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くり部屋blog

くりえいてぃぶな人が集まる、ぬるーいブログにしたいと思ってます。

【映画】ジブリ「風立ちぬ」を見た

2013-08-04 13:22:24 | レビュー
今日「風立ちぬ」を見てきました。

風立ちぬ 劇場予告編4分


事前の情報から、ゼロ戦設計者の夢とエゴ・・・
みたいなテーマの映画だろうと思っていましたが
そんなことよりも絵の美しさに、ただ見とれました。

水の透明感とか
メガネのレンズ越しに見える風景とか
草を渡る風とか

なんでこんなすごい描写ができるのだろうか。
作画作業は相当大変だったはずだけど。
ジブリはやはり天才集団なんだろうか。

主人公の堀越二郎は、技術者らしく
自分の夢に生きている人でした。
そして現実に対してはそっけなく冷淡。

上司に話しかけられても
自分に集中していて
一言目は必ず聞き逃すところとか

片手で妻の菜穂子の手を握りながら
片手で設計図を引く場面とか

「ああ、技術者ってこうだよなあ」って
思いながら見ました。

そこにおそらく宮崎監督は自分自身を投影していると思うのですが
「自分は天才なんだから世間に冷淡なのは許してくれ」と言ってるのではなく
「天才であることの罪も罰も背負って、それでも自分は生きていく」と
言ってるのだと僕は解釈しました。

それがキャッチコピーの「生きねば」につながってるのではないかと思います。

ゼロ戦のメカニズムに関して
深い話はほとんど無いです。
沈頭鋲がでてくるくらい。

それよりも堀越二郎と菜穂子の恋愛がメインの話です。
メカ好きのオタクが美少女に無条件に愛される、というのは
宮崎映画らしいといえばらしいですが。
しかし、美しい恋愛物語です。

話題の庵野秀明の起用ですが
朴訥な感じが役柄にマッチしてて
僕はいいと思いました。

印象に残ったセリフ。

「創造的人生の寿命は10年だ」

「大好きな人に一番綺麗な姿を見てもらいたかったのよ」

【ブックレビュー】裁かれた命 死刑囚から届いた手紙-堀川 惠子

2013-04-02 16:50:18 | レビュー
図書館で書架を眺めてたら
偶然、大学時代の友人の著作を見つけました。



裁かれた命 死刑囚から届いた手紙-堀川 惠子

そういえば、本出したって言ってたなあ。
まあ何かの縁だし読んでみるか、くらいの気持ちで借りて帰りました。

結論から言うとかなり面白かったです。
いや、重いドキュメンタリーなので面白いというのは不謹慎なのですが
よく取材されていて興味深かったです。

タイトルにある死刑囚とは
昭和41年に東京・国分寺市でおきた主婦殺人事件の犯人
長谷川武のこと。(半年後に死刑判決、5年後に執行)

このドキュメンタリーは長谷川死刑囚が
逮捕当時、捜査検事だった土本武司氏に
独房から送った手紙が発端となっています。

検事に対する恨み辛みが書かれているのか?それとも
表面的な反省を述べて情状酌量を求めようとしているのか?

当然そういう先入観を持ちながら読み進めていきましたが
読むほどに、意外なほど誠実な青年の姿が立ち上がってきました。
検事や弁護士への感謝、被害者への謝罪
刑を素直に受け入れる態度が、その文面から読み取れます。

取材は検事や弁護士といった裁判関係だけでなく
彼の生育環境にも及んでいきます。

長谷川死刑囚の父親は幼い頃に交通事故で死亡。
新聞売りをする母親に女手ひとつで育てられました。
母親は気が強く、子どもの教育には無関心な女性だったようです。
それが息子の事件を期に人が変わったように
息子への愛情を示すようになります。
そして死刑が執行されると、彼女は・・・。

