TSMCは半導体の受託生産で世界シェア6割を占める最大手(台湾南部・台南市の拠点)
【台北=龍元秀明】
半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が10日発表した6月の売上高(速報値)は、前年同月比32.9%増の2078億台湾ドル(約1兆円)だった。
生成AI(人工知能)向けなどに先端半導体の販売が好調で、同月としての過去最高を更新した。
TSMCの売上高は1月に前年同月比プラスに転じて以降、6カ月連続でその月としての過去最高を更新している。5月比でみると6月は9.5%の減収だった。
速報値を基に計算すると、2024年4〜6月期の売上高は前年同期比40.1%増の6735億台湾ドルとなった。
TSMCは4月時点で、4〜6月期の売上高(米ドルベース)が中央値で前年同期比27.6%増になるとの予想を示していた。
TSMCは半導体の受託生産で世界シェア6割を占める最大手。米アップルや米半導体大手エヌビディアなど米国のIT企業が顧客の7割ほどを占める。生成AI向けの半導体で急成長するエヌビディアからは主力製品の生産を独占的に請け負っている。
TSMCは7月18日に4〜6月期決算の発表を予定している。幹部らが業績の詳細や今後の展望について説明する見通しだ。
業績好調を見込んだ証券会社の目標株価引き上げなどを受け、台湾株式市場ではTSMC株が史上高値圏で推移している。
10日には終値ベースで1045台湾ドルと最高値を更新した。年初からは7割以上上昇している。