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20日(月)、本多劇場で「神様とその他の変種」を観てきました。
1週間の始まりの夜に、3時間の舞台・・・。少々覚悟して行ったけど、
はじめから終りまで、舞台上の世界にドップリと引きこまれて、いつもどおり納得の疲労感を味わえました。
今回はケラ&ザ・シンセサイザーズの同名曲が作品のタイトルになってて、
劇中では音楽監督の朝比奈尚行さんのアレンジ(かな?)による「神様とその他の変種」合唱バージョンと、オリジナルの別アレンジバージョン、の2曲が披露されてました。
これって、近々発売のサントラには入らないのかな。。もしくは7月のシンセライブで演奏とか・・・って、合唱をライブで再現は難しいか(^^;)
朝比奈さんといえば、昔よく「時々自動」の公演を観に行ってたけど、手作り楽器でオリジナルの曲を演奏しながらのパフォーマンスが印象的な劇団でした(現在もスタイルを変えつつ活動中)
今回は楽器はないけど、ちょっと寓話的な作品世界と音楽が(開演前の音楽も含めて)合ってて良かったです。
今回の舞台は、大人視点から見た子供達のおはなし。
と同時に、子供の姿に反射して見えてくる“子供みたいな大人達”のおはなし。
観ていて、今回はサスペンス調だなと思ったり、本当は怖いグリム童話だなと思ったり。
登場人物達の想いやエゴが、あやとり糸のように交差したり離れたり・・・その情景をながめる、廣川さん演じる(ある人物)の視線。
峯村リエさん演じる母親が強烈で、何を考えてるのか分からない・・けど確かに狂気を感じる、その存在感にゾクゾクさせられました。
そして山内圭哉さん演じる父親。個人的にこの夫の態度がいちばん情けなかったけど、その情けなさに共感できてしまう自分に、情けなさを覚える・・・という複雑な気持ちにさせてくれるキャラクターでした^^;
犬山さんと山崎一さんの夫婦役は、今回もすっかり板に付いてて、息をのむ迫真のかけあいが素晴らしかったです。
特に犬山さん演じる妻の(自分は不幸ではない)と必死に思いこもうとしてる姿が、痛々しくて切なかった・・。
ケラさんがブログで今回の脚本について「いつもと違う文体で書いている」と言われてましたが、思っていたほどガラリと言葉使いが変わった、、という印象はなくて、ちょっと他人行儀な喋り方だな、という感じでした。
そのよそよそしさが、この舞台に登場する“分かり合えない人達”の会話にリアリティを与えていたのかもしれませんが・・
今回の作品には、あまり救いや希望は感じられず、何か出口のない完結した世界のような印象を受けました。
それでいて、ケラさんの根幹である「それでも生きていく」というメッセージはしっかりと感じ取れて、芝居が終った時は、むしろカラっと吹っ切れたような気持ちに・・・。
何か・・・ナイロンの得意技を踏襲しつつも、不思議な余韻を残す舞台だったな、と思います。
公演は、地方公演を含めて5月31日まで。
出演者の方々には、くれぐれも風邪に気をつけて頑張ってほしいです(←謎)
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