母を思う息子、息子を思う母の姿に涙腺がゆるみます。

さらに母親の少女時代を知るために
生まれ故郷の福島へ。そこで複雑な家庭環境が明らかになります。
40年以上前の事件のため、風化している部分もかなりありますが
よくここまで執念深く取材したな、と驚かされます。

正直、ここまで書いていいの?
プライバシーの侵害じゃないのか?と思う部分もありましたし
Amazonのレビュアーに言われているように
被害者からの視点が欠けているとは思いました。

おそらく著者は死刑反対論者なのでしょう。
著者自身の意見はかなり抑えられていますが
死刑囚への同情心が湧くような
構成になっているという批判はあるかもしれません。

しかしそれを差し引いても、丹念な取材は見事ですし
昭和のある時期の裁判制度の未整備
日本人の貧しさ、そしていろいろな事情を抱えながらも
生きていかなければならなかった市井の人々の姿を
くっきりと浮かび上がらせていると思います。

ドキュメンタリーとして素晴らしいですが
一人の人間のストーリーとしても読み応えがありました。
直前に読んだのが「苦役列車」だったので
こっちがほんとの人生の「苦役」を描いてるじゃん、とか
余計な感想を書いて終わりにします。

【ブックレビュー】苦役列車-西村賢太

2013-03-24 16:38:20 | レビュー
前回のエントリーでは
「全体的にはいい映画だと思いますが」とか言いながら
結局「山本五十六」をこき下ろしてしまいました(笑)

批判的な文章を書くと、自分でも後味が悪いんですよ。
で「レビュー書くなら、その作品を読みたくなるようなのを
書かなきゃなあ」と反省したのですが
また悪口を書きます(笑)

まあクリティックなんだからクリティカルになるのは
しょうがないじゃないか、と自己弁護した上で・・・



苦役列車-西村賢太
第144回(平成22年度下半期)芥川賞受賞

作者の西村賢太氏と石原慎太郎閣下との対談がYouTubeにあがってて
興味をもったので図書館で借りてきて読みました。

主人公は日雇いで働く、19歳の港湾労働者。
イカだかタコだかわからない冷凍の魚肉を
ひたすら倉庫に運び込む毎日。
普通の軍手は1日で擦り切れて使い物にならなくなる。
かといって、ゴムのイボ付き軍手にすると
酒を買う金が足りなくなる、という最低辺の生活・・・

・・・というあらすじを先に知ってて読んだのですが
全然、頭に入ってきませんでした。
なんていうか、心にすんなり染み込んでこない。

なんでだろ。

この作者のスタイルなんでしょうけど
ワンセンテンスに多くの内容を詰め込みすぎじゃないでしょうか。例えば、

しかし、貫多はと云えば、その頃には先にも言った生来の陰鬱な気質に加え、自ら人との間に垣根を作りたがる傾向が更に著しくなり、それらの者とは教室内で多少はフザけ合っても決して深入りをせず、また翌年中学生になるとますますその性向は進み、一、二年頃までは僅かな限られた数人とは用件的な話はするものの、他の無駄口は一切叩かずに、授業が終われば掃除にも加わらず、まっすぐ家に戻っていって、そののち一人で繁華街を彷徨するようになっていった。(p.34)

これだけで一文。
書き方教室なんかであれば、悪文の見本にされそうな文章です。

別の部分では

で、その点から察すると、どうも日下部のそれには貫多が以前、女のことでちと見くだした発言をしたり、女体に関して大先輩ぶった振舞いを行った点へのしっぺ返しの意向を含んでいるらしく、とするならば、これまでにも単に風俗の方面には未体験だとの意味を勝手に取り違えて、えらそうな台詞を並べ立てていた貫多を、日下部は腹の中ですっかり小馬鹿にしていたものに違いなかった。(p.78)

わかりにくい(笑)

この独自のスタイルが、作品に良い影響を与えていると言えるでしょうか?
僕はそうは感じませんでした。
というより情景を思い浮かべることが難しいので
無理矢理ストーリーを追わされてるというか
「苦役列車」という小説のあらすじを読まされている感じがしました。

