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歌川国芳、大胆で奇知に富んだ浮世絵絵師

2011-05-22 23:11:58 | アート
 『其のまま地口 猫飼好五十三疋』





歌川国芳は、江戸後期の浮世絵絵師。
美人画、武者絵、役者絵、名所絵、寄せ絵、春画、戯画、歴史物語絵など、多岐にわたり描いている。
卓抜した画力が、それらを可能にし、誇張された図案化もお手の物だ。
ユーモアも加味して、洒落た絵作りになっている。
なかでも、『其のまま地口 猫飼好五十三疋』は、猫好きにはたまらない絵。
国芳が好んで使うモチーフに、猫があるが、愛情こまやかに観察していると、納得いく作品が多い。
特定のものを合体させて描く「寄せ絵」の手法は、彼より200年以上も前にイタリア人のアルチンボルトによって使われていた。
しかし、国芳がこの奇想奇抜なイタリア人の絵を知りえた確率は低いだろう。
もっとも、その奇抜な発想は、文化が爛熟したルネサンス末期に江戸後期の気運がもたらしたのかもしれない。

 『夏』