サッカーのTV放映権について

■ セビージャのニュースより

当BLOGには、「スポーツマスコミ」というカテゴリーを作っていますが、これまで５回しかエントリーをしていなかったので「一番最後は、いつだっけ？」と思って見てみたら「ジダンの頭突き事件」の時でした。今回は、スペインのセビージャというクラブの事件と９月３日に行われるアジアカップ予選（サウジ対日本）のこの２つの放送権料とスカパー、WOWOWという現状について、ちょっと考えてみました。

セビージャはホームゲーム、アウエーゲーム共に、今季はテレビでは放送されないと発表した。クラブの公式サイト上で行われた発表には、以下のように記されている。 「リーグ戦および国王杯でのテレビ放映権の扱いについて合意に達しなかったため、セビージャが関係する今シーズンのすべての試合は生放送、録画放送、スクランブル放送、ペイパービューなど、いかなる形でもテレビでは放送されない」 　セビージャは昨季のＵＥＦＡカップ王者で、２５日にはＵＥＦＡスーパーカップのタイトルも獲得した。クラブは提示された放映権料が低すぎると考えており、「国内外のサッカー界におけるセビージャの地位にも、テレビにおけるサッカー放映権の金銭的価値にも見合わないもの」だとコメントしている。 スポナビより － セビージャ、テレビ放映権が売れず今季放送なし

この記事を読んでふと疑問に思ったことがあります。
例えば、バルセロナ対セビージャ（inカンプノウ）の試合でも、スペイン人は、観れないということでしょうか？？一応、記事ではそういう風に書いてありますが・・・

根本的にこの放映権料というものの仕組みがよく分からない。一応、ググッってみましたが、調べる気力が先日のエントリー「UEFAチャンピオンズリーグの仕組み」で尽きたので、今回は、想像や簡単なことだけで話を進めていこうと思います。

セビージャのケースだと、記事を読み取る限りクラブ側にＴＶ局側から提示された金額が少な過ぎた為、合意に至らなかったと判断すればいいと言うことだと思う。つまり、セビージャの「放映権」は、クラブが握っているということが判明した。（多分！）

でも、前述したバルセロナ対セビージャのようなアウェイゲームは、どうなんだろうか？
国内（リーガ・エスパニョーラ）の場合は、何かあるのかもしれない・・・ホームゲームのチームが放映権を握っていると考えるのが普通だと思うが・・・UEFAカップ王者になったので、昨年よりはクラブにマネーが入り潤ったとは思いますが、やはり「ＴＶ放映権」というのは、現在のサッカー界のクラブ収入において非常に大きなウェイトを占めていると思われます。だからこそ、その金額を幾らでも高く設定して買い取って欲しいと考えるのは、経営としては当然だと思います。

しかし、チームとしてはＵＥＦＡカップ王者になりこれからリーガの上位を目指して行こうという雰囲気があると思うのです。特に現場レベルでは。だからこそ現場とフロントが一丸となってチームの方針を明確にすべきだと思います。第三者の日本人から見て、フロントの出来事ではあるけれど、チームとしての方向性がいまいちピンと来ないと感じます。大体にして、サポーターが納得するのでしょうか？？今シーズンのセビージャは、低迷するかもしれません・・・もしかすると、セビージャのホーム（セビリヤ）だけ映らないのかもしれない(笑)

■ アジアでも・・・

ところが、このセビージャの一件は、他人事ではなさそうです。

９月３日のアジア杯予選の敵地決戦、サウジアラビア―日本戦（ジッダ）が日本国内でテレビ中継されない可能性が１３日に浮上した。 　関係者によると、サウジアラビア・サッカー協会は自ら保有する日本戦の放映権を２００万ドル（２億３０００万円）の超高額に設定しているという。 　通常のアジア杯予選の放映権は、１億円を下回る程度。２億円となると、０４年６月１日にマンチェスターで日本がデービッド・ベッカム（レアル・マドリード）ら世界的名手勢ぞろいのイングランドと対戦した試合（１―１ドロー）と同規模だ。 　４大会連続Ｗ杯出場中のサウジアラビア。オシム・ジャパン初となるアジア屈指の強豪国とのガチンコ対決は注目度が高く、最高レベルの評価額となった。だが、日本時間午前２時半というキックオフ時間がネックで、高視聴率は望みにくい。オイルマネーで潤う同国サッカー協会は現時点で値切る様子を一切見せず、関係者は「Ｗ杯予選ならまだしも、アジア杯でこの額はあり得ない。法外です」と困惑している。 　サウジ側の強硬姿勢に、日本のテレビ各局が交渉を一時凍結。値下げし、現地映像をそのまま放送できる契約交渉も行われているが、状況は不透明という。放送がなければ、サポーターにも衝撃となりそうだ。 スポーツ報知より － ９・３サウジ戦ＴＶ中継なし！？放映権料高い

