中南米系市民団体からの支持獲得はハリス副大統領の選挙戦に追い風となる(8日)=AP
【ワシントン=飛田臨太郎】
米国最大のヒスパニック(中南米系)市民団体とされるラテンアメリカ市民連合(LULAC)は9日、11月の大統領選で民主党のハリス副大統領を支持すると発表した。
ヒスパニック系が多く住む激戦州の西部アリゾナ州や同ネバダ州の選挙情勢に影響を与える可能性がある。
LULACによると、大統領選で特定候補を推薦するのは1929年の設立以来、初めて。14万人の会員を持つ同組織はヒスパニック系の有権者にハリス氏に投票するよう促す運動を始める。
LULAC幹部は声明で「ハリス氏はキャリアを通じてヒスパニック系住民の擁護者であることを証明した」と支持理由を説明した。
米調査会社ピュー・リサーチ・センターによると、11月の大統領選で投票権を持つヒスパニック系の有権者は3620万人を超え、史上最高となる。
特にメキシコ国境に近いアリゾナとネバダはヒスパニックが人口の3割を占め、全米平均の2割を上回る。
ヒスパニック系は伝統的に民主党を支持する人が多い。前回の大統領選ではバイデン大統領がアリゾナ・ネバダ両州で共和党のトランプ前大統領を破った。
トランプ氏はバイデン政権下での不法移民の急増や物価高に不満を持ったヒスパニック系住民から支持を伸ばしていた。LULACのハリス氏支持の表明はトランプ氏に逆風となる。
米リアル・クリア・ポリティクス(RCP)が集計した7月22日〜8月8日の世論調査の平均ではアリゾナでトランプ氏が48.3%、ハリス氏が46.8%で競る。ネバダでは7月15日〜8月8日にトランプ氏が47.7%、ハリス氏が44%で拮抗している。
ハリス氏は9日にアリゾナ、10日にネバダで選挙集会を開き、直接支持を訴える。
一計記事2024.08.10より引用