世間知らず

毎日のやられっぷりを書いていこうかなと・・・

線のこと

2009-07-09 | 感想
毎週楽しんでます、日経のコラム。
今週のタイトルは『1本のラインが生む文化』。

 Jリーグは今季から入れ替え戦を廃止したため1部(J1)の下位3チームと2部(J2)の上位3チームは来季、自動的に入れ替わる。そこでJ1の順位表は15位の下に、J2の表では3位の下に線を引いている。
 
 「そんな線を入れるのはシーズン終盤でいいのでは」という声もある。それに対してJリーグ理事である日本経済研究所の傍士銑太(ほうじ・せんた)専務理事は「あの線があることによって、人々の生活がより豊かになるんですよ」と説く。

 昇降格ラインの上と下にはまったく別の世界が広がっている。順位表に厳然とした線が引いてあれば、ファンはその事実を強く認識できる。そうなると、ラインの周辺にいるチームのサポーターでなくともみな、そのラインを巡る攻防にそわそわ、どきどきとする。

 各チームの次節の対戦カードをもとに「どこがどこに勝って、どうなったら、どこが浮上するのではないか」と考えを巡らせ、順位表を手に家族や友人と1週間にわたってその話題で楽しめる。そうやって1シーズンを過ごしていくのが、サッカーファンの生活文化だと言っていい。傍士さんに言わせると、「まさに1本のラインが文化をつくっている」。

 欧州の新聞は昇降格ラインだけでなく、欧州チャンピオンズリーグ出場圏などを示す複数の線を引いている。J1の成績表には、3位の下にアジアチャンピオンズリーグ出場ラインを入れた方がより楽しめるだろう。

 各チームのサポーターは順位表に引かれたラインを意識しながら日々を過ごす。ある朝、朝刊を手に、愛するチームがライン上に浮上したことを確認し、改めてガッツポーズをするかもしれない。明確な線が引かれていることで、泣いたり、笑ったり、味のある人生を送ることができる。


第一節から気にしてます。
きっとみんなそうです。

普段の試合は『引き分け』で勝ち点を分け合ったりするのに、順位表では何とかして差をつけようとします。同率同順位、的なことを許してくれません。

一本の線が作るその残酷さがわかるから、最初から最後まで目が離せないのです。



Jリーグの大会開催概要にこうあります。
全日程が終了した時点で、勝点合計の多いチームを上位とし、順位を決定する。
但し、勝点が同じ場合は、以下の順によって順位を決定する。
1. 得失点差
2. 総得点数
3. 当該チーム間の対戦成績(イ:勝点、ロ:得失点差、ハ:総得点数)
4. 反則ポイント
5. 抽選
※抽選は、J2自動降格チームの決定等、理事会が必要と判断した場合のみ実施される。

もしこの3.で順位が決まり、昇降格が決まったとしたら、J1はともかく今年のJ2の場合、ホームで2試合あったほうが有利な気がしないでもありません。

4.の場合だって、こないだの水戸戦の主審のせいで昇格を逃すなんて悲劇が起きるかもしれません。

なにがあるかわからないのもサッカーなわけで、だからこそ順位表と日程表を片手に、けがや出場停止等々の情報をチェックし、試合日の天気予報を気にしたり、場合によっては担当する審判の予想したりするのが楽しいわけなのです。


ワードでもエクセルでも、このブログででも、線を引くのなんて簡単です。

そんなただの線の重たさを感じるのもまた『サッカー』のうちなんだと、改めて思います。



今年のほぼ日手帳の5月2日にこんなことが書いてあります。
ハワイに行く日に、自分の家から飛行場へ向かう道のりは「ハワイへの旅」に含まれる。もっと広げると、「ハワイへの旅」の準備で水着を買いに行ったら、それも「ハワイへの旅」のプレ・オプショナルツアーと考えられます。ハワイに行く、と決めたことで、こんなに「旅の楽しみ」が増えてしまうんですね。つまり目的を持って生きているというのは、すっごいことなんだ、と、思うわけです。

目的を持って生きてる、なんて大げさなものじゃないけど、好きなチームがあるってこういうことなのかなと思ったりします。


増えるのが『楽しみ』だけじゃないってあたりが大きな違いではあるけど…。
コメント
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