りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

モリーウィズフェアリー ―全4場― 4

2017年07月09日 12時20分33秒 | 新作(人形劇用)

 

   

 

    
    上手方スポット、フェード・アウト。
      舞台明るくなる。

 モリー「どうしたらカラスさんは、元の姿に戻れるの?」
 カラス「なぁに、簡単なことですよ・・・」
 モリー「本当に?」
 カラス「はい・・・。たった今、あなたに自由にしてもら
     ったお陰で・・・ほら、この実を食べればたちま
     ち私の願いが叶って、はい、元どおり・・・!」
 モリー「願いが叶って・・・?」
 カラス「はい。」
 モリー「それ・・・願いが叶う実なの?」
 カラス「ええ・・・」
 モリー「どこへ行けば、その実が手に入るの?」
 カラス「(ニヤリと笑う。)・・・お嬢さんも・・・何か
     叶えたい願いがおありで・・・?」
 モリー「私、妖精になりたいのよ!」
 カラス「妖精に・・・?」
 モリー「(頷く。)」
 カラス「じゃあ・・・お嬢さんに、この実を差し上げまし
     ょう。」
 モリー「でも、その実はカラスさんの・・・」
 カラス「私なら大丈夫。自由にしてもらったお陰で、また
     直ぐに取りに行けますからね。」
 モリー「そうなの?」

    (音楽流れる。)

 カラス「さぁ・・・遠慮せずにどうぞ・・・(実を差し出
     す。)私を助けてくれたお礼に・・・特別にこの
     実をあなたに差し上げましょう・・・」
 モリー「(そっと実を受け取る。)・・・ありがとう・・・
     」
 カラス「さぁ、お食べ・・・」
 モリー「(実を食べる。)」
 カラス「その悪い妖精とはこの私さ!!(笑う。)」
 モリー「え・・・?あ・・・(倒れる。)」



   



 コッコの声「モリー!」
 クックの声「どうかしたのかい?モリー・・・」

    そこへ下手より、コッコ、クック登場。

 コッコ「中々こないんだから・・・」
 クック「そうだよ!」
 コッコ「(モリーを認める。)モリー・・・?」
 クック「(モリーを認める。)・・・モリー・・・」

    コッコ、クック、モリーに駆け寄る。

 コッコ「もりー!!」
 クック「どうしたの!モリー!!」
 カラス「おやおや・・・双子の白い羽を持つ妖精じゃああ
     りませんか・・・」
 コッコ「誰だ!!」
 クック「カラス・・・?」
 コッコ「モリーに何かしたの!?」
 クック「何故モリーの意識がないの!?」
 カラス「さぁ・・・私には何がどうしてだか・・・。2人
     で話していると、突然その娘が勝手に倒れたんで
     すよ。」
 コッコ「突然倒れただって・・・?」
 クック「モリー!!」
 コッコ「モリー!!しっかりしてモリー!!」
 カラス「そんなに心配しないで、お2人さん。」
 クック「だって・・・!」
 カラス「それより・・・自分たちの心配をしたらどうだい
     ・・・?(隠し持っていた杖を取り出す。)」

 ホワイトフェアリーの声「お待ちなさい!」

 カラス「何?」

    ホワイトフェアリー上がる。

 ホワイトフェアリー「いい加減にさない、ブラック!!」
 コッコ「ブラック・・・?」
 クック「ブラックフェアリー・・・?」
 カラス「ふん・・・バレちゃあしょうがない!!」

    カラス下がり、入れ代わるようにブラックフェアリー
    上がる。

 コッコ「ブラックフェアリー・・・!!」
 クック「今までいたカラスはブラックフェアリーだったの
     !?」
 ブラックフェアリー「(笑う。)いかにも私はブラック
           フェアリー!!もう少しでこの目障
           りな双子の妖精を、奈落の底へ叩き
           落としてやることが出来たのに!!
           よくも邪魔をしてくれたものだ!!
           ホワイトフェアリー!!」

 
   