加えて、選ばれている語彙が妙に小難しいというか古めかしいので
80年代の無学な港湾労働者を描くのに似合ってません。

古くさい言葉をつかうことで
勉強は嫌いだがプライドだけは人一倍高い
主人公の性格を表現したかったのかもしれませんが。

「彷徨」って難しい言葉知ってる俺かっこいい、みたいな・・・

しかし主人公がそういう中二病的な言葉づかいをするならわかりますが
この小説では、かっこつけているのが語り手なので意味がわかりません。
語り手はもう少し主人公を客観視するというか
突き放すべきじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

さて、この小説は「私小説」だそうです。

ということはこの作品は
作者の西村賢太氏の半生そのものを
描いたものだということです。

父親が性犯罪を犯したことにより一家離散。
過酷な港湾労働。
終わりの見えない困窮した生活。

同情すべき悲惨な境遇だとは思います。

しかし・・・フィクションならもっと悲惨な人生だって書けます。
正直、中途半端・・・という印象です。

港湾労働はたしかにきつい仕事ですが
欠勤をせず、真面目に働き、フォークリフトの運転を覚えるなどすれば
上の役職にのぼっていくこともできます。
小説で描かれている日下部という同僚がそうです。
そこに出自や学歴による絶対的差別というのは無いのです。

しかし主人公は真面目に働くということができない。
生来の怠け癖、反抗心、嫉妬心・・・
そういうひねくれた心があるために努力が続かない。
その原因を主人公は父親の犯罪に求めているわけですが

それって、甘えじゃないでしょうか。

努力しても努力しても報われない悲惨な生活の中で
それでも努力を止めない人物を描けば共感も得られるでしょうが
努力すればステップアップできる環境の中で
あえてそれをしない主人公には、あまり共感はできません。

別に小説の主人公が聖人君主である必要はないのですが
俺ってこんなに不幸なんだぜ、
だって親父が性犯罪で捕まったんだぜ、ほら分かるだろ、と言われても
「分からない」というしかありません。
だったらその「性犯罪で捕まった」という部分を
もっと掘り下げてほしいと思いますが
作者はそこまではやってません。

それならば逆に、主人公のダメっぷりを
もっとユーモラスに書けば面白いかもしれないと思いましたが
前に書いたように、語り手が妙に深刻ぶってかっこつけているので
今ひとつ面白さにも欠けます。

この小説は
本人の資質に多分の問題があって
最底辺の生活をしているダメ人間を
どのくらい愛せるか、ということを試されます。

結局のところ
読み手が「自己責任」という言葉をどうとらえているかを
問われる小説かもしれないな、と思いました。

サックスプレイヤー : 小林香織さん

2010-04-18 16:39:29 | レビュー
くり部屋もYouTubeの動画貼るのだけの
安直なブログになってしまったかw

フュージョンというかスムーズジャズというか
そういうジャンルが好きなんだけど
たまたま見つけた曲が気に入ったので調べてみると
日本人の女性プレイヤーでした。しかも結構美人。

Kaori Kobayashi (小林香織) - Shiny (2008) [PV]


アイドルみたいなルックスだけど実力派だと思います。上手いです。
僕は中学のとき吹奏楽部だったので
リード楽器はピーとかキーとかノイズがうるせーなという偏見があるのですがw
上手い人が吹くとサックスってホントいい音ですね。
人間の声に音域が近いからそう思うのでしょうか。

新・日本の歌姫…かな?

2010-04-15 02:23:54 | レビュー
日本の女性ボーカリストで僕が好きなのは
MISIA、Bird、UA…といったところなんだけど。
YouTubeを見ていたら、そのリストに加えたい
素敵なアーティストを発見した。

多和田えみ

JAPANESE SMOOTH R&B SOUL JAZZ


思わずiTune Storeでアルバムを衝動買いしてしまったw

上の曲はセクシーな曲調だけど
アルバムの内容はかなりバラエティーに富んでいる。
今まで知らなかっただけでTVCMでも結構流れてるらしい。
なんせ、テレビなんてほとんど見ないもので。。。

ところで告知ですが
いままでmixi経由でこのブログ見てた人は申し訳ないんだけど
mixi退会しました。
あんまり意味無いと思ったんで。。。すんません。



Perfume!Perfume!

