分かったよーなこと、言ったって~!!

中途半端な知識で適当ぶっこく無法地帯へようこそ( ^-^)ノ

マリンバの試奏に行ってきました(^-^ )

2013-05-03 01:37:03 | 音楽
今日は、うんちく垂れ流すよ!!!(^-^;)


 『うんちく』ですよ。音楽の、ちょいと専門的なお話が多いですよ。

 小難しいのお嫌いな方、ごめんなさいねぇ!!(^-^;)



 というわけでですね、福井県まで『マリンバ』の試奏に行ってきたわけなんです。試し弾き。
 音大受験の頃から持っていたマリンバが、現在手元に無くてちょっと寂しいものですから、納得できるマリンバを一台、新しく購入しようかなとは以前から考えていたんですよ。

 マリンバってのは木琴です。最近はだいぶ認知されてきましたが、昔は
「マリンバ? …………って、アフリカとかの太鼓?」
なんて言葉が返ってきたもんでございました。(;^-^)
 だい~~ぶ前にマリンバの記事を書いた時にも触れましたかね?


 まぁね、クラシック音楽で演奏や製造をされるようになったのは近代(?)でして、楽器として歴史の長いものでもないんですが、ルーツとして類似のものが存在したのはアフリカとも南米とも言われてますんで、アフリカ云々はそれほど的外れでもなかったかもしれません?
 (ちなみに、インドネシアのガムラン音楽の中には『ジェゴッグ』という、バカでかい竹で作られた木琴の編成もあるが、ペンタトニック《五音音階》である。)

 木琴と言えば、シロフォン(Xylophone)か、マリンバ(Marimba)なわけですが、製造する会社は大きく分けて三種類ございます。


●総合楽器メーカー

 YAMAHAなど。製造力で優位。大量発注に対応可。


●打楽器全般メーカー

 Ludwig-Musserなど。マルチパーカッショニスト(太鼓でも鍵盤打楽器でもシンバルでも使う人)には利用しやすいか。


●マリンバ専門メーカー(関連楽器取り扱いの例多し)

 水野マリンバ、こおろぎ社、斉藤楽器製作所など。職人色が濃く、納期は短くないが、一台一台を『個』として捉える。『マリンバを通した音楽界発展への寄与』『納品して、その後』『良いマリンバとは』『演奏者とマリンバ』に心血を注ぐ。




 正直、演奏家にとってはやはり、専門メーカーが最も信頼に値します。
 もちろん、全てのメーカーさんが真面目に取り組んでいらっしゃると信じておりますが、どうしても専門メーカーでないと出来にバラツキが出る可能性があります。ただ、そういった『個』を考えずにどんどん製造される中で、稀に職人さんも驚くような響きを奏でる楽器も生まれます。私が持っていたのはそういった『特殊例』のものでしたが、それでも鍵盤によって鳴りが良くない物も混じっていましたね。

 ではその、『特殊例』でない楽器はどうかとなりますと、ポーンとひとつ鳴らしただけで
「これがマリンバか。これをマリンバと呼ぶのか」
なんて、どうしても納得できなかったんですよね。

 ま~~ね、こちらも奏者を引退してから十年以上経っていまして、その間ずーっと音楽にはノータッチでしたのでね、私自身のウデがなまっていた可能性もあるわけですよ。いやでもしかし、その音はないだろう、え、なに、もしかして俺が悪いの? なんてね、ちょっと前に某所で試奏した夜は、なかなか眠れなかったもんでございました^^;

 ですから、新たにマリンバを買うならば、必ず実際に自分で音を確かめたいと思っていたんですよ。



 と、言うわけでですね、先程も申しましたが、今回は福井県のこおろぎ社さんにお邪魔させて頂きました。(^-^)









 こおろぎ社さんのマリンバは、私の相棒(二十年程の付き合いで、ティンパニの兄弟子。一緒にマリンバのリサイタルを開いたこともある。最近またオーケストラを手伝う羽目になっているのはこの人のせい^^;)が持っていましてね。私も好きな音だったので信頼はありましたし、付き合いの古い楽器店もプッシュされたので、拝見させて頂こう、と。

 マリンバと言えばやはり肝要なのは鍵盤、と言うより音板なんですが、これにはランクがあります。どこのメーカーさんも、ホンジュラス産のローズウッドという木を最高級として使ってみえます。そのローズウッドの木、一本の中にも良い響きを出す箇所と、少し響きが損なわれる箇所がありますんでね、良い箇所はそれだけ高価なわけです。



(※こおろぎ社 ホームページ 様より)


 ランクAAAは2%となっていますが、国内向け生産に使われるのはその半分、即ち1%ということです。
 よくグルメ漫画なんかでね、
「マグロの本当に旨い場所は、一匹の中でこの部分だけ、たったこれだけだ。謂わば『マグロの中のマグロ』なんだァーー!!!」
なんてのがありますでしょ。そういう意味では、まさに『ローズウッドの中のローズウッド』と言えましょう。

 ローズウッドの木もだんだん資源が枯渇に近づいてきてましてね。これはどちらのメーカーさんも仰いますが、いつまで手に入るか明言できない、価格も今後、相場によっては……ってことらしいです。
 もう何年も前から言われてはいるんですが…………最近は環境問題も厳しくなってきましたからねぇ。本当にどうなることやら。


 で、そのAAAの音を実際に確かめたく、電話をしてみますと最初は
「展示品としてAAAは現在手元にありません、ごめんなさい!!」
ということでしたが、そもそもこちらは曲も覚えていませんし(いけませんよねー;;)、共鳴管さえ付いていれば音板一本でも確かめたいです!! と食い下がりましたら、そういうことなら未調律のものがありますのでお越しくださいとオッケーが出ました。もう、翌日早速伺いましたよ!!(当日は重要な会議があってご迷惑になりそうでしたので……)

