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アメリカに少しでもいらっしゃる方は、この二つのケーキの名を聞いたり、あるいは食したかもしれない。一つはトマトスープ缶(キャンベル)を使ったスパイスケーキ、一つはまるで日曜学校の先生が子供達に出すかのような、宿題や、おさらいとなりそうなケーキである。どちらもスパイスケーキで、どちらも子供のランチボックスに、おやつとして、一切れ入れてあげたいものである。作り方は簡単で、それほど材料を揃えるのに苦心せずにすむ。
*計量は、アメリカ標準
ミステリーケーキ・トマトスープスパイスケーキ
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1978-9月号の”Great New England Cook”のDorothy Oliveira(マサチューセッツ州リホーボス)によって最初に紹介された、とするが、私が初めて出会ったのは、1975年頃で、それより以前にこのレセピを持っていたのは、テキサス州出身のジャッキー・ベックバーという女性である。彼女が風邪を引いていた私の為に、作ってくれたのが、トマトスープスパイスケーキである。
調べると、このケーキは、大恐慌後の1930年代に遡るらしい。このケーキは非常にありがたがれたのは、大恐慌後のアメリカで、とても少ない量のバターや卵が必要とされただけだったからだそうである。このケーキの風味は、全くトマトの味もせず、スパイスの暖かな風味とレーズンの甘味で、アイシングを使わずとも、スナック・ケーキとしても重宝し、あるいは、簡単なアイシングをかけてドレスアップもできる。
このケーキは、1942年当時の高名なフード評論家Mary Frances Kennedy Fisher(メリー・ケリー・ケネディ・フィッシャー)をして、「これは、愉快で、保存がきき、何がミステリーで、何が秘密の材料なのか人々を思案させます。。。小さいけれど、内に秘めた楽しさを持ち合わせています。」と言わしめた。
材料
- 大匙4 柔らかくしてある無塩バター
- 1カップ グラニュー糖
- 大き目の卵 1個
- Campbell キャンベルの濃縮トマトスープ 1缶(10 3/4オンス)*キャンベル製が好ましい。
- 小匙1 ベイキング・ソーダ(重曹)
- 小匙1/2 ベイキング・パウダー
- 1-1/2 カップ小麦粉
- 小匙1より少な目の挽いてあるクローブ
- 小匙1のシナモン
- 1/2カップ レーズン
作り方
- オーブンを350℉(摂氏176度少し)に予熱する。9”の円型ケーキパンをクッキングスプレイ(あれば。なければ、従来のケーキ型の準備をする。)パーチメント紙(日本では、クッキング・シート?)をケーキ型の底に敷き、スプレイをもう一度する。バターと砂糖を大きなボールに入れて、クリーム状になるまで混ぜる。卵を入れて、よく混ぜる。
- ベイキング・ソーダ(重曹)を、水で薄めていないスープの入った缶に入れて混ぜ、一分間泡立てる。それをバター/砂糖/卵の混ざったボールに入れる。混ぜた物は、固めになっていることもあるが、それは正常である。
- 小さなボールに、小麦粉、ベイキング・パウダー、そしてスパイスを入れる。よく混ぜてから、上記のスープの混ざった物に入れる。全ての材料の入ったボールを(ミキサーの)ミディアム・スピードで、1分間よく混ぜ合わせる。用意してあるケーキパンに流し入れ、30-35分間すでに予熱してあるオーブンで焼く。ワイヤーラックの上で、冷ます。アイシングをしたければ、作る。あるいは粉砂糖を上にふりかけてもよい。
Scripture Cale 聖典ケーキ
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Scripture Cake(聖典ケーキ)は、「聖書ケーキ」、「旧約聖書ケーキ」そして「櫓(ろ=オール)と錨(いかり)聖典ケーキ」とも呼ばれている。19世紀後半に、とても人気のあったケーキで、特に合衆国の南部アパラチア住人達にはたいへんに好まれていた。少女達にベイキングと聖書の節を教えるという意味があったようだ。
古いレセピの一つは、1897年6月27日発行の新聞「アトランタ・コンスティテユーション」(現The Atlanta Journal-Constitution)に出ている。しかし、調査員によると、1700年代後期の英国やアイルランドに、このケーキに関する参考文献があるとしている。他の調査員は、合衆国第四代大統領(1809年-1817年)のジェームス・マディソンの妻、ドリー・マディソンが好んだケーキだと言っている。
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Dolly Madisonも大好きだったスクリプチャーケーキ
このケーキには多くの少しづつ異なったレセピがあるが、おそらく一番良いと思われるのは、1897年ヴァージニア州ダンヴィルのエピファニー教会の婦人達が出版した”"Key to the Pantry"「パントリー(食品貯蔵室)の鍵」にあるものだ。下のレセピは、聖典の節とそれが意味する材料の名をつけてある。
材料
- 3/4カップ 士師記第5章25節=バター
- 1 1/2カップ エレミア書第6章20節=砂糖
- 5 イザヤ書第10章14節=卵、白身と黄身を分けておく
- 3カップ 濾したレビ記第24章5節=小麦粉
- 小匙3 第2列王記第2章20節=塩
- 小匙3 アモス書第4章5節=ベイキングパウダー
- 小匙1 出エジプト記第30章23節=シナモン
- 小匙1づつ 第2歴代誌第9章9節=スパイス各種:ナツメッグ、ジンジャー、オールスパイス
- 1/2カップ 士師記第4章19節=ミルク
- 3/4カップ 切り刻んだ創世記第43章11節=ナッツ
- 3/4カップ 細かく刻んだエレミア書第24章5節=イチジク(乾燥したドライフィッグ)
- 3/4カップ 第2サムエル記第16章1節=レーズン
- 創世記第43章11節 飾りに =アーモンド
4クオーツ容量のミキシング・ボール、あるいは電動スタンド型ミキサーのボウルに、バターと砂糖をいれて、クリーム状に軽く、ふわっとする程度まで混ぜる。(勿論古き時代には、伝道ミキサーなどは存在しなかったが。)
卵の黄身をひとつづつ泡立て、それから次の黄身を足す。
小麦粉、塩、ベイキングパウダー、シナモンと他のスパイスを混ぜて、ふるいにかけておく。
小麦粉ミックスをバターと卵の混ぜ合わせた物に入れ、小麦粉がよく混ざるまでミルクと交互に混ぜ合わせる。
卵の白身を角が立つまで泡立てる: それを小麦粉とミルクの合わさった物に入れる。
切り刻んだナッツ、乾燥したイチジク、レーズンとそこに入れる。
バターやラードなどで薄く底や周りを塗り、小麦粉をはたいた直系10インチのチューブパンに流し入れる。
325度F(162.778度C)のオーブンで、約1時間10分ほど焼く。ケーキテスターを差し込んで、引き抜いた時になにも付着していなければ、出来上がり。パンごとワイヤ・ラックの上で冷ます。だいたい15分で、さかさまにラックの上に置き、パンから出し、ケーキを完全に冷ます。アイシングをしてもしなくてもよい。アーモンドをケーキの上に飾る。
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