2009-08-29 20:49:40 | レビュー
新譜「⊿(トライアングル)」買っちゃいました。
前作「GAME」よりもトータルアルバムしてて
アーティスティックな色合いが強く出てる感じ。
もうアイドルとしてのPerfumeファンは置き去りにするんでしょうか。
それでいいと思いますが。

Perfumeの魅力を端的にいうと
(1)中田ヤスタカの楽曲
(2)ダンスのキレ
(3)メンバーのキャラクター
じゃないかと思う。

中田ヤスタカは今でこそテクノ/エレクトロ系のプロデューサーってことで認知されてるけど
ピチカートファイブみたいなオサレ系もOKだし、甘い歌詞も書けるし、その引き出しの多さは異常。
今回もYMOっぽい楽曲があるけど、YMOでさえ単なる素材というかスパイスというか
うまく料理している。天才。

それからダンスに関してはPV見なけりゃわかんないと思うけど、キレの良さが神。
すべての動きが歌詞とシンクロしてて、
足の先から指の先まで使ったものすごく情報量の多い振り付けなんだけど
それを涼しい顔でこなしているのがすごい。
これは安室奈美恵のダンスが運動量的にすごいのとは別の意味で、すごい。

キャラクターに関しては
売れるまで苦節8年とか、インストアイベントに親以外の客が2人とか
演歌歌手みたいな努力と根性のストーリーがおっさん泣かせでイイ。
あと、トークができて芸人殺しなところもイイ。

アイドルというカテゴリーでしかPerfumeをとらえられない人は
彼女らの処女性が重要なんだろうけど、そういう人はいずれAKB48に流れるだろう。
パフォーマーとしての彼女らの優秀さがわからない人は、はっきり言うと「終わってるな」。

で、ここでいきなり
マーティ・フリードマンの動画を紹介するんだけど

Marty Friedman / ポリリズム


往年のメガデスのファンの方はこれを見てどう思うんだろうか?


映画「おくりびと」を見ました

2009-02-22 15:10:55 | レビュー
日本アカデミー賞10部門受賞で話題の
「おくりびと」を見てきました。

(いつものことですがネタバレあり)

地味ですがいい映画でした。
本木雅弘いい役者だなあ、と思った。
あと、山凬努は完璧だった。

ラストシーンが良かった。

主人公の本木が父親の納棺を行う場面。
父親は彼が幼いときに家族を捨てており
これが何十年かぶりの対面となる。

「情けないけど、(父親の顔を)覚えていない」
「この人の人生はいったい何だったんだろう」

そして父親の手をゆっくりと開く。
手のひらから小さな石がこぼれおちた。
その石は彼が幼い頃「石文」として
父親に贈ったものだった。


いいシーン(T_T)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ところで、死とは何だろう。

富める者も貧しい者も
善人も悪人も
知恵のある者も愚かな者も
死だけは平等に訪れる。

誰でもいつかは死ぬ。
それが人生の真実。

「死後の世界」というけれど
僕はちょっと違うんじゃないかと思っている。
死は生の前にもあり、後にもあるのだ。
生とは永遠の死の途中にほんの短い間だけ訪れる
砂漠のオアシスのようなものじゃないだろうか。

生きている間に起きるできごとなんて
ほんの些細なことなんだ。
だからつまらないことで悩むのはもうやめにしよう。

すべては、ただ愛のために。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

そんなことを考えながら映画を観ていると
本木の左手が広末涼子のおっぱいに触れて
「あ!」と思ってしまうのでした。

追記:

