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ユニクロを、解剖してみる。

2011-10-20 22:37:16 | 思考の散歩
 いやいや、気が付いたら本日、私の誕生日でしてね(^-^;)

 その誕生日に、昨日までの遠出を一日延ばして、本日もそちらに滞在する運びとなったため、着替えを調達するべくユニクロへ向かったんですよ。


 買う物は――Tシャツ一着、トランクス一着、靴下一足。

 まとめて手に持ち、会計を済ませる所で困った事が起こりました。


「トランクスは、二着セットでないとお会計出来ません」

 仕方が無いので、もう一着選んでレジに向かうとまた申し訳無さそうに声が掛かる。

「靴下も、三足セットでないとお会計出来ないんです」


 レジから一番遠い棚までまた走り、適当に選んでやっと買い物が終わりました。



 いえ、怒ってません。

 怒ってませんよ?


 怒ってるけど、怒ってませんとも!!(^-^;)


 と言うわけで、その事件からいろいろと考えを巡らしまして、ちょっと思考を発展させてみました。

 昔は、ユニクロの斬新な手法をセブンイレブンと重ねて見ていましたので、今日はそのセブンイレブンとの比較を多少交えながら、つらつらとユニクロ、またはその完全親会社として設立されたファーストリテイリングについて、(あくまでも)私の考えを並べて行ってみようと思います。



 まず、トランクスも靴下も、以前は『セットだと少しお得』と言うだけで、単品でも会計は出来たはずなんですよね。
 何故それを改められたのか、理由は存じませんがその影響について、まず始めて行きましょう。


 『単品を買いに来たお客が、同じ物を複数買わされる』

 まず、これは買い物の機会を減らします。
 また一着(一足)必要になった時に、来店する必要が無くなりますよね。

 メリットは、経費を若干節約出来ます。
 その場で客単価(お客一人一回当たりの買い物される金額)を底上げする効果よりも、一日当たりの客数を減らす事でレジに立つ従業員を削減、または売り場に回す事が出来る効果の方が大きいと思われます。
 これは売り場や棚、商品の管理レベルを維持しつつ人件費を削減する事で、利益の増加を見込めるわけです。

 では、対してデメリットは何でしょう?
 以前セブンイレブンの記事で触れましたが、『これを買おうと思って来たわけでもないけれど、ついでに買って行く』と言う潜在需要を掘り起こす為に必要な『来店頻度』を犠牲にしています。複数着セットで買わされたお客は、その分を消化するまで来店する必要性が無いのです。コンビニのように、時間を潰すために『買い物目的でもなく来店する』と言う性質の業界ではありませんね。モール街のテナントでもない限り『需要起こらずして来店無し』なわけです。
 そう言った意味では、これは明確な『チャンスロス(機会損失)』となります。
 また、それは縮小傾向を誘発する大きな要因となりますね。


 その縮小傾向を覚悟の上で、この『抱き合わせ商法』に手を染めたのだろうか。

 低価格を売りとするユニクロが、ついに目先の客単価を上げる策に出たのだろうか、と言う懸念がありました。


 思えばユニクロの低価格路線は、昔大きな社会問題となり
「ユニクロ栄えて、国滅ぶ」
等と批判に晒されました。
 今、現実に社会全体が実感している通り、デフレーションはスパイラルする物ですし、これ自体が経済活動を縮小傾向へ向かわせてしまいます。

 コンビニ業界も不況で低価格化が進んだ時期もあり、顧客は安い物を求めている、いや、『安かろう悪かろう』に辟易して本物志向が売れるはずだ、と侃々諤々(かんかんがくがく)でした。
 そこで業界二位のローソンが『100円ローソン』『有機野菜ローソン』と、お馴染み青看板を付けない両路線の店舗を建て始め、実際に需要を計ろうと言う、およそ勇気の要る決断をしました。当時、セブンイレブンだけは鈴木会長の方針で『低価格競争には参戦しない』と、他チェーンとは違うスタンスを貫いていた(当時。その後多少低価格化が進みました)ので、おそらくセブンイレブンは異種ローソンの動向に注目していた事と想像されますが、実際はどちらのローソンも大成功を収めるには至らず、かなり大きく動いた結果が平凡だった事で『失策だった』との烙印を押す方も多かったのではないでしょうか。

 ただ、ユニクロ(ファーストリテイリング)も昔はこんな感じで大胆な事をして、失敗したから撤退と言う事もありましたが、これは挑戦してみないと成否は分からん、と言う英断だと思っていますので、瑕疵性を非難されるべき物ではないのではないでしょうか。
 むしろ、成功続きのセブンイレブンの方が異端と言えます。


