1日、ロンドンの首相官邸で警察幹部らと話し合うスターマー英首相(左から2人目)=ロイター
【ロンドン=江渕智弘】
スターマー英首相は1日、極右の扇動によるとみられる反イスラムの暴動の拡大を受け、警察幹部と緊急の会合を開いた。
記者会見で「法と秩序が崩壊した」と述べ、顔認証技術などを駆使した防止策に全国で取り組むと表明した。
7月29日、イングランド北西部サウスポートのダンス教室で女児3人が殺害される事件があった。
容疑者の少年を「イスラム教徒の不法移民」とする偽情報がソーシャルメディアで拡散し、30日にはサウスポートのモスク周辺で暴動が起きた。
31日にはロンドンの首相官邸前でも大規模なデモがあった。警察は極右団体「イングランド防衛同盟」の支持者らが一連の行為の背後にいるとみている。
スターマー氏は1日、警察幹部らとの会合後に新たな対策を発表した。顔認証技術の全国展開のほか、鉄道の切符販売データをもとに暴動が起きそうな場所を予測する。
2023年10月に始まったイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘をきっかけに、英国ではユダヤ人やイスラム教徒を狙った暴力や脅迫などの事件が増えている。
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