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ウクライナ、越境攻撃「74集落制圧」 ロシアは部隊増強

2024-08-15 02:45:44 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


ウクライナ軍によるロシア西部クルスク州の奇襲攻撃で激しい戦闘が続いているとみられる
(11日、破壊された同州の集合住宅)=ロイター

 

 

ロシア国防省は14日、ウクライナ軍によるロシア西部クルスク州への奇襲攻撃について、ドローン(無人機)などを迎撃して破壊したと発表した。

ウクライナ軍が制圧地域を広げる中、ロシア軍は戦力増強で応戦し、現地では激しい戦闘が続いているとみられる。

 

ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、ウクライナ軍はクルスク州で前進を続け「74集落を制圧した」と通信アプリに投稿した。

「次の段階に向けた準備が続いている」と強調した。クルスク州のスミルノフ知事代行は12日の政府会合でウクライナ軍が同州の28集落を制圧したと報告しており、双方の発表内容には開きがある。

 

ロシア国防省は14日、クルスク州でウクライナ軍の無人機37機を迎撃したと発表した。ウクライナ軍は無人機による攻撃を増やして制圧に勢いをつけようとしているもようだ。

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は12日、今回の越境攻撃によるロシア領内の制圧地域が約千平方キロメートルになったと主張した。

 


米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは米政府関係者の話として、ロシア軍の一部がウクライナ領内から撤退したと報じた。ウクライナ軍による攻撃に対応するため、軍の再配置を迫られたという。

ロシア軍は部隊の増強や爆撃機による攻撃を強めてウクライナ軍に対抗しているもようだ。ロシア国防省の13日の発表によると、同日までにウクライナ軍の戦車35両などを破壊したほか、2千人超のウクライナ兵を無力化したと主張している。

 

 

今回のウクライナによる越境攻撃では数千人規模の兵士が参加しているもようだ。ウクライナ軍は今後制圧地域の守りを強化するとみられ、ロシア軍が目標とする掃討作戦が完了するまでには時間がかかるとの見方が浮上している。

プーチン大統領はウクライナへの報復攻撃も示唆した。ウクライナ領内では備えが進みつつある。ロイター通信は13日、ウクライナ北部スムイ州ではロシアとの国境に近い一部地域で住民の移動が一時的に制限されたと報じた。

 

 

ロシア、アプリ遮断

ロシア政府は情報統制を急いでいる。ロシアの通信監督当局は秘匿性の高い対話アプリ「シグナル」へのアクセスを遮断すると発表した。

ロシア国内で展開するウクライナ軍の通信を妨害する狙いがあると見られる。

 

 

通信監督当局は禁止の理由として、シグナルがテロリストや過激派によって利用され「法律を侵害している」と主張した。

9日からロシア国内では利用できない状況が続き、外部のインターネットから組織内ネットワークに接続するための仮想私設網(VPN)経由でのみアクセスが可能となった。

 

ネット利用者保護を担う非営利団体の代表であるミハイル・クリマリョフ氏はロシア政府がウクライナによる越境攻撃を受け、対応を迫られていると分析した。ロシアメディアが報じた。

シグナルは通信内容を外部から解析されない「暗号化アプリ」で、情報の流出を懸念するウクライナ軍の兵士が前線で使っているとされる。

 

 

ウクライナ軍は米宇宙企業スペースXのインターネット通信サービス「スターリンク」を活用している。ロシアによる今回の通信遮断の影響は小さいとの指摘もある。

米メタの対話アプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」についても禁止に追い込まれるとの観測が浮上している。ロシア独立系メディアによると、政府は今秋にもワッツアップのアクセス遮断を検討する。代替としてロシア最大のSNS(交流サイト)「VK」が新たな対話アプリの開発を進めているという。

 

 

プーチン大統領は8日、SNS規制を柱とする法案に署名した。11月に施行される。

1万人以上のフォロワーを持つSNSのチャンネル運営者は詳細な個人情報を当局に提出するほか、プラットフォーム会社は当局の要請に応じて利用者の情報を提供する必要が生じる。

 

 

ロシアはウクライナ侵略の開始後、段階的に欧米のSNSを禁止してきた。インスタグラムやX(旧ツイッター)などへの接続はブロックされている。

 

 

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

 

細谷雄一のアバター
細谷雄一
慶應義塾大学法学部 教授
ひとこと解説

今回のウクライナ軍のクルスク侵攻作戦は、情報が限られており、ウクライナ政府もその詳細を明らかにしておらず、意図や現状について不明な点が多く見られます。

用意周到な奇襲攻撃であったことからも、ロシア政府、とりわけプーチン大統領も困惑している様子がうかがえて、対応に苦慮しているように思えます。

そのような混乱と不安をロシア国内にもたらしたとしたら、この侵攻作戦の政治的な効果は一定程度成功したとみられます。

また、ウクライナ政府としてはプーチン大統領へのロシア国内の不満や批判を醸成させて、戦争継続へのロシア国民の批判を強める意図もあったのでしょう。

ただとてもリスクの大きな作戦で、展望は不透明です。

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日経記事2024.08.14より引用
 
 


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