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スペイン:アンダルシア地方のマラガ

2014-02-01 23:40:31 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」スペインのアンダルシア地方、コスタ・デル・ソル太陽の海岸と呼ばれる地中海に面したマラガ。
ハベガという手漕ぎボートで海に繰り出す男達の姿が勇ましい。
もともとは漁船として使われていたが、今は漕ぎ手8人舵1人のスポーツとして楽しむようだ。
ハベガは、紀元前のフェニキア人の船がルーツで、魔除けとして船首付近に描かれる目もその名残りだという。

マラガのグルメ。
「エル・ピンピ」は、マラガ1番人気のバル。
スペインのあるイベリア半島に由来する”イベリコ豚の生ハム”や、”ナスのフライ黒蜜かけ”が美味しい。
”ナスのフライ黒蜜かけ”は、アフリカの野菜だったナスをかりっと揚げてイスラムに支配されていた影響を受けアラブ料理風にサトウキビから作った黒蜜で甘く味付けしたもの。
ちょっと味を想像しにくい料理。
「エル・カブラ」は、海岸縁にある店で、獲れたての鰯に塩を強めにふった串焼きが食べられる。
オリーブの木でじっくりと焼き上げた鰯を、手で皮を取ってから食べる。
鰯をよく食べるマラガ人は、オケロンと呼ばれているそうだ。
新鮮で種類豊富なシーフードと、イバリコ豚の両方を味わえるマラガは、食いしん坊にとっては訪れてみたい街だ。

マラガの街で時折見かけられる歌い踊る楽団”ベルディアーレス”の歴史は、1000年前に遡る。
楽器を演奏したり歌う人の被る帽子にはたくさんの飾りがついているが、これは皆ファンの人たちが一つ一つ縫い付けたものなのだそうだ。
人々の暮らしに連綿と生き続ける”ベルディアーレス”に、軽い眩暈を覚えるのは私だけではないだろう。
このような歴史が重厚に積み重なるマラガは、画家のパブロ・ピカソ生誕の街、10歳まで暮らした地でもある。
「アルファハール」という陶器の店は、巨匠にあやかり家族で作るピカソテイストの陶器を販売している。
たくましい人々が生きる街、マラガ。

マラガから車で内陸に2時間行くと、シエラネバダ山脈に抱かれた世界遺産の街グラナダがある。
8世紀から800年間に渡りイスラムに支配されてきたこの街は、イスラム芸術の粋を集めたようなアルハンブラ宮殿でも有名だ。
「カスバー」は、アラブ風カフェ:テテリアの店。
数多くのドライフルーツや香辛料で作る甘いお菓子と、お茶を楽しむ。
高いところにポットを掲げお茶を入れるのは、イスラムでの敬意を表す所作なのだ。
「ハマム・アル・アンダルス」は、イスラム風公衆浴場ハマムで、13世紀の建物を使っている。
36度のぬるめのお湯と39度の少し高めのお湯に交互に浸かり、リラックスする。
そして、赤ブドウ入りの石鹸でマッサージを受けるのだが、石鹸粋を含ませた大きな布袋に空気を孕ませ絞るさいにできる泡を使ってのマッサージは気持ちがよさそう。

スペインでは、ベッドの上に帽子を置くと物忘れするからと避けたいことになっているらしい。
帽子は頭を象徴し、眠るための場所におくと記憶が消えると信じられていたからだ。
いわゆる迷信だとしても、それがそこの人たちの考え方習慣を垣間見せるので興味を誘う。

ヨーロッパでありながらイスラムの影響を強く受けているスペイン、特にアフリカ大陸に近いアンダルシア地方は、文化の混在する複雑な魅力を備えている。
中世からバロック、イスラム様式の融合した街を巡り歩きたいものだ。



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