ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

助けはすぐそこに

2018-02-05 | アメリカ事情

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 2018年度春学期が始まった翌日私の勤める大学の学士課程の女子学生が、亡くなった。警察によれば、自殺と言う。21歳。昨秋大学の比較的大きな奨学金(返済不要)を獲得し、学業にも奉仕活動にも活発にリーダーシップを発揮していた彼女だった。私のオフィスの入っている建物内のあるオフィスに学生アシスタントして働いてもいた。在りし日の写真を見れば、そこには前途洋々、将来の成功が見て取れるような笑顔と溢れんばかりの若さ。自殺に至った原因は、おそらく人間関係それも恋愛関係だったと言われているが、私は話したことも会ったこともないのに、悲しみで胸が塞がれた思いである。

 

彼女の話を聞く友人や家族やキャンパスのあらゆるカウンセリングサーヴィスが、あったのに、ひとつも利用されることなく、彼女は一人淋しく寒い冬の日、命を絶った。彼女の家族や親友は、理解できずに非常に苦しんでいる。何故話してくれなかったのか、どうして助けを求めなかったのか。彼女ほどの知能と知識からして、助けがそこにあったのを知らなかったとは思えない。本当に防げなかった悲劇なのか、とキャンパスの誰もが問う。花のように美しく咲き誇っていた彼女が、ある日突然絶望の暗い淵に立ち、そこから身を投げるなど、そんな理不尽なことがあっていいのか、と。若い命がこうして実を結ぶことなく散ってしまうのは、どの親でも親でなくともあまりの切なさにやるせなくなる。

 

人知れずに底深い悲しみと苦闘を持つ若い人は、彼女だけではない。それが多くの若者が通る「生きる事への疑問」だけではなく、様々な足枷がそれぞれにある。そうしたもつれにもつれた苦しみの糸をほどくために、多くのサーヴィスがある。心理分析医や、自殺予防ライフラインがいつでも彼女を歓迎し、じっくりと話しを聞き、解決にむけて一緒に歩いてくれたのに。決して一人で悩むことはなかったと手遅れになる前に、気づいてくれてほしいと切に願う。

 

 

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私はカウンセラーではないし、自殺予防センターで奉仕した経験もない。おそらくほとんどの方はそうだろうと思うが、それでも私達にできることはある。日本の厚生労働省のウエッブペイジには、「あなたにも出来る自殺予防のための行動」というのがある。ここをクリック。 そこには、簡潔にできることがリストされている。

1)気づき: 家族や仲間の変化に気づいて、声をかける

  • 発言や行動の変化や体調の変化など、家族や仲間の変化に敏感になり、心の悩みや様々な問題を抱えている人が発する周りへのサインになるべく早く気づきましょう。
  • 変化に気づいたら、「眠れていますか?」など、自分に出来る声かけをしていきましょう。
2)傾聴: 本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける 
  • 悩みを話してくれたら、時間をかけて、できる限り傾聴しましょう。
  • 話題をそらしたり、訴えや気持ちを否定したり、表面的な励ましをしたりすることは逆効果です。本人の気持ちを尊重し、共感した上で、相手を大切に思う自分の気持ちを伝えましょう。
3)つなぎ: 早めに専門家に相談するよう促す 
  • 心の病気や社会・経済的な問題等を抱えているようであれば、公的相談機関、医療機関等の専門家への相談につなげましょう。
  • 相談を受けた側も、一人では抱え込まず、プライバシーに配慮した上で、本人の置かれている状況や気持ちを理解してくれる家族、友人、上司といったキーパーソンの協力を求め、連携をとりましょう。
4)見守り: 温かく寄り添いながら、じっくりと見守る
  • 身体や心の健康状態について自然な雰囲気で声をかけて、あせらずに優しく寄り添いながら見守りましょう。
  • 必要に応じ、キーパーソンと連携をとり、専門家に情報を提供しましょう。
 
ライフライン:国際ビフレンダーズ 東京自殺防止センター(NPO法人)この他各県各市に同様のサーヴィスがある。
電話相談を「夜8時から朝6時まで」無料で受け付けている。必要に応じて面談も行う。
電話:03-5286-9090
http://www.befrienders-jpn.org/

 

アメリカ合衆国での場合: https://suicidepreventionlifeline.org/talk-to-someone-now/ 

National Suicide Prevention Lifeline at 1-800-273-TALK(8255)---Toll Free

 

出来るならば、こうした電話をかけなくて済むことを願うが、もし万が一のためにこの番号を携帯に入れておくなどしておくといつか役立つことがあるかもしれない。

 

自殺は私達の誰もが予防できる。

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