くのはリスクが高い。今回失敗したら、取り返しがつかなくなる」と不安視する声も出ている。
自民党県連会長の新藤義孝・衆院議員は「就任から９日間で閣僚が辞任し、野田政権は国民への説明責任が不十分だ。枝野氏の起用も野田内閣がどういう基準で人事をしているのか分からず、国民が納得しているとは思えない」とし、対決姿勢を強めている。
福島県からの避難者からは、突然の閣僚の交代劇に驚き、あきれながらも、枝野氏の手腕に期待する声が聞かれた。双葉町から加須市の旧騎西高校に避難している石川雅英さん（５７）は、「（鉢呂前経産相の辞任は）新しい内閣でこれからという時に残念だが、当然。半年前まで住んでいた場所を『死のまち』などと言ってほしくない。枝野さんは決断力がある人という印象。力を発揮してしっかりやってもらえると期待している」と話した。
（2011年9月13日11時44分
読売新聞）
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