サウジは、頭おかしいんじゃないか？！（記事によるとやはり放映権は、ホームチームが握っているようですね・・・）
う～ん・・・これは、サッカー協会の腕の見せ所でしょうね！要は、ライブ放送で現地の放送でも！というのを考えているんのでしょうけど、別になんだって観れればいいわけで・・・この交渉は、サッカー協会だけではなく、広告代理店とかテレビ朝日とかその辺も絡んでいるんでしょうかね？！

しかし、イングランド代表との試合が２億円だったとは・・・驚きです！！
サウジ戦だったら、２０００円くらいで十分ではないでしょうか？！(笑)

もし放送されなかったら、ちょっと残念です。まぁ、３日後くらいにイエメン戦（アウェイ）があるのでいいと言えばいいんですけど・・・でも、やっぱりオシムＪＡＰＡＮ、初のアウェイでの戦いは見たいですね。

■ スカパーとＷＯＷＯＷと独禁法

現在では、海外のサッカー（欧州）を日本で観れるような時代になりました。ちなみに私は、リーズユナイテッドがプレミアシップに昇格するまでスカパーと契約しないと決めているので、現在は、東京の友人が録画したビデオを送ってくれるという心温まる友情によってプレミアリーグなどを観ているのですが・・・(笑)

私の事はさておき・・・現在、スカパーでは『UEFAチャンピオンズリーグ／セリエA／プレミアリーグ／スコットランド・プレミアリーグ／ドイツ／フランス／オランダ／アルゼンチン／Jリーグ』等を放送しているようですが、先日、件の友人と話しをしていて気づいたことがあります。プレミアリーグでもアーセナル、チェルシーなどBigクラブ中心の放送しかないのでしょうか？例えば、第３節に行われた全10試合をすべてチェック出来ないのでしょうか？！
結局、人気のあるクラブ中心の放送ってことなんでしょうか・・・じゃあ、リーズが昇格しても観れない試合があるかもしれないってことですよね！？また、他のリーグでも同じなんでしょうか？！例えば、リーズよりもマイナーなクラブのサポーターは、ほとんどホームゲームが見れなくて、人気クラブとの対戦の時にしか自分の贔屓のクラブを見れないってことが、今でもあるんですよね！？う～ん・・・いかがなものか・・・

話は、変わりもう一つ人気リーグである、リーガ・エスパニョーラを放送しているWOWOWですが、どうも第１節の放送がなかったみたいですね！これも、「放映権」絡みだったようで・・・

弊社はこれまでスペインサッカー リーガ・エスパニョーラ06-07シーズンの放送につきまして権利交渉を行ってまいりましたが、未だ契約合意に至らないため、第1節の放送は行うことができません。 今後につきましては引き続き権利交渉を継続し、決定次第WOWOW ONLINE等にてお知らせいたします。 視聴者の皆様には大変ご心配、ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 WOWOWのHPより － リーガ・エスパニョーラ2006-07シーズンについて

いっそのことスカパーで独占したらいいんじゃないか！？って思っているのは、多分、私だけではないと思いますが(笑)

ところが、イギリスで独占禁止法に引っかかったというケースがあったらしいです。

英国内で長くプレミアリーグの放映を独占してきたBスカイBが、EU委員会により競争法（独禁法）違反と指摘されたことによって、プレミアリーグが2007-08シーズンの放映権を分割競売（6つのパックに分割販売され、一つのテレビ局が6つ全部のパックを落札することはできない）することもあり、来春以降、さらなる価格の高騰が訪れることは確実視されている。物差しの理屈で考えれば、プレミアをはじめとするヨーロッパ各国のフットボールリーグ戦の価値は、確実に増大していることになる。ちなみに、英国のアナリストはBスカイBが少なくとも4つ、あるいは5つのパックを競り落とすだろうと分析。人気カードのバランスを考慮して分けられるという各パックごとの入札次第で、現在年間3億4千万ポンド（約720億円）の放映権料は大きく伸長するかもしれない。 COBS ONLINEより － 放送権料という物差し

