ニデックは2日、富士通の光伝送装置に水冷モジュールが採用されたと発表した。
光伝送装置はデータセンターなどに設置し光通信を担う装置で、水冷にすることで消費電力を削減し、装置を小型化できるという。
ニデックは人工知能(AI)サーバー向けの水冷モジュールに力を入れており、IT(情報技術)機器向けに供給先を広げる。
富士通の光伝送装置「1FINITY」の高性能モデルである「T900」と「T950」に水冷モジュールを供給する。
光伝送装置はデータセンターなどから光ファイバーで高速大容量のデータを送受信する際に使うが、ファンを使う空冷式が一般的で水冷式は世界初だという。
水冷モジュールの採用などで装置を小型化し、消費電力を最大で5割減らせるという。
水冷モジュールは配管に冷却水を循環させてサーバーなどのIT機器を冷やす。
AIサーバーで使われる画像処理半導体(GPU)は大量のデータ処理で高温になる。水冷式は冷却効果が高い半面、水漏れのリスクが課題だ。ニデックはモーター関連の精密加工技術を生かし、米サーバー大手のスーパー・マイクロ・コンピューターとAIサーバー向けの冷却装置を共同開発し、2022年に量産を始めた。
ニデックは水冷モジュールを主力事業に育成している。データセンター需要の急増を受けて生産能力を25年3月期中に月3000台と1年間で15倍に引き上げる計画だ。
25年3月期の関連事業の売上高は数百億円規模になる見通しだ。