三四郎はこの時、ふと汽車で水蜜桃をくれた男が、危ない危ない、気を付けないと危ない、と云った事を思い出した。
危ない危ないと云いながら、あの男はいやに落ち着いていた。
つまり危ない危ないと云い得る程に、自分は危なくない地位に立っていれば、あんな男にもなれるだろう。
世の中にいて、世の中を傍観している人は此処に面白味があるかも知れない。
どうもあの水蜜桃の食い具合から、青木堂で茶を呑んでは煙草を吸い、煙草を吸っては茶を呑んで、じっと正面を見ていた様子は、正にこの種の人物である。
--批評家である。--
--三四郎は妙な意味に批評家と云う字を使ってみた。
使ってみて自分で旨いと感心した。
のみならず自分も批評家として、未来に存在しようかとまで考え出した。
あの凄い死顔を見るとこんな気分も起こる。
「三四郎」好きだなー(幾度となく言ってるけどw)
何回も読める。
何回も読みたくなる。
すごい言葉とか特殊な言葉ではなくて、普段一般的に使用されている日本語がなぜこんな風になるのか、文章がRYTHEMを奏で、melodyが流れ出すように感じるのは何故か。
夏目漱石だからか。
危ない危ないと云いながら、あの男はいやに落ち着いていた。
つまり危ない危ないと云い得る程に、自分は危なくない地位に立っていれば、あんな男にもなれるだろう。
世の中にいて、世の中を傍観している人は此処に面白味があるかも知れない。
どうもあの水蜜桃の食い具合から、青木堂で茶を呑んでは煙草を吸い、煙草を吸っては茶を呑んで、じっと正面を見ていた様子は、正にこの種の人物である。
--批評家である。--
--三四郎は妙な意味に批評家と云う字を使ってみた。
使ってみて自分で旨いと感心した。
のみならず自分も批評家として、未来に存在しようかとまで考え出した。
あの凄い死顔を見るとこんな気分も起こる。
「三四郎」好きだなー(幾度となく言ってるけどw)
何回も読める。
何回も読みたくなる。
すごい言葉とか特殊な言葉ではなくて、普段一般的に使用されている日本語がなぜこんな風になるのか、文章がRYTHEMを奏で、melodyが流れ出すように感じるのは何故か。
夏目漱石だからか。