 ただこれ、こちらの言葉が足りませんでした。
 やはりね、高音域・中音域・低音域と、音板三本はおねだりするべきでしたね^^;


 マリンバという物も、演奏者によって音の好みが違ったりしますけれど、演奏法との相性もあると思うんですよね。

 音大受験(マリンバ専攻)のレッスン場も、入学後のレッスン室にも、水野マリンバと、マッサー(ムッサーMusser)が置いてありまして。
 最初のうち何年かはマッサーの音があまり好きでなく、水野の音が好きだったんです。少し平べったい縦横比の音板からきれいな音が出ましてね、レッスンでは自分でどちらかを選ぶよう言われましたが、毎回こちらで弾いていました。

 ところが、四年生の頃から学外でティンパニを習うようになりますと事情が変わってきたんですよ。
 これが当時日本では珍しかったドイツ式奏法でしてね、一般的にティンパニって、右に小さくて音が高い物を、左に大きくて音が低い物を置きますでしょ。それを逆の順序で並べて、楽器固有の響きを出し切る(ピアニシモであっても)奏法だったわけなんですが、どうにもこれが水野マリンバと相性が良くなかったんです。少し割れた音っぽくなって、噪音(そうおん:非音楽的な音 ⇔楽音)を強く感じたんですよね。なので、その後は毎回、マッサーの方でレッスンや試験を受けるようになりました。


 まぁ、そういった経緯から、ウデがなまっている事も加味した現在の自分の奏法が、そのマリンバと相性が良いのか、実際に確かめないと買えなかったわけです。その楽器自体が良いか悪いか、だけの問題じゃなかったんですよね。



 と、意気込んでお邪魔してみましたら、なんとわざわざ社長さん自らがお出で下さいました。恐縮しきりです。

 まずは展示のような感じの、AA+グレードの音板を使用したマリンバの部屋へ通されました。





 音板の下に伸びる金色の共鳴管の形状から、高級マリンバといったグレードでないのは一目瞭然ですね(^-^;)
 一般的なコンサートマリンバですと、左方向にも長い共鳴管が伸びています。御覧のように、高音域はほんのちょっとしか必要ないんですよね。
(※後日追記:かなりの高級グレードでも、共鳴管がこのスタイルのものはあるようです)

 室温はマリンバに最も適していると言われる23℃(22℃という人もいる)、湿度管理もされていて、吸音壁(学校の放送室のような構造)に囲まれた一室です。好きに弾かせてもらいますと、グレードの割りにちゃんと響きました。マリンバは、やはりマリンバの音じゃないとムズムズするんですが、AA+でも十分マリンバらしい音だと思います。私のウデはなまっていますけど、ちゃんと楽器の音はコンサートらしい響きだったのではないでしょうか。管理の徹底も効いているんでしょうねぇ。



 …………と、ここで社長さん、お忙しいようで携帯電話が何度か鳴ります。

 じゃ、そろそろAAAの音板を、ということで工場の中までお邪魔させて頂きました。






 あるわ、あるわ、いろんな部品が。もう、いっぱい並んでいます。(・・;)
 今のは共鳴管(角になっているのは低音部用:高さを維持したまま容積を上げる為に各社形状の工夫を強いられる)なんですが、昔、自分の車に分解したマリンバを積んでいる最中、包んでいる毛布が剥がれた所を見た近所の方に
「君、それ凄いね(・・;)」
と言われまして。何の事かと思ったら、昔の暴走族が車に付けてた『竹やり』と勘違いしたらしいんですね。

 いえ、それはさすがに古すぎるよね。今の人、みんな知らないもんね。






 鍵盤が付いていない、枠だけの状態で何台も集められていました。
 マリンバを何台も使うコンサートなんかでは、搬入・搬出時にこんな感じになるんですよ。分解する時は鍵盤が最初、組み立てる時は鍵盤が最後ってことで、みんな一斉に作業しながらこんな風景を何度も見たなぁなんて、演奏から遠ざかっている私には懐かしい情景でした。






 そして案内されたのが、こちらの堂々と中央に鎮座まします一台。
 共鳴管だけがバッチリ用意されています。

 なんでかって言いますと――――――






 こういう事らしいんですね!(;^-^)

 この上に、いろんな音板を載せて検音するための一台のようです。


 まぁ、普通に演奏するように音板にヒモを通すのも時間かかりますから、直接この上に一本一本、音板を並べていきます。普通に並べれば共鳴管との距離が開いてしまうので、逆さまに置きました。

















これがまた、イイ音でしてね。(;・・)


 環境としてはあまり良くない(室温や音響)はずなんですが、とてもふっくらとした響き。ふくよかと表現してもいいですかね。

 ただ、この時点でその音板はまだ、力を発揮していません。やはり、木ですからね。製造の段階ではまだ、湿気を含んでいます。木材建築の方々なんかは非常にお詳しいんじゃないかと思いますが、年数を経て、やっとその木は真価を発揮するものですよね。
 マリンバの音板ですと、演奏に使われますから振動しますよね。しなかったら、鳴らないもんね(;^-^)
 そうした『振動』によっても、音板の湿気は飛んでいくそうです。なので、もし、練習含めて何年も同じ曲しか弾かなかったら、その曲で使う音板だけが先に仕上がってしまうものですから、最初は特にクロマティックスケール(半音階:ド・ド♯・レ・レ♯・・・)で、全ての音板を満遍なく振動させてやるといいそうです。車で言うところの『慣らし運転』ですよね。


いえ、ホントは楽器の慣らしとか関係なく毎日クロマティックスケールは練習すべきですよ!!(;^-^)


