Bonne Pêche !

フライフィッシングの釣行記録

十勝鱒釣り 5

2017-08-21 17:59:21 | フライフィッシング
19日(土):伊忽保川
夕方、再再度、イコッポ川です。
4時過ぎから比較的時間が取れるので、イブニングのタイミングにちょうどいいのです。
前日のさらに上流の橋に行ってみました。

橋の上からのぞくと、先の方に堰堤がありました。あそこがいいんじゃないか。


近づいてみると、車が止まっていて、親娘連れが堰堤の横から竿を出していました。
「パパ、すごーい!」
可愛い声の歓声が上がって、大物が釣れたようです。きょうは土曜日でした。
なので、橋の下流側に車を止めて、下流へ少し歩いてから入渓しました。

右岸にぶつかる流れに水深があって、良さそうなポイント。12番のテレストリアル・パラシュート。バブルラインの消えるあたりに投げ込むと、パシャと音を立ててすぐに魚が出ました。


次はもう少し上流の右岸寄りのゆっくりした流れ。すっとフライが消えて、合わせるとカムパネラが大きくたわんだ。魚は狭い川の中を暴れまわり、何度も岸の茂みに突っ込んで寄ってきません。よかったー。昼に、ラインの手入れをしたついでに、リーダーを4X、ティペットを5Xに変えていた。ティペットが岸の枝に絡まないように注意しながらやり取りする。一度下流に走られて、ラインから魚まで一直線になってしまい、ヒヤリとした。テンションを緩めないようにして下流に回り込んで、何とかハンドランディングしました。


いやー、凄いね。こんな小さな川にこんな大物がいるとは思ってもみなかった。44センチありました。


伊忽保川の水色は薄く色がついています。十勝の温泉はモール温泉と言って、太古の植物が堆積した亜炭層を通って湧き出る、アルカリ性の温泉です。植物起源の有機物を多く含み、つるつるした感触があって、美人の湯とも言われています。湯色は薄いコーラのような色をしています。伊忽保川もまさにこの色です。畑の中を流れる川ですが、川底をよく見ると、水が湧き出しているのに気づきます。この流れが梅花藻とブラウンを育てているのでしょう。


進んで行くと、それらしきポイントからは必ず、複数のブラウンが釣れた。




橋を越えると膝下ほどのプールが広がっていて、至る所から魚信があった。もう1匹、40センチクラスが釣れたけど、残念なことに、カメラを出して、撮影の準備をしている間に針を外して逃走してしまいました。

この伊忽保川、なんとブラウンが濃いことか。来るたびに数も、サイズも上がっていきます。
「伊忽保川の魚を守る会」の会員に、是非ともなりたいところです。本当にないかな、そんな会が。

堰堤の親娘は上がっていましたが、もう真っ暗になってしまい、そこまでたどり着くことができなかった。明日もこの川だね。


20日(日):伊忽保川
長かった十勝鱒釣りツアー、じゃなかった、奥様実家介護御手伝滞在も明後日まで。釣りができるのは今日が最後です。

昨日よりも、もっと下流まで歩くと、ザアーっという音が響いてきた。堰堤がありそう。背よりも高い草を掻き分けて川に入りました。


堰堤下はこんなサイズが2匹だけ。ちょっと期待外れ。




堰堤上に行くと、川は、両岸から張り出す草の中をきゅうくつそうに流れています。そして、もちろん、フライを置ける場所からはブラウンが飛び出してきました。






蜘蛛の巣を壊しながら釣り上って、昨日のポイントを越えて、例の堰堤をやってみました。ところが、期待に反して音沙汰なし。ニンフを沈めたりと粘ってみたけど、NG。アプローチしやすい場所なので、餌の人が多いんだろう。この川は、堰堤を狙うよりは、瀬の中に現れるちょっとした深みを狙った方が面白い。


さて、最初はパッとしなかった釣りですが、伊忽保川を見つけて、随分と愉しませてもらいました。十勝には、内水面漁協がないため、放流は有志によるもの。在来種との関係、生態系への影響といった問題はあるが、流れを寸断するダムや堰堤、川を直線化、水路化する河川工事、つまり魚のことや河川の自然環境を考えない工事によって魚の棲まない川が多い現在、ニジマスであれ、ブラウントラウトであれ、魚がいて川と親しみ、関係を持つことができるのはいいことだ。生物の棲まない、自然のサイクルから切り離され、釣り人さえ関心を持たない水路と成り果てては、川の持つ、環境的、文化的価値はなくなってしまう。

できれば、漁協ができて、環境管理、河川管理、生物管理、釣り人への情報発信と釣り人と協働しての河川維持ができればいいと思う。北海道の釣りは、情報が少なくて苦労する。広大なフィールドはむやみに釣り歩いてもくたびれるだけだ。自主放流した釣り人たちは、自分たちのポイントを持つが、外来の釣り人には役に立つ情報が極めて少ない。かといって、1日3万円前後のガイド料は負担が大きい。帯広にはフライショップが3つもあって、ガイドも増えた。フライフィッシングをキーワードに経済が回ることはいい事だが、誰もが何日もガイドを使えるわけでもない。漁協がしっかりと河川・環境管理、養魚、情報公開をやってくれると、十勝の釣りはもっと魅力的になるんじゃないかなあ。

