兼業役者の猫とバイクとヴァナ・ディールな日常

舞台中心、TV.映画.CM等を少々。そんな無名役者の仕事とバイト。猫とゲームのぐうたらな日々と云いたい放題。

キッチン

2008年10月14日 18時43分25秒 | 観たり聞いたり読んだり、勝手気侭な感想
最近「キッチン」を読み返しました。吉本ばななさんは大好きな作家さんの1人で、殆どの著作を読んでいるはずなのですが、その1番最初が、この「キッチン」でした。
当時「何て寡黙なストーリーだろう」と云う印象があって、映画化が決まった時には「あの寡黙な小説をどうやって映画にするのか?」と要らぬ心配をしたのですが、今回読み返してみて、意外にも雄弁かつ行動的な主人公に出会ってびっくりしてしまいました。「静かで透明感のある世界だ」と云う印象は変わりませんでしたが、何だか目から鱗な感覚です。これって、こんなお話だったのね…。脳内で自分勝手に記憶をすり替えていたのかもしれませんし、単純に私の見方や感じ方が変わっただけなのかもしれません。歳を取ると、若い頃とは違う感覚が生じる、と云う事でしょうか?
いずれにしても、この物語が好きだ、と云う気持ちは変わりませんでした。頭の中で、勝手なキャスティングで映画をリメイクしつつ、楽しく読み終えました。又10年くらいして読み返してみたら、今度はどんな風に感じるのか…。試してみたいですね。