 ま、ちょいと話は逸れますけれどもね。
 大学の頃の先生が仰るには
「全ての旋律、全てのパッセージは『スケール(音階)』と『アルペジオ(分散和音)』の断片で構成されています。だから、どちらも十分に練習しなければなりません。そして、クロマティックスケールです!!」
ということでしてね。スケール、アルペジオ、クロマティックスケールが思うように弾けなくては、どんな曲も思うように弾けないのだ、という事だそうです。上手い人は本番前とか、曲の練習じゃなくてこういった練習されたりしますよね。どんな楽器でも。




 ――――と、ここでやはり社長さん御多忙なようで「申し訳ない、営業の者に代わりに来させるから」と席を外されました。

 私一人になったので、改めて音のイメージを確かめていきます。やはり高音域、中音域、低音域をそれぞれよく聴きます。


 ちょっとここで、音の構造みたいなお話を致しましょうか。






 単純化すれば、これが音の仕組みの基本です。全ての楽器が奏でる楽音、それ以外の噪音、みんなこの基本の発展形です。

 ちなみに、低音楽器ですと特殊な始まり方をします。





 黄色い円の中、山が二重になってますよね。三重でもいいんですが。
 低音楽器の音色が独特に聴こえるのは、こんな感じだからというモデルです。

 多分、オナラの音もこうじゃないかなー、計測する人みえないでしょうけど。
 でも、音の立ち上がりの印象は掴みやすくなったんじゃないですかね?



 いえ、測定する時の図形はこんなんですよ?





 いいかげんな描き方ですみませんが(;^-^)
 細い線がグラフとして出るものですが、これを単純化させる為に、輪郭の赤い線をモデルとして使います。

 細い線の波形は、その音に含まれる『倍音』によって変わります。同じ高さの音でも、マリンバとシロフォンが違う音色に聴こえるのは、含まれる倍音の比率が違うからです。





 これは調律によって、意識的に棲み分けされています。






 ま、そういったイメージを御理解頂いて、話を進めさせて頂きますよ(^-^;)


 そんなわけでですね、高音域、中音域、低音域それぞれ、私がマリンバに望む音のイメージと合致するかを確かめていきます。

 高音域は、鳴らない音板ですと本当に響かないんですよね。詰まった感じと言いますか、アタックのみ、みたいな。
 しかし、私はヴァイオリン曲などを弾く前提でしてね。ヴァイオリンがこの音域を演奏する時、特に上昇音形のパッセージなどでは、上がりきった音をブリリアントな(輝かしい)音色で弾けなければならない。言ってみれば、『キメ』ですよね。マリンバの場合、音板の『鳴り』と『抜け』が必須です。

 高音域、問題ナシでした。ちゃんとイメージ通り響きます。ごうかーく。


 次に中音域。最も多用する、『マリンバらしさ』が求められるエリアです。
 マリンバのイメージってね、私、クラリネットに似てると思うんですよ。なんかこれ、このブログ開設初期に書いたよ~~な気も致しますが。

 クラリネットと言いますのも面白い楽器でして、音域ごとに名前まで付けられています。三分割とか、四分割されますね。
 三分割ですと高音域から順に、鋭くて針のように細い《アルティシモ》、楽器色を主張するメインの音《クラリオン》、豊かさで他を包み込んでしまう《シャルモー》と呼ばれます。マリンバも似たような所、ありませんか?

 というわけで、最も『マリンバ色』を主張する中音域です。まろやかさ、華々しさ、そんな物を包含する『マリンバらしさ』がちゃんと在りました。受験の頃、マッサーに対して「良く鳴って、良く響くけれども違和感が否めない」と思っていた、私がマリンバに対して求めていた『マリンバらしさ』が、ちゃんと在るんですよ。それは私が日本人として独自に持つ感覚なのかもしれませんが。
 その時の条件(温度や湿度、音板裏向き、製造直後で湿気の芯が残っている)でその音色が出れば、十分合格点です。

 私のウデもなまってますしね(;^-^)


 あ、ウデで音色って全然変わりますよ?
 もう昔の話になりますが、ティンパニ習い終えた頃は、これでも国内で自分の音色(良悪でなく音色の傾向として)を出せる奏者は両手の指で収まるぐらいの自負がありました。その後、どんどんドイツ式の奏法が日本に浸透しましたから、そろそろ国内で三桁かなーって感じですけどね。私と大学入れ替わりで卒業された先輩なんて、一緒に仕事してて二年で全く音が変わりました。

 ですからね、『弘法、筆を選ばず』じゃないですが、楽器が鳴らなかったら奏者のせい、という考え方もあるんですよねぇ。一概には言えませんけれど。

 楽器が良く響いたら、楽器のおかげってことで。


 さぁ、そして、私が最もデリケートさを求めていた低音域です。
 実は私、大学時代はマリンバアンサンブルでバスマリンバを担当しておりまして。これが人間の背よりも音板の位置が高い、ホンマモンの大きなやつです。音板もバカでかいし、マレットも専用の物でバカ重たいという、一般の御家庭ではまずお目にかかれない特別仕様。これが、コントラバスのピツィカートのような、豊かで広がりと包容力のある音色を出しました。言ってみれば、マリンバのお父さんですね。アンサンブル全員でバンと音を出しても、私のバスマリンバだけは甘く長い残響を残す。マリンバで最も色気を出せる音域なわけですよ。


 そんなイメージで叩いてみて、ここで初めて違和感が生まれました。


 私が求めていた、マリンバの低音域のイメージはこんな感じでした。





 ところが、どうもイメージがズレまして





 これに近い感じに響きます。

 しかし、こちらも多少は耳に自信があります。違和感が他にあるんですよね。


 アタックの音色は、ちゃんとテヌートに響く楽器の『匂い』みたいなのがするんですよ。でも、違う。
『その音の始まり方なら、その後こう響くはずなのに、そう響かない』
という感じですかね。言葉にするのが難しい、感覚的なものなんですが。

