共和党の副大統領候補のJ・D・バンス上院議員㊧
米大統領選挙の共和党副大統領候補に指名されたJ・D・バンス上院議員が女性らから猛烈な批判を浴びている。
過去にハリス副大統領ら出産経験のない女性らを「この国に直接の利害関係を持っていない」などと中傷した映像がSNSで掘り起こされた。
発言は2021年に保守系FOXニュースで右派評論家タッカー・カールソン氏の番組に出演した際のもの。ハリス氏らを「子供のいない猫好き女(childless cat ladies)」と呼んだ。
「cat ladies」には飼い猫だけを愛し、社会から孤立する変わり者といった侮蔑的な意味合いが込められることが多い。
バンス氏はハリス氏のほか、民主党左派のオカシオコルテス下院議員、同性愛を公言するブティジェッジ運輸長官を名指しして「自分の人生と自分の選択に惨めな思いをしている」「民主党の未来は子供のいない人々に支配されている」と攻撃した。
民主党大統領候補への指名が固まったハリス氏は、弁護士のダグラス・エムホフ氏と結婚しており、エムホフ氏の2人の連れ子の継母でもある。
エムホフ氏の前妻は米CNNに対して「(バンス氏の批判は)根拠がない。私たちはともに子育てをしてきた。彼女は愛情深い」などと述べ、ハリス氏を擁護した。ブティジェッジ氏もパートナーと21年に迎えた養子を育てている。
ハリス陣営は「バンスが(共和党の)副大統領候補に選ばれてからまだ1週間しかたっていないが、すでに史上最も人気のない副大統領候補として歴史に名を刻んでいる。トランプ(前大統領)とバンスが女性の自由を引き裂く」と批判した。
女性の反発は激しい。猫好きで知られる人気歌手、テイラー・スウィフトさんのファンが一斉に反発し、SNS上で「支持する大統領候補をまだ決めていない『子供のいない猫好き女』ほど怖いものはない」などと怒りの声を上げた。
猫好きで知られる人気歌手、テイラー・スウィフトさん=ロイター
米メディアによると、人気俳優で不妊治療の苦しい経験を公言してきたジェニファー・アニストンさんも25日、「米国の次期副大統領候補からこんな発言が出るなんて本当に信じられない」とSNSに投稿した。
インド系の夫人と3人の子供を育てているバンス氏は支持層の宗教保守派に同調し、人工妊娠中絶に反対する強硬発言を繰り返している。一方、ハリス氏は共和党が政権を奪取すれば生殖の自由や女性の権利を後退させると批判を強めている。
出産経験がないことを中傷するバンス氏の発言には保守層でも眉をひそめる向きがある。大統領選の勝利に欠かせない無党派層への支持拡大の可能性を断つひと言になりかねない。
(ワシントン支局長 大越匡洋)
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
SNS上はまさにバンス氏批判の大波一色ですね。
子どものいる母親たちも批判しています。
現在は、特にジェニファー・アニストンの批判ポストが象徴的に扱われています。
4日前、「人口の3割を切った白人・男性を代表するトランプ・バンスに対して、ハリス陣営が残り70%の代表としてガラスの天井に挑む構図にできれば面白くなる」と書きました。
が、子供のいない女性の(よって必然的にそのパートナー達の)人生を「惨め」と言い切った副大統領候補の出現で、ハリス側が代表する人々は70%どころではなくなる可能性がありますね。
白人男性の多くがバンス氏の世界観を受け入れるとは、到底思えないためです。
バンス氏の著書「ヒルビリー・エレジー」を読むと、同氏のハリス氏らに対する中傷は思いつきではなく、生い立ちから形づくられた強固な価値観に根差していたと思わざるを得ません。
バンス氏を育てた祖母の13歳での出産から始まり、母、バンス氏の少年時代まで続く壮絶な家族の人生と家族への愛が、同氏に出産至上主義ともいうべき意識を植え付けた可能性があると思います。
3年前の中傷であってもバンス氏はこれから選挙戦を通じて激しい批判を受け続けるでしょう。
同氏は発言を撤回し謝罪するかもしれませんが、中傷の根源の価値観は今後も変わらないのでは。改めて米国社会が抱える深い断絶とその克服の難しさを意識させられました。
ハリス副大統領が大統領選のバトンを受け取った際、共和党のバンス副大統領候補への対抗を考慮して「ハリス氏が選ぶ副大統領候補は白人・男性が有力」とコメントしました。
しかし、ハリス氏が大統領選を「過去と未来の戦い」と位置付けている様子を見て、「なぜ男女である必要があるのか」「なぜ女性の大統領候補と副大統領候補ではダメなのか」と問い直しています。
副大統領候補の選定も伝統的な選挙戦略を超えるかもしれません。
社会保障や税財政、金融政策などの政策過程を霞が関、永田町で取材。経済産業省キャップを経て2012年から4年間、発足したばかりの習近平政権下の中国を北京から取材し、重慶支局長も兼務。1面連載のデスクなどを経て21年4月からワシントン駐在。単著『北京レポート 腐食する中国経済』(2016)、共著『アフター2024 米中最後の攻防』(2023)。
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日経記事2024.07.26より引用
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盤巣を副大統領候補に指名したトランプの大ミスでしょう。 最初から多くのメディアや政治家たちも言っていました。
トランプも口は悪いがユーモアと可愛げがありますが、バンスはユーモアのセンスが全くなく可愛げも全くない。 特に日米関係で同盟国の日本を、公式な場で、真顔でボロクソに非難したのには呆れました。 本人はトランプの真似をしようとしていたのでしょうけど。
挙句の果ては、今回の選挙で、最も敵に回してはいけないテーラースイフトのファンたちを激怒させてしまった。 マジでトランプがコイツのせいで落選するかもしれない。
それと、物事、言っていいことと言ってはいけないことがあります。
本当にアホネ! 『馬鹿とユーモアセンスのないオッサンは、死ななきゃ治らない!』
『何事も失敗の原因の本質は無知。 そして根拠なき思い込みと、根拠なき楽観!』
Renaissancejapan
まさか、副大統領候補の政治家が分かっていないとは、小さな男よのう。ミジンコ。w