10日、ワシントンで会談した韓国の尹錫悦大統領(右)とフィンランドのストゥブ大統領(聯合・共同)
【ワシントン=藤田哲哉】
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は10日、チェコ、オランダ、スウェーデン、フィンランドの4カ国首脳と新規の原子力発電協力などをめぐって相次いで協議した。
チェコのパベル大統領との会談では、チェコの新規原発4基の入札結果が7月中に出ることを踏まえ、原発受注に関して意見交換した。
チェコ政府は2023年10月、欧州連合(EU)の環境関連の目標達成に向けたエネルギー計画を決定した。
原発の新設などで発電量に占める原子力の割合を30年までに4割、30年代に6割に拡大させる方針だ。
尹氏は「チェコが推進中の新規原発に対しては、韓国企業が世界最高水準の施工能力、価格競争力を備えている」と訴えた。
パベル氏は直接的な言及は避けつつ「既存の協力分野を超えて、デジタル、サイバー、電気自動車のバッテリー、鉄道、先端技術などの分野での協力拡大を希望する」と表明した。
オランダとフィンランドも追加の原発導入に向け調査しているほか、スウェーデンも45年までの追加導入の検討に入る。
欧州のこうした国々で原発建設が相次ぐ背景には、ロシアによるウクライナ侵略でロシアからのガス供給などに懸念があるほか、脱炭素化と経済成長の両立を目指すには原子力の利用拡大が必要になっているとの判断がある。
日経記事2024.07.11より引用