 打楽器奏者って言いますのは、一発なにかを叩けば、その楽器(とは限らないが)は、何でどのぐらいの強さで叩けばどんな音で響くのか、ちゃんと全てのケースでの響きを理解するとされています。元打楽器奏者としては頷ける言い様だと思いますが、今回低音域でそういったイメージが持てなかったんですよ。

 なんでしょう、良く響く音板を叩いてすぐミュートしたようなイメージでしょうか。立ち上がりの『匂い』は好きなのに、と。
 そして、音の保続(保持)部分の音量が小さく感じました。音色は豊かだから伸びる音のはずなのに、と。


 ただこれ、日にちが経った今、冷静に考えれば当然だったかもしれないんですよね。

 低い音程の音板ほど、体積は大きくなりますから、製造直後の音板はそれだけ他の音域よりも湿気を残しているでしょうし、それも深い所に残しているはずです。


 年数として、マリンバの音板が真価を発揮するまでのスパンは1~2年と言われます。3年と仰る方までいらっしゃいますね。『音が抜け切るようになるまで』とよく表現されますが、おそらくそれは、使用状態にもよるのでしょう。
 毎日念入りにクロマティックスケールをこなせば、それだけ振動で湿気は早く飛ぶでしょうし、保管場所が海から近い土地で、湿度管理が徹底されていなければ、もっと年数を要するだろうと思います。


 あとは、私の技術次第だったりするのかな~~っと。いや、泣きたくなりますね。



 
 まぁそんな感じで、低音域を叩きながらウンウン唸っているところへ営業さんが訪れるわけなんですけれど、熱心に様々なお話をして下さいました。この方も遠い所(演奏会や、楽器店)を飛び回られる、非常に御多忙な方なんですが、じっくりとお時間を割いて頂けました。こちらの不躾な質問にも、実物を交えながら丁寧に解説して下さいます。


 楽器としてのマリンバとは。

 職人としてのマリンバとは。

 音楽の中でのマリンバとは。

 時代の中でのマリンバとは。

 楽曲の中でのマリンバとは。

 奏者の求めるマリンバとは。


 こちらからもいろいろと投げかけましたし、営業さんからも負けじと返ってきました。


 マリンバの需要とは。

 マリンバの扱いとは。

 マリンバの在りよう。

 マリンバの生かし方。

 マリンバとこの会社。

 マリンバの改善考察。


 気が付いたら結構な時間が経っていましたが、んもう、マリンバ、マリンバ、ずっとマリンバです。

 二人合わせて、『マリンバ』って千回ぐらい言いませんでしたっけかね?(;^-^)


 その中で私、一度引っ掛かりましたのが『調律』についてでした。マリンバも調律って、するんですよ。出来るんです。ここを削れば高くなる、ここを削ると低くなるって場所があります。

 温度(室温)や湿度によってもピッチが変わってしまいますので、納品後もある程度経ったら調律が望ましい、と。






 さっき、こんな画像出てきましたよね。シロフォンの7倍音や、マリンバの10倍音は低音域の調律で使うようです。

 私は『マリンバは弦楽器だ』と思っておりますし、実際扱いは『打弦楽器』に入るでしょうが、中学校ぐらいですかね、理科の授業で、弦の振動がなんとかかんとか、実験やりませんでした?
 あんな感じで、端から四分の一あたりを叩くと4倍音が響いて、それを基に倍音の調律をしていくのだとか。そして、音板の片側だけを削っては音が濁りますよね。片側はC(ド)、反対側はC♯(ド♯)なんて、音板の悲鳴が響き渡りそうです。(;^-^)

 ですから、素人が手を出すと大変な事になってしまいますんで、ちゃんとプロにお任せするべきですね~。



 その『調律』も、理論的に1オクターブを12分割した完全な平均律ばかりではないですよね。ピアノの調律だって、多くの方が御存知のように、ピアノ曲線に従ったピアノ平均律が一般的です。




(※ウッドベース奮闘記 様より)



 古くは様々な調律法がありましてね。 ⇒ 古典調律

 現代、名前が挙がるのは合唱などの純正律、オルガンの中全音律、あとはキルンベルガー第3法ヴェルクマイスター第3法ピタゴラス音律あたりですか。

 大昔は感覚に頼らざるをえないにしても、チューナーのある現在、どうしてまだそんなに種類があるかって、先程のこの図が正確じゃないからですよね。






 倍音の値から『最も近い音』で代用されている『だけ』なので、平均律だけでは面白くないんです。
 正確に一致するのは完全8度(1オクターブ違い)、完全15度(2オクターブ違い)といった、『ド』なら『ド同士』だけなので、一般的なドミソの長三和音にしても、ソがほんのちょこっと倍音からズレてる、ミなんかもっとズレてるって話になります。

 平均律が確立されたおかげで、どんな調でもひとつの楽器で演奏可能になった便利さはありますが、バッハの頃のような、『調性の性格』は現代、希薄になりました。でも、面白みは損なわれたんじゃないかと思っています。

 詳細に御興味お有りの方はこちらもどうぞ ⇒ 【さまざまな音律と調律法について】



 昔、ちょっと縁のあったピアノ調律師さんがみえましてね。その方が調律し終えたばかりのピアノを試し弾きさせてくれたんですよ。

 ところが、どうも違和感があったので
「もしかして…………平均律じゃなかったりします?」
と尋ねてみましたら、やはり違う調律法だったんですね。これがまた、弾いてて面白いんですよ!