 コッコ「ホワイトフェアリー!!」
 クック「ホワイトフェアリー!!モリーが!!」
 ホワイトフェアリー「コッコ、クック、分かっていますよ。
           直ぐに助けてあげますからね。少し
           だけ待って頂戴・・・」
 コッコ「(ホッと溜息を吐く。)よかった・・・」
 クック「よかったねモリー。直ぐに助かるよ・・・」
 ホワイトフェアリー「さぁブラック・・・あなたはただ自分
           の欲望だけで、この正しい心を持つ
           人間と、いたいけなこの2人の妖精
           の命を奪おうとしましたね。」
 ブラックフェアリー「だから何なのさ!!私は、昔に他の
           妖精が私にしたことへの復讐をしよ
           うとしたまでだ!!」
 ホワイトフェアリー「関係のないこの者たちにですか?」
 ブラックフェアリー「関係あろうがなかろうが、私には知っ
           たこっちゃないね!!」
 ホワイトフェアリー「そうですか・・・知らなかったこと
           とは言え、あなたが今まで受けた屈
           辱に対する詫びとして、あなたの羽
           を本来あるべき色へ戻してあげよう
           と思いましたが・・・」
 ブラックフェアリー「余計なことはするな!!」
 ホワイトフェアリー「そう・・・余計なこと・・・のよう
           でしたね。そのかわり、罰を与えま
           しょう。」
 ブラックフェアリー「罰?一体何の・・・」
 ホワイトフェアリー「あなたをこれより100年の間、人
           間界へ修行する為に送り出すことに
           します!」
 ブラックフェアリー「修行!?」
 ホワイトフェアリー「そこで100の良いことをするまで、
           ここへ戻ることは許しません。」
 ブラックフェアリー「馬鹿な・・・!!」
 ホワイトフェアリー「さぁ、下界へお行きなさい!!(杖
           を振り上げる。)」
 ブラックフェアリー「な・・・わ・・・わあーっ!!やめ
           て・・・やめてーっ!!お姉様・・・
           」


   


    ブラックフェアリー、消える。

 ホワイトフェアリー「戻ったら一緒に暮らしましょう・・・
           今度こそ姉妹仲良く・・・」
 コッコ「ホワイトフェアリー・・・」
 ホワイトフェアリー「さぁ、待たせましたねコッコ、クッ
           ク。」

    — 第 3 場 — B

 クック「ホワイトフェアリー、モリーは助かるよね?」
 コッコ「モリーは大丈夫だよね?」
 ホワイトフェアリー「ええ、モリーは大丈夫ですよ。」
 コッコ・クック「よかった!!」
 ホワイトフェアリー「でも・・・」
 コッコ「でも・・・?」
 ホワイトフェアリー「モリーを今直ぐに人間界へ帰すので
           す。」
 コッコ「え?」
 クック「帰す・・・?」
 コッコ「どうして・・・」
 クック「ここで治してよ、ホワイトフェアリー!」
 コッコ「そうだよ!何も人間界へ・・・あんな意地悪な
     仲間のいるところへ戻らなくても、ここで・・・
     !」
 ホワイトフェアリー「(首を振る。)モリーがここにいれ
           ば・・・このまま二度と目覚めるこ
           とはありません・・・。」
 コッコ「目覚めることがない・・・?」
 クック「・・・嘘だ・・・」
 コッコ「嘘だ!!」
 クック「嘘だ!!」
 コッコ「嘘だ!!」
   

   


 ホワイトフェアリー「いいえ・・・本当です。残念ですが
           ・・・」
 コッコ「そんな・・・」
 ホワイトフェアリー「妖精界で受けた傷をなかったことに
           するには、今の彼女にとっての現実
           の世界・・・すなわち人間界に戻す
           ことが、唯一モリーが助かる方法な
           のです。」
 コッコ「ホワイトフェアリー!モリーが人間界へ帰ったら
     元気になるんでしょう?」
 クック「そしたらまたここへ来られる?」
 ホワイトフェアリー「・・・人間界へ戻ったなら・・・
           モリーの記憶からこの世界のことは
           消えてなくなります・・・」
 コッコ「え・・・?」
 ホワイトフェアリー「勿論あなた方と出会ったことも・・・
           あなた方の存在さえも・・・」
 コッコ「そんな・・・」
 ホワイトフェアリー「さぁ、もう時間がないわ。早くモリー
           を人間界へ帰さなければ、二度と目覚
           めることが出来なくなるのですよ。」

    コッコ、クック、一時涙を堪えるように。
    決心したように2人、顔を見合わせる。
    (音楽流れる。) 









   —゛モリーウィズフェアリー”エンディングにつづくー









ー ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — 

(どら余談^^;)

 突然に文字の大きさが変わってしまい・・・
 多分、私が自分でパソコンのいらぬところを触って
 しまったんだと思いますが・・・^^;
 元に戻すのに、四苦八苦してしまいました・・・💦

   読んで頂いている途中に可笑しな箇所があるかも知れ
 ませんが、申訳ありません<(_ _)>
 気にせず読み進めて頂けると助かります(>_<)
 









 



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