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JAZZ from Nishinomiya

V・プレミアリーグのJTマーヴェラスを応援しつつ、日々の出来事や雑感を語ります。ときどき毒づきます。

ジョーのガレージ

2005年12月22日 01時05分23秒 | 音楽
イーグルスやクラプトンが聴けない国!?

ZAPPA大先生のアルバム『ジョーのガレージ ActⅠ』『同 ActsⅡ&Ⅲ』を思い出します。ロックが禁止された近未来を描くロックオペラです。主人公のジョーが最後に弾く空想上のギターソロ「イースターのスイカ(Watermelon In Easter Hay)」は感涙必至です。チャップリンの『独裁者』の“世紀の6分間”演説と同じくらい泣ける。ギターもさることながら、4分の9拍子のリズムがこれまたいいんだ。

ちなみにこのアルバムは1979年の作品なんですが、その前文にはこう書いています。全部転載すると例によってアレだから、抜粋で。


世界中のどうしようもない脳無しの政府高官どもが、選挙に勝つためとあらば最も唾棄すべき法案でさえも立法化してしまうことについては、よく知られている(あるいは、選挙が行なわれていない国では、望ましくない大衆行動をこれでもかと取り締まるためにそんな法律が作られる)。

(中略)

あらゆる政府は、理性的な人間であればバカげているとか危険であるとか(またはその両方であるとか)思う条例を、日々遂行していくことによって永続化を図る。

(中略)

『ジョーのガレージ』は、いかにして政府が音楽を廃止しようとしたかを描いた、馬鹿げた物語である(望ましくない大衆行動の第一位が、音楽というわけ)。

(中略)

もしも、この物語の展開を不条理だと少しでも感じたり、未だ成立していない法律を執行する中央監視官というアイデアをお笑い草だと思うのであれば、それこそ喜ぶべきだ。あなたは、音楽が厳しく禁じられていたり…またはイランのように完全に非合法化されている愉快な国に、今この瞬間は住んでいるわけではないのだから。



・・・怖っ!!!

たしかに今回のイランの場合は「欧米文化との対立」という観点ですから、純粋な音楽の禁止というわけではないと思います。だけどどこか根底の部分は、多分同じですよねぇ。ちなみに'79年の本アルバム発表時に、イランの音楽情勢がどうだったのかはよく知りませんけど('79年はイラン革命によるパーレビー王朝の崩壊の年)、この文章読む限りは完全非合法だったのかな。そしてその四半世紀後にまた音楽関連の弾圧?話が出てくるなんて、歴史は繰り返されるというのかなんというか。

いずれにせよ俺の中では、ザッパの「事の真理」を捉える視点が、決して時代性に左右されることのない「本物」であったことがあらためて証明されたわけです。さすがザッパ、です。

最後にこのアルバムの中で、印象に残るセリフを。



第三幕・第十六場「パッカード・グース」より
ジョーの恋人であるメアリーの「幻の声」(抜粋)        
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情報は知識ではなくて
知識は知恵ではないわ
知恵は真実ではなくて
真実は美じゃないわね
美は愛ではないし
愛は音楽じゃないわ
やっぱ、音楽が“最高”よ…










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