「α(アルファ)ノート」。福岡市博多区の市立板付中学校は、そう名付けた特注のノートを生徒に配っている。家庭学習を習慣づけることが目的で、毎日の家庭学習の実施率は9割に達するという。効果のほどは? 生徒の話を聞いた。
αノートはA4サイズで全48ページ。「1日1ページ」を埋めるのが原則だ。各ページの上方4分の1に翌日の時間割りと持ち物・宿題を確認し、一日を振り返る欄がある。残りの4分の3は「今日の学習」に使う。そのスペースで何をするかは、生徒が決める。
3年生の吉田夏海さんのノートを見せてもらった。
■苦手教科を克服
「αノートは1日1ページなので隅から隅まで使います」
漢字や英単語の書き取りをした日はたしかにびっしり。1年のころはそうした暗記が中心で、3年になると英語、国語、社会……と各教科まんべんない。「最初はただ覚えるためにやっていたけど、今は教科書をまとめたり、友達の良いところをまねしたりと、いろいろ」。家では友達と携帯メールのやりとりに熱中してしまいがちだが、「αノートやらないかんけん」と、切り上げる潮時にもなるという。
3年の典略友香さんは苦手分野の克服に使う。「1日1ページなら、苦手な教科でもきちんとできる。得意な教科はすすんでやるから」。苦手なのは国語と社会。試験前に見直して、分かりやすいようイラストもつけて丁寧にまとめる。
αノートを活用する板付中の取り組みは、2007年に始まった。前校長が「1日1ページ、ノートを作らせたい」と発案した。
この当時、同校には既に時間割りと一日の振り返りを記す「生活ノート」があった。新たなノートを追加するのは負担になると考えた田中千晶教諭が、パソコンを駆使して「時間割りと振り返り」「家庭学習」の欄を1枚にまとめたものを自作。これを両面印刷して使ったが、翌年から業者に発注して独自のノートを作った。1冊108円。生徒には年に5冊配る。費用は校納金とPTA会費で賄う。
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