ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

四つの小話 #1

2018-02-25 | アメリカ事情

  Photo credit: By Aysezgicmeli/Shutterstock.com



肯定的な考え方や幸福をどんな小さなことからも感じると言うのは、積み重なれば、大した「財産」になる。誰も毎日毎晩面白可笑しく暮らしているわけではないからこそ、そんな積み重ね「貯金」があると、今日の勇気と明日の希望を持てるのではないだろうか。そんなことを書いた小話4編を今日から一日一つご紹介したい。あなたの考え方をちょっと変えるかもしれない、と作者の

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Baby_turtle.jpg

違いを作る

 毎週日曜日の朝、自宅近くの公園の辺りを軽くジョギングします。その公園の一角には湖があります。その湖近くをジョギングするたび、決まってある老婦人が、水辺に座っていて、その横に小さな金属製のケージを置いているのを見かけます。

この前の日曜日、私の好奇心が頭を持ち上げて、ジョギングを止め、彼女の方へ歩いて行きました。近づくと、その金属製のケージが、実際小さなものを捕らえるための仕掛け付でした。その中には無傷の三匹の亀が、底でゆっくりと動いていました。その婦人は四匹目の亀を膝の上に置いて、スポンジブラシで慎重に(亀を)洗っていました。

「こんにちわ」と私は声をかけました。「毎週日曜日の朝、ここであなたをお見掛けします。お気に触らなければ、あなたがこの亀となにをなさっていらっしゃるのか、知りたいのです。」

彼女は微笑み、「私はこの亀たちの甲羅をきれいにしているのよ。」と答えた。続けて彼女は言った。「甲羅の藻などの汚れは、亀の熱吸収力を低下させ、泳ぐ能力低下につながるの。そしてなにもせずに放っておくと、次第に甲羅を腐食させ、弱めてしまうのよ。」

「わー!それは本当にいいことですね!」と私は感嘆の声を上げた。

彼女は続けて、「私は毎週日曜日の朝の数時間をこの湖の傍らでゆっくり過ごしながら、この子達を助けているの。私風の奇妙なやり方ですこしでも世の中に違いを作ろうとしているのよ。」

「けれど、ほとんどの淡水亀は、藻類やなにかを甲羅の端から端に垂れ下げ、生涯を生きていませんか?」と私は尋ねました。

「ええ、悲しいことにそうするわね。」と彼女は答えた。

私は、頭を掻きました。「それならば、あなたの時間をもっと良いことに費やした方がいいとお思いになりませんか?そのう、あなたの御尽力は親切であるとは思うのですが、世界中の湖に生息する淡水亀の99%は、あなたがなさっていらっしゃるような甲羅をきれいにしてもらう親切を受けてはいません。悪気はありませんが、そうすると、このように限られた地域での御尽力は、本当に違いをもたらしているのでしょうか?」

その婦人は大きな声で笑いました。彼女は膝の上の亀の甲羅から最後の藻をこすり取り、言いました。「お若い方、もしこの小さな亀達が口を利けたなら、きっとあなたに言うことでしょうよ、わたしが世界に違いを作った、とね。」

教訓:人は世界を変えることができますーおそらく全てを一度に、ではなく、一人の人が日々一つの善行を、行っていけば。毎朝起きて、あなたは、違いを作るのだ、というそぶりを見せて。

(http://www.marcandangel.comからの提案)


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