短い間に薄コーラ色の川で100匹近くブラウントラウトを釣って、今は、男鹿のジングリアな流れで、ヤマメ、イワナの姿を見たくなってきた。
おっと、その前に、新潟釣行があった。久しぶりに苗場、湯沢でイワナ釣りだ。








十勝鱒釣り 4

2017-08-20 14:27:52 | フライフィッシング
14日(月):居辺川
おりべ川と読みます。これもアイヌ語でしょう。
先日、士幌温泉に行く時に見つけたので入ってみました。やまべの里、という看板があったので、ヤマメが釣れるのではと期待しました。

橋の袂からに車を止めて、少し川を下ったら、良さそうなポイントがありました。


スタンスを決めて、フライを投げ込むと、釣れるは釣れるは。子供ばっかりですが、イワナ、ヤマメが次から次にフライに出てきます。ずっと同じ場所にいて、20匹以上も釣れました。




しかし、いっこうにサイズが上がりません。釣り上っても、何度場所を変えても、大人の魚は現れません。子供たちを放ったらかしにして、親や、お兄さん、お姉さんはどこに行ってしまったのか。しかも、この川、アブが多い。場所によっては、車を止めたものの、アブに取り囲まれて降りれないこともありました。春先だったら、いいのかも知れないです。

17日(木):伊忽保川
夕方、先日のイコッポ川へ行ってみました。橋の下のプール。いいサイズのブラウンがいるはず。静かにアプローチするつもりが、小雨に濡れた斜面の草に滑って、危うく転ぶところだった。魚のいる場所は分かっている。先日よりはワンサイズ小さなEHCを6Xに結んで投げた。


25センチくらい。小さな川だから、仕方のないところ、かな。


18日(金):伊忽保川
夕方、またも、イコッポ川です。
遠出しても、と言っても30分から1時間だけど、チビニジや、新子ヤマメ、新子イワナじゃね。夕方4時半にウエーダー履いて、車で15分もかからずに行けるこの川でブラウンと遊ぶほうがいい。

昨日の橋より一つ上流の橋。そのすぐ上の堰堤。


土手から急な坂を下って、崩れたコンクリートブロックを下りなくてはいけない。いるか、いないか分からないのに下まで行くのが面倒で、横着してブロックの上からフライを投げてみた。すると、着水とほぼ同時にライズがあって魚が掛かった。いや、困った。右手を高く上げて、左手をコンクリートについて、半身になっておっかなびっくり水辺に下りるはめになってしまいました。


それからは、何と、ワンキャスト、ワンフィッシュ。右側にやや強い流れ込みがあるが、魚は左手のゆるい方の流れについている。






暗くなってくるにつれて、サイズも上がっていった。ついには、こんなサイズまで。


イコッポ川、いいね!

十勝鱒釣り 3

2017-08-19 09:39:15 | フライフィッシング
8日付の十勝毎日新聞にこんな記事が載っていました。


「残念だけど、今、十勝の川はどこも良くない。」と言った、クレイジー・フィッシャーの店主の言葉を裏付けるような内容です。工事が終わって、川が落ち着いて、水生昆虫が再生して、十勝らしいレインボーが復活するまでには、時間が必要だ。長い年月を費やしてできあがったものも、運が悪ければ一瞬にして消失してしまう。当たり前に釣りができていた環境がいかに貴重なものか。感謝して川に立たなければいけない。釣れるだけ持ち帰ったり、ゴミを捨てたりなんてのはもっての外だ。

9日:然別川
ここも堰堤が崩れたり、橋が破壊されて通行止めになっている場所があり、豪雨の傷跡が生々しい。でも、流れの様子を見ると、音更川や戸蔦別川に比べて被害は少ないように思える。
夕方、ある橋の袂から広がる親水公園から川に入ってみた。


浅い瀬を一目散に駆けているような水流。対岸の枝の下、少しでも流れの緩い所や、堰堤が作る落ち込み、流れ出しにフライを投げ込む。


思った以上にニジマスが出てくるが、サイズが期待に届かない。




3番のカムパネラでも簡単に寄ってきてしまいます。国道が近くを走っているので、熊の心配はないと思うけど、曇り空が薄暗くなってくると、何となく不安になってくる。釣れてくるのは小型ばかりだし、退渓は釣り上った川を下らなくてはならないので、わずかな距離で上がってしまった。

んー、言われたとおり、書かれたとおりにあまり良くない。何とかならないかなー。ちょっと遠出して、阿寒川とか、渚滑川行きたいけどなー。と、奥様に聞こえるように呟いたけど、「釣りが目的じゃないでしょ!」と一喝されてしまいました。

十勝鱒釣り 2

2017-08-18 10:44:33 | フライフィッシング
6日(日):音更川イブニング。
朝、家から車で3分の橋から音更川を覗いてみたら、地元の釣り人がロッドを振っていました。もしかしたら、釣れるのかな?