 こんな感じで、昔、ユニクロが急成長した頃にはどこか『パンチ』を感じさせられていたのですが、今日メンズ売り場を見て回った限りでは『パンチ』を感じなかった、そういえば最近自分に取ってユニクロのイメージが希薄になってきているな、と言うのが正直な所です。

 ただ、実はレディース分野に於いてはいろいろと新しい企画を順次実行されているようです。(商品開発に於いて、ですし売り場に関してはそうジロジロ見て回るわけにも行かないのでわかりません^^;)


 それでは、『メンズは金にならない』と言う扱いになってしまったのだろうか。

 元々メンズから前身を創業されたユニクロが、ついに客層を女性にシフトしてしまうのだろうか。


 ここまで大きな転換となると、ファーストリテイリングの社風の転換が絡んでいる様に思えてなりません。

 なにより、トップが短いスパンで交代(創業者柳井等[故人]⇒玉塚元一柳井正)しているのですから。

 参考までに、玉塚元一柳井正のエピソードはこちら。

雇われ社長には「一勝九敗」が通用しなかったファーストリテイリングのトップ交代


 また、市場のグローバル化を見込んで来年三月、ファーストリテイリングの社内公用語は英語となります。

 会議に於いて、微妙なニュアンスの表現を外国語で十全に成されるのだろうか。

 受ける側も、全てのニュアンスを共有する事が叶うのだろうか。

 昨今『パンチ』を感じないユニクロの躍進に必要な栄養は、正しく消化吸収されるのだろうか。


 ホンダ社長が一蹴した英語公用語化、これが就職活動にも大きな影を落としました。

 『就職したい企業』ランキング上位の常連だったファーストリテイリング、そして同じく英語公用語化を表明した上位常連の楽天、両者とも大きく順位を落としてしまいました。採用する側は「篩(ふるい)を掛けるまでもなく有能な人材が集まる」と一笑に付するかもしれないが、本当に欲しい人材が集まるのか。

 語学に堪能な人材に偏って、人材の画一化から会議の成果が落ちないだろうか。


 言語力は後からでも養えるが、発想力は後からでは難しいのは火を見るより明らかだ。



 もし、その結果ユニクロの企業力が落ちた場合、撤回する勇気はあるのだろうか。

 あそこまで大々的にアピールした後で撤回するのは並大抵の事では無く、『朝令暮改』の謗り(そしり)は免れないことでしょう。

 しかし、常勝・セブンイレブンの鈴木会長は『朝礼暮改の発想』と言う著書を出している。



 社外にも社内にも縮小傾向の影響を与え始めたファーストリテイリング。

 株価の動向が今後気になる所である。









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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (安いだけじゃダメ)
2013-09-16 21:40:48
今日ひさびさにユニクロ行ったのですが、靴下が欲しいと思って、職場用に2足と普段着用に1足持ってレジに行ったら、職場用の方は3足、普段着用は4足1組でしか売れない。ということでした。
仕方ないので買わずに帰ってきました。
いくら安いからといっても必要ない数を買いたくない。
たとえ他の店で3足買うより安く7足買えるとしても。確実に不要な出費である。
正に機会損失。どころか、こんな売り方する店にはもう行きたくないとまで思いました。
機会損失とは単に1回の買い物の話だけではない。未来の機会も失うし、ライバル店へ流れてしまうということでもある。ということを改めて考えさせられた一日でした。
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お客次第、ですなぁ。 (わんた)
2013-09-17 00:52:23
いらっしゃいまし。

ま~~、商売ですからね、結局は「それで利益を伸ばせるか」ですし、また「顧客から支持されるのか」になると思います。

結果的に数字を出せれば、ユニクロは正しかったという事になります。選ぶのは客ですからね、それで良いという人が多ければ、リピーターとしてまた来店することでしょうが、私はちょっと離れて様子を見たいというだけですね。

なんだかんだ、国民が「安さこそ正義」と思えばこういった企業の独走を許しますし、他社は淘汰されていってしまいます。それでいいの? という疑問を持つ方も、ぱらぱらといらっしゃいますけれど、今後それが増えるのかどうかは国民次第でしょうねぇ。


まぁ、あの後、私は中国でのユニクロ発言に強い不快感を覚えたので、最近は全て他チェーンで購入しております。最終的に選ぶのは顧客ひとりひとり次第ではないでしょうか。
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