 色気があると申しますか、調によって悲壮感があったり、ロマンティックな感じがしたりね。まぁ、おそらく調号(♯や♭)の多い調ですと、和音が唸ったりするのかもしれませんけれど………………そもそも調号がいっぱい付くような曲は私が弾けなかったと申しますかね!(;^-^)


 なんでそんな話をしたかと言いますと。


 こおろぎ社さんのマリンバ、平均律じゃあないって仰るわけですね。その営業さんが。

 ピアノ平均律でもなくて? と尋ねても「違います」だそうで。


 真っ先に頭に浮かびましたのが、「合奏で唸らない(ハーモニーが濁る)かな」という心配でした。

 私はとんと現代曲に縁がありませんが、特殊効果を期待した一部の現代曲では『微分音』が出てきたりしますよね。ドとレの間隔を『全音』と言い、その半分であるドとシの間隔を『半音』と言いますでしょ。それを、半分どころでなく分けるわけです。三分音、四分音、六分音、八分音てね、半音上げ下げする♯とか♭みたいに、ちゃんと臨時記号もあるそうです。今日初めて知りました(;^-^)

 そういうのはだいたい、音程操作性に優れた管楽器に与えられる楽譜のはずなんですが、ピアノに与える作曲家もみえます。



ヴィシネグラツキー 二台の四分音ピアノのための24の前奏曲 第八番



 まぁ、今のは普通のピアノと、四分音ズラした調律のピアノの二重奏でした。
 私がそっち系の曲を弾く機会は、まず無いでしょうが…………なんとなく気になって、印象に残ってたんですね。


 でも、後から考えてみれば
「ソロで弾く分には、平均律じゃない方が面白いかもしれない」
ってことでもあるんですよね。いえ、もちろん「平均律で」と指定すれば、その通りして頂けるんじゃないかと思います。買った後にも平均律に調律しなおす事すら可能でしょう。




「面白いかもしれない。(;^-^)」
という誘惑は、相当なものでした。

 そしてね、改めて考えてみますと
「マリンバらしさって、原点を想えばこれこそ自然な姿なのかもしれないな」
と、納得も出来るんですよね。











で、注文しちゃった。(;^-^)



 他にもお願いした件があるので、手元に届くのは一ヵ月から二ヵ月先になるんじゃないかと思います。


 またその時には、改めてマリンバの記事を書かせて頂きましょうかね!(^-^)










記事を書く暇も惜しんで弾いてるかもしれませんが。(^-^)






 こおろぎ社 様、お忙しい中、懇切丁寧にありがとうございましたm(_ _)m







本   社/株式会社こおろぎ社
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オーケストラのお話。(^-^;)

2013-01-12 04:15:29 | 音楽
 いえね、最近ちょっとバタバタしておりまして睡眠もあまり取れていないものですから、昨日の記事は朦朧(もうろう)とした状態で何書いてたんだろって感じなわけですが、梶浦由記さんの話題で『オーケストラ』について触れましたよね。指揮を振ってくれたら、それはとってもうれしいなって。


 しかし、書いたあとになってから、一般の方々ってオーケストラにどれぐらい縁がおありなのかなって、ちょっと考えてしまいましてね。


 皆さん、オーケストラの演奏会って聴きに行かれたことあります?

 チケット買って、よく聴きに行くよって方、ちょっと手を挙げてみて頂けますか?


 ハイありがとうございます、もちろん見えないわけなんですけれども。(・・)


 まぁね、小学校や中学校の行事で、ほとんどの方が生涯に一度は生演奏を聴かれたと思うわけなんですけれども、アレもなかなか貴重な機会でしてね。私、その行事で地元のオーケストラの演奏を見ながら聴きながら、小太鼓(スネアドラム)に大変惹かれまして、ずっと印象に残り続けました。

 そしていつの間にか高校の吹奏楽部で打楽器(パーカッション)をやってまして、学生の頃は何故かさっきの演奏会で小太鼓を演奏してみえた方と妙に御縁がありまして(これは本当に不思議なくらい様々な場所でお会いしまして、後々一緒に演奏させて頂いたこともあります)、いつの間にやら私も打楽器奏者(ティンパニー奏者)になってたり致します。学校の行事が、私の人生に大きく影響を与えてしまったんですね。どうしてこうなった! って気もしますけれども(;^-^)


 地方や自治体によって呼び方は違うかもしれませんが、こちらでは『芸術教室』なんて言ったりします。
 皆さんはその行事で、なにかしら影響を受けて帰途につかれましたでしょうか?(^-^)


 まーそんな感じでですね、今日は『オーケストラ』ですとか、『指揮者(コンダクター)』について、ちょっとした薀蓄(うんちく)を書いていこうとかなと!(^-^;)




 ポップスなんかですとね、歌い手に曲がつくと申しますか、○○○を歌っているのは誰々という風に決まってますよね。もちろんカヴァーされるケースもありますが。演歌ですと違う方が歌われたりもしますので、楽曲と歌い手の関係が多少違うのかもしれません。また、伴奏をされるオーケストラについては、まず演奏者名・指揮者名が語られませんよね。

 ロックバンドなんかですと、ライブや収録なんかで「ギタリストの○○が参加」みたいに、大々的に言われます。演奏者の個性を聴衆に期待させるわけなんですが、クラシックではこの場合の『ギタリストの○○』が、オーケストラや指揮者、ソリストに相当するんじゃないかと思います。「この演奏者はどんなプレイ(演奏)をするんだろう?」ということですね。

 クラシックでは「ベートーヴェンの交響曲○番は、あそこのオーケストラの持ち曲」なんてことはありませんからね、様々なオーケストラ、様々な指揮者がそれぞれ個性を持った演奏をしますし、ファンは自分の好みでそれを選びます。あ、ただ、クラシックの曲も「○○様に献呈」ですとか、「○○様からの御依頼で」ということはあります。しかしまぁ、著作権も切れていますし、どこが演奏しても良いんですよね。



 オーケストラの個性というのもいろいろあります。

 まず、驚かれる方も多いかもしれませんが、音の高さも違います。
 よく『A=440』とか『A=442』なんて言いますでしょ。Aはラの音なわけですが、『A=440』は「ラの音を440ヘルツで演奏しますよ」ということですね。ラは基本的な音と言いますか、ドイツ語でも英語でもABCの音名はラから始まりますし、産まれたばかりの赤ちゃんが「おぎゃあ」と言うのもラの音だと言われています。調べたことありませんが!(;^-^)


 ステージが始まる時、オーケストラはチューニングをします。演奏会で御覧になられた記憶、あります?