Yahoo!映画を読むと
広末の演技にげんなりしたというコメントが多いです。
たしかに広末だけ現代的で軽い演技なので
ちょっと映画のトーンとずれてるかな、と思いましたが
かわいかったのでOKです(笑)。
というか主人公の妻は難しい役どころなので
誰が演じても厳しい評価になったと思います。
広末はよくやったと思います。


参考ブログ 「おくりびと」の広末涼子は適役だった。

まんがで読破 人間失格

2008-08-05 21:35:34 | レビュー

人間失格 (まんがで読破)


中学の時、Sという友人が僕のところへやってきて、
まるで秘密を明かすようにこっそりと
「太宰治と三島由紀夫を全巻読破した」と呟いた。
Sに影響を受けていた僕はすぐに真似をした。
三島由紀夫は「金閣寺」を読んだだけで挫折したが、
太宰治は「斜陽」「晩年」「人間失格」と読みすすむうちに…はまった。
「太宰は僕だ」「僕も太宰のように若くして死ぬんだ」と
中学生らしい勘違いをしつつ、
全巻とはいかなかったが半分くらいは読んだ。

で、今年は太宰没後60年だそうだ。
「まんがで読破 人間失格」をコンビニで購入。
以下、感想。

粗筋だけを追っかけるような薄っぺらさは若干あるものの、
原作をほぼ忠実にトレースしている。
タッチが雰囲気に合っていて良い。
まんがで読んで初めて気づいたが、葉蔵(主人公)が女にもてすぎだ。
カフェの女給も女編集者もタバコ屋の娘も…貞操観念無さすぎ。
現代は性のモラルが崩壊したとか言われるが、
昭和初期も似たようなものじゃないのか。

葉蔵は父親を恐れ世間を恐れ女を恐れ、
道化を演じて生きている。
人に嫌われたくない。
本当のことを口にできない。
だから酒に溺れる。薬に溺れる。
この自信のなさ、卑屈さはどこから来るのか? 
答えは加藤諦三先生に聞いてみよう。



自信

結局のところ、依頼心の強さが原因なのだ…
と精神分析的に読むと味わいも何も無くなってしまうが。
39歳になった僕は昔に比べてずいぶん図々しくなり、
太宰のような死に方はしそうにない。
39歳は太宰が玉川に入水した年齢だ。

下は爆笑問題太田光が「晩年」について語った動画。
太宰の魅力は言葉で言い表すのが難しいが、
なかなか核心を突いている。
この人、頭がいいな。

太田光 人生を変えた一冊 1/3

それにしても本屋さんには「品格」があふれていますね。

2008-01-21 22:53:09 | レビュー
昨日本屋で本を2冊買いました。


「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」
勝間 和代


アルファブロガーの小飼 弾(404 Blog Not Found)さんが

はっきり言う。
これで10倍しかアップしないのだとしたら、
あなたにはすでに相当な知的生産術があるのだ、と。


と大プッシュしていたので買ってみました。もう1冊は、


「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 」
勝間 和代


こちらは新聞の書評か何かで読んで興味があったのですが、「効率が10倍~」と同じ著者だとは本屋で見るまで気づきませんでした。なんか熱烈な勝間ファンだと誤解されそうで、やや戸惑いつつ購入。

で、昨日パラパラとめくってみただけなのですが、頭良さそうですねこの人。最年少で会計士補資格取得、とか。「ウォールストリート・ジャーナル」から「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれた、とか。ヨダレが出そうな経歴ですね。

まだちゃんと読んでないのですが、チラ見した感想では、この人「効率化オタク」じゃないかと。なんと自転車にGPS付き携帯ナビをつけて、最短距離を走っているそうですよ。あと分譲マンションを買うのは無駄、とか書かれると、毎月しこしこローンを返している身としては「何だ!?」と思う訳ですよ。

