レンタル（不倫）

噂のYちゃんから「途中まで読んだんだけど面白くない」「もしよかったら読みますか？」と文庫本を貰いました。タイトルは、漢字の「不倫」と書いて「レンタル」。冒頭は安っぽいボルノ小説風に始まり「何じゃ、こりゃ？」な感じだったのですが、いざ読み始めてみたら、これが面白い事面白い事。あっという間に読み終えてしまいました。まぁちょっと「恋愛」を小馬鹿にしたと云うか、皮肉ったような内容なのですが、何だかとっても頷ける内容なのですよ。
以前から私は「恋愛にも才能が必要」だと思っていたのですが、似たような事を感じている人がいるんだな、と嬉しくなりました。足が早い人・遅い人がいるように、恋愛に向く人・向かない人もいると思うのです。ある程度は、こつを教わり練習する事で上達はするけれど、持って生まれた資質はいかんともし難い、と云う考えなのですが、どうでしょう？
私はどちらかと云えば恋愛は苦手な方で、常にどこか自分事ではなく俯瞰で眺めているような感じなので、別れ話で揉めた事もなければ修羅場を演じた事もありません。喧嘩自体、余りしませんね。なので、どっぷりと恋愛に浸かり溺れてしまえる人を見ると、不思議に思う反面、羨ましく思う事も...。
その辺の感覚を、面白可笑しく、かつ毅然と書いて見せてくれて、何とも気持ちのいい作品でした。オススメです！