 客席でざわざわしながらプログラムを読んでて、開演時間になると予鈴(予ベル)が鳴り、客席の照明が落ちて本ベルが鳴ります。

 楽団員がぞろぞろとステージに入ってきてそれぞれ座り、オーボエ奏者が立ってラの音を吹きます。

 コンサートマスター(女性はコンサートミストレス)がそれにピッチを合わせ、頷くと周りもみんな音を出し始めて全体的なチューニングが始まります。


 なんでオーボエかって、管楽器自体が室温や管内温度の影響でピッチが変わりますし、ダブルリード楽器なので不安定傾向です。オーボエ奏者は人一倍音程に厳しいので『チューニングマスター』たるわけで、それに合わせて弦を張ったり緩めたり、管楽器は迂回管やマウスピースの抜き差しで調整します。

 ま、元打楽器奏者から言わせてもらえば基本的に固有チューニングである「鉄琴(グロッケンシュピール)や木琴(シロフォン)と合わねえYO!!(^-^;)」って思うこともあります^^; 鉄琴も鍵盤の裏に『A=442』とか、木琴も『A=440』とか書かれています。この時点でもう合ってないんですが(;^-^)

 鍵盤打楽器のチューニング(調律)に関しては、また機会がありましたら書くかもしれません。



 まーこのチューニングがですね、オーケストラによって違います。『A=447』なんてオケもありますし、『A=438』なんてとこもあったりします。アメリカのクリーブランド管弦楽団でしたか、ちょっと記憶に自信がありませんけれど、ピッチが高すぎて管楽器が対応出来ないってんで、管を切って合わせたなんて話もありました。

 大昔から、地方によってピッチが違うのは当たり前だったんですよね。同じ国内でも、教会によってパイプオルガンの調律が異なる例は多いです。(※参考資料:バロック時代のピッチについて



 そんなわけで、オーケストラによって『違い』というものはあるんですよね。(やっと話題が戻った)

 音楽的には、指揮者が育てて個性が与えられます。


 長期間、同じ指揮者が同じオケを引っ張っていますと、そのオケ+その指揮者という個性になってきます。

 フィラデルフィア管弦楽団ユージン・オーマンディの例が有名で、なんと42年間に渡って音楽監督をしてみえました。特にシベリウス作品の完成度は作曲者自身が絶賛したと言われます。私も、この組み合わせで演奏されたシベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴いて感動し、自分のマリンバ演奏でこの曲を弾かせて頂きました。それだけオケと指揮者が一体となり、まさに友人なわけですね。ユージンなだけに!!(^-^;)


 
 オケの楽団員って言いますのも、結構厳しい目で指揮者を見ますからね。

 有名な話では、プロになりたての新人指揮者が客演としてやってきますと、わざと違う音を出して試すなんてのもありました。まぁ、普通なら気付かないわけはないんですが、そこで指揮者の表情が何も変わらなかったら、その指揮者は以後舐められる、という感じです。

 逆に、楽団員が実力を認めた指揮者ですと全くスタンスは変わります。


 あるオケを客演指揮者が振ることになって、練習場で合奏をしていたわけなんですが、その客演さんが
「オケの演奏が、急に変わったぞ?」
と、不思議に思っていたら、入り口にフルトヴェングラーが立っていた、なんてのもありました。

 また、指揮者側もオケに対して厳しい目を向けたり、逆に認めたります。怒鳴り散らして物を破壊することも少なくなかったトスカニーニも、ええと、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との演奏だったと思いますが、組曲『展覧会の絵』をやった時にですね、まぁ、あの曲はいくつも楽章があるわけなんですが、どうしたことかトスカニーニが曲を勘違いして、途中で違う曲のテンポで振り始めてしまった。これを楽団員が全員、瞬時に状況を理解しましてね、タクトを振るも、誰一人として音を発しなかった。おかげで恥をかかずに済んだトスカニーニは後に「あれは、オーケストラが指揮者に対して行える最大級の敬意だ」と絶賛し、以後、そのオーケストラを高く評価するようになったということです。



 まぁ、そのウィーンフィルもなかなか、個性的と申しますか、コダワリがありましてね。現代は使わないような古い楽器も使用していたりします。なので現代曲は演奏困難だったり、そもそも楽団員が現代曲に拒絶反応を示したりもします。ある意味閉鎖的とも受け取れますが、それだけ、古き良き物に高い誇りを持っている楽団と言えるでしょう。

 対して、二大世界最高峰オーケストラと言われるもう一翼、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団はもう少し先進的です。「古き良き物を大切にしつつ、常に新しい物にも目を向ける」という方針を掲げ、積極的にあらゆる楽曲や指揮者で演奏・録音を行ってみえますね。



 そんな感じで、オーケストラによってやはり、様々な違いは出てくるわけです。
 音楽って言いますのは芸術の中でも『時間軸に縛られる出たとこ勝負の表現様式』と言えますが、現代ですと、コンピューターで楽譜を打ち込んで、『失敗やアクシデントの無い完璧な演奏』を作り上げることが可能です。制作工程的には美術系に似た作業になりますが、私はこの、オーケストラの『非・完璧性』こそが味だと思っておりますし、そこに驚きや感動が生まれるのではないかと考えております。


 昔、だいぶ前の話なんですが、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(旧:レニングラード・フィルハーモニー交響楽団)でしたかね、来日した時に私、アルバイトで楽団員のお世話係りをさせて頂いたことがありまして。