勝間さんのように外資系で仕事の効率アップが報酬アップにつながるような人は、効率アップのインセンティブが高いんだろうなあ、と思います。僕の場合「そこまで効率アップしなくていいや」というか「これ以上効率化しても、無駄じゃん」というか。「効率アップが報酬アップにつながる」というのはグローバルにみれば当たり前なんだろうけど、日本のビジネスってそうはなってないよね。

・仕事の依頼はいつも突然かつ大至急。だからスケジュールが狂いっぱなし。

・「ご返事はいつまでにいただけるのですか?」「いずれ、そのうち」

・「B案で決まりです」「やっぱりA案に戻して」

なんてことは日常茶飯事で、こんなことじゃ国際競争力は落ちるのも当然だよなあ、と。日本の生産性は先進国で最低らしいし。経財相が「もはや経済一流ではない」と言っちゃうし。

途中から愚痴モードになってしまいましたが、急ぎの仕事があるのに、1時間以上かけてこんな駄文を書いているお前が一番生産性が低いんだよ、とか責めるのは本当に勘弁してください。

硫黄島からの手紙を観た

2007-01-10 22:14:24 | レビュー
硫黄島からの手紙 - goo 映画

日曜日に話題の映画「硫黄島からの手紙」を見たので、その感想などを…。


[注意 : 以下、超ネタバレ]


まず、これは傑作です。「ラストサムライ」でハリウッドの描く日本映画に失望したばかりなので、今度はどうか、と思いましたがやってくれましたイーストウッド爺。僕的には何の不満もありません。いや、そりゃ映画ですから突っ込みどころが全く無いわけではないのですが。例えば

・旧日本兵が「ジープ」って言うか?とか
・あんな極限の状況で敵兵の救助なんて美談がホントにあったのか?とか

あるのですが、映像の圧倒的な説得力の方が勝っていました。モノクロ映画かと思うほど暗いトーンの映像で戦争の重苦しい空気を見事に表現していました。まるでスクリーンから死臭が漂ってきそうなほどのリアルさ。手榴弾を使った自決シーンでは、ふつう日本映画ならカットされるような「爆死死体」がチラッと映されるのですが(そして、そのせいで僕は昼飯に食おうと思ってた牛丼が食えなくなったのですが)、この映画はそういう戦場の非人間性を、次々と、しかし決してこれ見よがしではなく、描いていきます。

役者は二宮和也が良かった。というかこれは二宮の映画ではないかと思うほど。主演の渡辺謙演じる栗林中将は、アメリカ駐在の経験があり当時としては異例の「合理的な」指揮官。ゆえに兵士たちに玉砕を許さず命を大切にしろと説く。これは現代的な感覚から言えば好ましい指揮官と言えるだろうけど、実際は食料も水も医薬品も不足していた洞窟の中で持久戦を戦うのは、ある意味死ぬより辛いことかも知れない。

思想的には人それぞれ感じ方があるとは思いますが、「戦争は絶対いけないことだと思いました。」とか小学生の読書感想文みたいなことをここで書いてもしょうがないので省きます。ただひとつ思ったのは、この映画を撮ったのが日本人ではなくアメリカ人だということ。イーストウッド監督はこの映画で、亡くなった日米両兵士たちの慰霊と顕彰を本気でしたかったのだと思います。が、それって本来日本人の仕事ではないでしょうか?

ところで話がちょっと横道にそれますが、この映画の公開前にフジテレビで「戦場の郵便配達」という便乗ドラマがありましたが、これがひどかった。ストーリーは良かったのでまあ最後まで見れたのですが、CGは昔のテレビゲームみたいだし飛行機はあからさまにハリボテだし、いかにも予算無し、時間無し、軍事知識なしで作ったお粗末な番組でした。極めつけは、日本の爆撃機(輸送機だったか?)が敵の攻撃を受けるシーンで、乗員がまるでジェットコースターに乗ったアホ大学生みたいにギャーギャー騒ぐのですが、おまえら軍人を馬鹿にしてるのかと小一時間(略)