何気なく読んだこの記事ですが、腰を抜かすようなことが書いています。“年間3億4千万ポンド（約720億円）”って…どこぞの小国の国家予算みたいなことになっているじゃないですか！

でも、前述したスカパーで一括してしまえば良い！ってのは、多分、独禁法には引っかからないと思うので、現実的には、来シーズンくらいには、スカパーがリーガを放送しているかもしれません。なんせ、WOWOWの今回の事をスカパーが見逃す訳がないのでね。もし、スカパーがリーガの放送権を獲得しないとなると、裏で紳士同盟が結ばれているかもしれません(苦笑)

余談ですが、上記の「放映権料という物差し」という記事の中で「これまで、地上波で放送される巨人戦の放映権料が１試合につき１億円」だったらしいです！今なら、１万円くらい？(苦笑)

■ 昔の試合も観たい！そこで、あるアイディア

ちょっといつもよりは、だる～んという感じで書いてきましたが、これも“ブログ実験期間”ということでご了承下さい。

昔のＷ杯の試合であったりチャンピオンズリーグの試合、またＥＵＲＯの試合など観たいと思ったことはありませんか？！きっと、「あの試合、また観たいなぁ～」なんて思ったことがある方が大半だと思います。しかし、現状では、何か特別なことがない限り見れません。また、ＤＶＤやビデオも出ていますが大抵ダイジェストです。はっきり言って、「名勝負・名大会」のダイジェストなんて無駄です。やはりサッカーは９０分間で成立しているものなんでね。例えるならば、ロード・オブ・ザ・リング３本をダイジェストで1本にまとめたようなものです(笑)

ここで突然ですが、あるアイディアについて。
昔のＷ杯などは、ＮＨＫが日本国内の「放映権」を購入して放送していたと思うのです。数年後デジタル放送になりますし、現在もインターネット（ブロードバンド）を利用して映画などさまざまなコンテンツが配信されて、有料ではあるものの観ることが出来ます。

昔のＷ杯などの試合をいつでも観れるようにデジタルデータとしてサーバーに置いておいて、インターネットでもデジタル放送でもいいので、能動的に観れるような環境にならないだろうか？（ペイパービューでもいいので）

勿論、録画などの著作権であったり、放送権に関わるその辺の法的な部分、また、ビジネス的な部分、そして技術的な側面など現時点では難しいこともあると思うのですが、単純に、データベース化して、それを視聴者がいつでも観れるような環境というのは、サッカーに限らず、今後、可能になると思うのです。

余談ですが、昔、サポートセンターの仕事をしていた時に、おじいちゃんから電話がありまして、「“ＴＶタックル”見逃したのだが、インターネットとかで見れないのか？」という質問をされたことがありました。勿論、無理なんですけど、その時にふと思ったのです。ＴＶは、現在放送時間などありますが、基本的に初回放送以外は、いつでも見れるような環境が整うのは、将来的には可能なんじゃないのか？！と…そこで、「将来的には、そのような時代も来ると思いますが、現時点では無理です」という旨を伝えました。

まさに、このおじいちゃんが言ったことって現実的には可能だと思うのです。あとは、放送する側が環境整備など整えてくれるだけです。現在の放送は、放送する側が一方的に時間と内容を決定して、放送するだけです。例えば、某民放の代表の中継の解説は、いらないとか、ＦＷの選手の視点で１試合観たいとか、技術的には可能だと思うのです。あとは、こういうニーズが潜在的にどれだけあるのか？そしてそれに放送する側が対応するのか？という所だと思うのです。技術的な部分などについては、不可能ではないと思うのです。

きっと、今年行われた06年ドイツＷ杯の決勝「そう言えば、決勝戦でジダンに頭突き喰らわしたのは、誰だっけ？？」ってことになり、このような方法で再度視聴する時代が数十年後に訪れるかもしれません。


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