 ま~、役得と申しますか、本番はステージの袖で間近に聴かせて頂けたわけなんですが、これが思いのほか(失礼!)良い演奏でして、当時まだ学生だった私は感動して「いいなぁ……」と涙を流しておりましたらね、どうしたわけか、第一ヴァイオリン最後列の奏者が振り返って私を見たんですよね。演奏中なのに(^-^;)今でもその女性ヴァイオリニストの表情が目に浮かびます。

 そこから、また演奏が変わったわけです。演奏者同士って言いますのもね、誰かが「おい……どうしちゃったんだよ」って良い演奏をしますと、だんだん感化されてくるんですよ。ついノッちゃうと言いますか。これは悪く受け取らないで頂きたいんですが、ロシアから限られたスケジュールで来日して、なるべく短期間に全国様々なホールでいくつも演奏をこなして帰国していくわけですから、『手を抜く』と呼ぶのは憚られますけれど、ある程度ペース配分みたいなものもあるんですよね。これは一般的な事ですし、そうしないと身体も精神も持たないという面だってあります。

 ところが、私を見た奏者が本気を出しちゃった。それに気付いた他の奏者も感化される。…………と、もう、いつの間にか全体がすごいことになりましてね、あの演奏は収録していなかったのが悔やまれるほどの名演となりました。


 ま、私の勘違いかなって言われるでしょうけどね!(;^-^)

 でも、そこが『生のオーケストラの良さ』だと思うわけですよ。名演だったのは間違いありません。



 そしてね、そんな『オーケストラ奏者』って言いますのも、難しい顔した人たちっていうイメージをお持ちの方、多いのかもしれませんけれど、実際そういった方ばかりでもないんですよね。やはりいろんな方がみえて、そして、いろんな意味でちょっと変わっている。今のお世話させて頂いたオケ楽員も気さくに接して下さいましたしね。

 変わった例では、ウィーンフィルのコンサートマスターでしたっけ、クラリネット奏者でしたっけ。
 来日する度にパチンコを楽しむなんて方もみえましてね。あの、大当たりする瞬間がタマラナイらしいです(;^-^)

 昔、師匠と一緒に海へ泳ぎに行った時に、師匠が所属してみえたオケの楽員もお二人同行されて一緒に泊まったことがありますが、夜中にちょっとエッチな話で私と盛り上がっちゃって、師匠に「馬鹿なこと言ってないで寝なさい(´・ω・`)」なんて呆れられたこともありました。まぁ、馬鹿な話でも盛り上がり、真面目な話もしたりと、大変楽しかったものですが、やっぱり演奏者たるもの、コダワリも持つけれど、何かオモシロイ物や楽しい事に、つい目を向けちゃう。なんかやっちゃう。そんな人間も、オーケストラには多いんです。


 そりゃ、厳格な方もいらっしゃいますが、お茶目な方も多いです。

 どこの国のオケだったか失念してしまいましたが、あるオケに双子がみえましてね。確か、片方はフルート奏者、他方はコントラバス奏者でした。双子ですから、見分けが付きにくかったりします。

 ところがですね、練習場で合奏していますと、指揮者が棒を止めて溜め息を吐くわけですよ。


「君たち、ふざけてないで戻りなさい(--;)」


ってわけでね、実はコッソリ入れ替わってた、と。そこで二人と、気付いていた周りがニヤニヤしながら、何事もなかったように元の楽器で練習を再開したなんてこともあったようです(;^-^)





 どうです?

 ちょっとオーケストラが身近に感じられるようになりましたか?


 そんなわけでですね、オーケストラは面白いものなんですよ。

 お近くで演奏会があるって聞かれたら、足を向けてみてはいかがでしょうか(^-^)






 ま、オーケストラのギャラを半分持ってくと言われる指揮者が、タクトを一拍一拍振る度に

「10ドル、20ドル、30ドル…………(・・;)」

なんて数えるお客さんも、昔みえましたけどね!!(;^-^)





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パーカッションは人間要らない!?(;;)

2012-10-14 22:37:07 | 音楽
 いやいやいや、私も元打楽器奏者として反論したいところなんですけれどもね。


こんなんずるいわ!!(´;ω;`)



ボールで打楽器を打ったら止まらなくなった



Animusic 2 - Pipe Dream 2





 もちろんこれは合成映像だったわけなんですけれども、これを実際にやろうとしますと、こんな感じになるようです。



Marble machine 2






 演奏者要らへんやん(; ̄▽ ̄)




 ちなみに、ですが。



 最初の動画を音ゲーにしますと、こうなるようです。



Frets on Fire - Animusic - Pipe Dream






 うーん、打楽器奏者なら出来なきゃいけないんだろうなぁ(;^-^)





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マリンバって、なんぞや?(・・)

2011-10-10 16:45:13 | 音楽
 今日は音楽の話です。

 マリンバ(Marimba)って言うのは木琴なんですが、音楽やられない方はあまり御存知ないようでして(・・;)

 一般に木琴と言うと、シロフォン(Xylophone)を思い浮かべられる方が多いと思います。

 どう違うの? って言いますと、実は厳格な違いは無いと言われています。
 ただ、おおまかに申しますと鍵盤が細くて音域が高い物をシロフォン、鍵盤が平べったく見える程に幅があって音域が下へ広く、共鳴管の向かって右側の高音域部で無駄に管が長い物(実は高音域の共鳴管はハリボテ^^;)をマリンバと呼びます。


 音響学上、音の性質に差があります。

 シロフォンは音楽室なんかでもお馴染みで、皆さんよく御存知だと思われますが、マーチに使われたりと『キンキンした音』ですよね。以前記事に書きました倍音の、『奇数次倍音』が強いと言われていまして、オーケストラの中にあってもかき消されない固い芯を感じさせる音です。