午後5時、奥様から許しをいただいて、川に立った。十勝一帯の川は、どこも、川底が砂利で、浅い瀬を押しの強い流れが走っている。水深があってゆったりと流れる淵は少ない。少しだけ水勢のゆるいプールらしき場所を重たいニンフ、ウエット、大型ドライフライで狙う。橋の上流、三つ試してみました。手応えなし。魚がいるようには思えなかった。

8日(火):伊忽保川
士幌川の支流、伊忽保川。イコッポ川と読みます。無論アイヌ語ですが、その意味するところはははっきりしないようです。イソポという言葉が兎を意味するので、「兎のいる川」。また、イコッポの語源らしいユコブが、「鹿が多くいる処」なので、兎か鹿が多くいた川筋だったのでしょう。
北海道らしい、見方を変えれば、フランスのジュラ地方のような広大な畑や牧場の中を流れる小さな川です。誰かが放したブラウンが自然繁殖し、釣り人を喜ばせているらしい。
日中、ロケハンしたら、ある橋のたもとで地元のお爺ちゃんが孫娘を連れて餌釣りしてました。聞けば、お爺ちゃんも知り合いに教えてもらって釣りに来たとのこと。その場所に夕方入ってみました。


少し時間が早かったので、橋の上下のポイントを探ってみましたが反応なし。なんだ、いないじゃん。ちょっと期待外れ。で、本命の橋の下のプール。下流から静かに近づく。ライズなし。
10番に巻いたEHCを投げ込むと、1投目でブラウンが出ました。


この魚、小さいくせにプールを駆けまわって、他の仲間に危険を知らせてしまった。その後は何匹かが水面に出るものの、ちゃんとフライをくわえてくれず、結局1匹で終了となりました。なかに、一度、そこそこのサイズらしきライズあり。我誓後日再戦。

十勝鱒釣り 1

2017-08-15 11:34:01 | フライフィッシング
7月31日から、少し訳ありで、帯広市近郊の奥様の実家に滞在しています。
決して、釣りが目的ではありません。
奥様からも、そう言われています。
でも、釣竿持って行っていいよ、と言われたので、お言葉に甘えて暇を見つけて近くの川へ鱒釣りへ行っています。

十勝川、音更川、札内川、戸蔦別川。などなど、聞けばソワソワしてしまう川が近くを流れています。夕方2〜3時間だけでも時間が取れれば、5Xのティペットでも心配な大鱒とドキドキなやり取りを楽しめる筈。と、密かに妄想していたのは、無理ないことですよね。

ところが、去年の8月31日の台風10号が甚大な被害をもたらし、音更川、札内川では3カ所で堤防が決壊。流された家もあり、未だに行方不明の方もいらっしゃるとのことです。
家の近くの音更川では、至る所で復旧の河川工事が行われています。
しかし、この工事、流された土砂や流木を取り除くのはいいのですが、とにかく川を真っ直ぐにしてしまっています。何の躊躇いもなく、手を入れなければならない場所は、徹底的に真っ直ぐです。今後、鱒の住む環境が再生されるのか、不安になってきます。


2度ばかり、夕方、家から車で5分の音更川に入ってみましたが、魚からの反応は皆無。十勝管内でも魚影の濃い川とされた音更川。かつて、イブニングで楽しい思いをした面影はもうありません。
近くにあって、来る度に寄る「クレイジーフィッシャー」というフライショップで聞いたら、それでもニジマスを釣ってくる人はいるとのこと。時間がかかっても再生して欲しい。

8月5日、戸蔦別川。
かつて、ワイルドなレインボーが釣れる川として名高く、佐藤成史氏がフライフィッシャーに寄せた記事を読んだことがある方もいるのではないでしょうか。上流の拓成ダムのイブニングの夥しいライズ。ダムから釣り上がれば、早瀬から魚がフライに飛び出してきた。夏の真昼間、ダム湖への流れ込みにライズするレインボーをアントで仕留めたのは今でも一部始終を覚えています。

その戸蔦別川、今でも進入禁止の地域があったり、川の中でブルトーザーが何台も動いている状況。拓成ダムは全て砂で埋まり、往時を思い出させる光景はどこにもなくなっていました。
入る場所はないか、と探し回ったけど、川にアプローチできるとところはほとんど工事現場となっていました。


ショップが勧めてくれた猿別川。札内川を越えて行ってみました。グーグルマップで橋を調べて辿り着いたら、たまたま入りやすい場所。みんなが攻めている筈の橋の下。


1投目から反応があって、元気なニジマスが飛び出してきた。


少し下流へ下って釣り上がる。ニンフよりはドライの方が出が良く、流れが弱く水深のある場所ではほぼ間違いなく魚信がありました。これで、サイズが良ければ言うことなしですが、そうは思い通りには行きませんね。とりあえず、釣れただけ良しとしましょう。