 対してマリンバは『偶数次倍音』が強めで、弦楽器の様な、まろやかな音を出します。まぁ、そもそも木琴(シロフォン・マリンバ)や鉄琴(グロッケンシュピール・ビブラフォン)と言う物は打楽器の中でも『打弦楽器』ですから、弦楽器の様な音を出しても不思議ではありません。ピアノやチェレスタも『打弦楽器』ですよね。ちなみにチェンバロ(ハープシコード)はギターと同じ『撥弦楽器』と呼びます。
 また、「マリンバの音はテレビの電波に乗りにくい」とも言われ、やはりコンサートなどで実際の演奏を御覧にならないと、その本当の良さは感じにくいと思います。


 マリンバがどんな物か、ちょっと動画で御覧頂きましょう。



安倍圭子さんの演奏で、マリンバのための道 エヴェリン・グレニー




 はい、こんな楽器です。
 安倍圭子さんと言われるのは、日本が世界に誇るマリンバ奏者でして、YAMAHAがずっと手離さなかった契約プレイヤーでいらっしゃいます。


 実は私が音楽、と言いますか打楽器を始めたきっかけは高校の吹奏楽部だったのですが、本当は太鼓の方がメインだったんですよね。小太鼓(スネアドラム)を主にやっていまして、シロフォンは先輩に褒められたりもしましたがメインではなく、さらにティンパニーには余り縁が無かった、はずでした。

 吹奏楽部って、ウチの高校では『ソロコンテスト』に出る機会が三年間で二回あったんですよ。

 そこで、「一回目にシロフォンで出て、二回目にドラムで出てやる」と企んでいたわけなんですが――――


 一回目、シロフォンで臨んだ学内オーディションに落ちまして(笑
 いや、当時相当落ち込んだので笑い事じゃないんですが!!(^-^;)

 曲はブラームスのハンガリー舞曲五番でしたね。そこで悔しくて仕方が無く、翌年リベンジでシロフォンの演奏で出ました。県大会では友人(過去に最優秀賞を取った子)からマリンバを借りられて、そこで初めてマリンバを弾いたんです。

 曲はその友人が最優秀賞を取った『軽井沢の美人(マリンバオリジナル曲)』、これがなかなか思う様に弾けないのが悔しくて、私が音大を受験することになった時、「マリンバを上手く弾ける様になりたい」と思い、専攻はマリンバを選びました。(音大・芸大の打楽器は、小太鼓とマリンバのどちらかを専攻する)

 そしてマリンバ漬けの日々が始まったのですが、在学中に学外でティンパニーの師匠(ベルリンフィルでも演奏されていた知る人ぞ知る方)に習う事が叶いまして、結局その後、仕事として演奏するのはティンパニーが中心となりました。


 全く、人生と言うのは先が分からない物ですが、その音大はマリンバが盛んな大学(と言うか、打楽器ほとんどマリンバ専攻生)だったので、学内では授業でマリンバのアンサンブルなんて物もやっていました。


 こんなのです。


バッハ - 2つのヴァオリンのための協奏曲 第一楽章(マリンバ)




 マリンバと言うのは歴史が浅い楽器ですので、ベートーベンですとか、ブラームスですとか大昔の作曲家が『マリンバの為に書いた曲』と言う物がありません。なのでこうやって、他の楽器の名曲(特に弦楽重奏)をマリンバで演奏する事が非常に多いです。アンサンブルだけでなく、それはソロでもそうですね。

 今の動画のコメントで「副科の演奏っぽいな」とあったのは、作曲学科・ピアノ科・音楽教育学科の学生も何か管弦打楽器を授業でやらされるわけなんですが、それを『副科』と言います。専攻生と副科が一緒に演奏する機会はほとんど無く、副科は副科だけで集められて演奏するのがほとんどです。


 さて、この動画が副科の集まりかどうかは分かりませんが、どうでしょうね?
 名演と言える程満足の行く演奏ではないでしょうが、副科でこのレベルは難しいんじゃないでしょうかねぇ。

 まぁ、曲名にあるように、ソロが二人の曲ですから、ソリスト二人はプロです。
 1stソロの方は音色だけでも凄いですね。

 2ndソロの方は…………あははは、音大の同期です^^;
 今では随分と出世なさって、差を付けられてしまいましたね(^^;

 この方はその音大の教授の娘さんですが、その教授(栗原幸江 氏)がまたビッグでした。
 「演奏家として活動に専念すれば、安倍圭子さんの様に世界に羽ばたける」と周りから言われていましたが、「産まれた子供に責任を持たなくてはならない。家庭を持つ、と言う事と真摯に向き合わなければならない」と、演奏家の道でなく、大学の教授として日本に留まられた方でして、音大入学当時「音楽家はとんがっている物」と言う偏った考えを持っていた私に大きな衝撃を与えました。また、娘さんも教授の薫陶を篤く受けられた方でして、いつぞや記事で書きました『才能=人格破綻』について、私の認識を大きく改めさせられたものでございました。


 私が過去に書いたSS(小説)の中で、音楽家を志す少年の苗字を『栗原』にしたのは、教授御夫婦(御主人はピアノ奏者)から拝借した物でした。



 だいぶ話が逸れてしまいましたね^^;


 逸れるついでに、『こんな木琴もあるんですよ』と言う動画を貼って、今日の記事を締めくくろうと思います。

 これ、御覧になられた方も多いんですかね? 幻の映像と呼べる物なのですが。



森の木琴








 音大時代、何年生になっても私がバッハばかり練習しているので教授に
「いつまでバッハ弾いてるの…………もっと他の曲弾いてもいいのよ?」
なんて、よく言われましたが(一年生はバッハで基礎を勉強する)、私はバッハとマリンバって、
とてもよく馴染むと思うのです。









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