ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

生ける時も逝く時も

2018-06-25 | アメリカ事情

 photo credit: Aleah Ingram

 

 

 

死は真の愛を遅らせることはできても止めることはできない。


約62年結婚した後、この夫婦は互いに同日1時間半以内に亡くなった。 彼らの感動的な話は、娘のDonettaによってFacebook上で共有された。以下はその娘さんの話。



Credit: Donetta Nichols

 

 

私の両親の人生は感動的でさえありました。約62年間結婚していて、2017年4月21日に1時間半以内でそれぞれが相次いで亡くなったのです。私の父は午後5時46分に亡くなり、母は午後7時14分に亡くなりました。二人は何年にもわたって何度も二人で一緒に天国に行きたいものだ、と望み、よく話していたもので、それを聞いていた私は、いつもそれがどれほど素晴らしいことか思っていましたが、それが本当に起こったのでした。私たち残された家族の悲しみは深いのですが、ふたりが望み通り 一緒に逝くことができ、それがたいへんな祝福であるとさえ思えます。 私の両親の人生は3つの単語で表わされます:信仰、家族、そして幸福!


 

Credit: Donetta Nichols

 

 

1955年、私の両親はフロリダに住む二人に共通な友人を通して知り合いました。フロリダには、父は空軍軍人として駐留していたのです。 父が車を別の駐車場に移動させようとした時、後に私の母となる彼女は、彼と一緒に車に乗りましょうと言いました。 父は、駐車場を回り、いくつかの街区を通りすぎてから、母の手を取り、彼女の頬にキスをしたのですが、彼は、何でそうしたのか分からないと言っていました。母はその時、父が「ちょっとことを急いているのかしら、この人は」と思ったそうです。 しかし、三週間にわたって、一緒に近くの湖の周りを歩いたり、その間に、幼少時代から現在までを話しあった後、両親は1955年6月19日に結婚しました。 両親は二人とも農場育ちで、どちらも決して裕福な育ち方をしたわけではありませんでした。 父はアーカンソー州出身で、母はネブラスカ州の出身でした。 父が、ダウケミカルに就職した1956年に二人はテキサス州に引っ越しました。 姉は1956年12月に生まれ、1958年1月に私が生まれました。



Credit: Donetta Nichols

 

 

私たちの人生で、両親はいつでも私たちの言動や計画をそれが良いか悪いか、難しいか、あるいは容易なことか、を示唆しながら支えてくれました。高校時代、私達姉妹は、ドリル・ティーム*に属していましたが、母は、一回たりと、放課後の練習を見逃したことはありませんでした。フットボール試合のハーフタイム演技で私達がどこにいるか知りたいのでした。 父はシフト制の仕事をしていましたが、1つのゲームも見損じることはありませんでした。 二人ともお互い、子供、孫、そして曾孫のために完全に献身的だったのでした。 家族を思い、支えるのが二人がするすべてでした。(*Drill Teamドリル・ティームとは、スポーツなどで、自軍チームの応援のために厳しく、正確に訓練された行進や体操などの模範演技を見せるチームのこと。)



Credit: Donetta Nichols

 

 

EMS(緊急医療班・隊)が父を病院から連れて帰ってくれた時、父が最初にしたことは、母の手を彼の手の内に入れることでした。翌日二人一緒に旅立った時も二人は手をつないでいました。 その時から二人は決して離れさせられることはなかったのです。葬儀社でも二人は一緒で、二重のお葬式が執り行われたのでした。



 

Credit: Donetta Nichols

 

 

二人が天国の門に手をつないで入っていったのだと思うと、別れの痛みをさほど感じませんでした。それが私たちの家族を守り続けていく力なのです。 私たちはこの二人をとても愛していましたから、やがていつか再会できることを知っています。



Credit: Donetta Nichols



*****


先日隣人の一人娘さんの結婚式に招かれて夫と行ってきた。その若い花嫁は、清楚で、清潔で、本当にすがすがしく、その花婿も同じようにいままで信仰を大事にして、遊び回るようなことのなかった純粋な青年である。私達とは宗派の異なる教会の牧師が、花婿の祖父母宅の庭園で結婚式を行ったのだ。二人とも同じ信仰をこれからも大事にし、これから立派な家庭を築いていくことは誰の目にも疑いの余地はなかった。披露宴で花嫁の父親が、彼の家族には、長い間結婚生活を大切にしてゆく”習慣”があり、それを踏襲していくだろう娘たち夫婦を祝福した。現に花嫁の父親の両親は、72年間ずっと結婚して、つい最近父親が、そして数日のうちに母親が、相次いで亡くなったのである。真に愛し合い、尊敬しあい、互いを思いやり、相手を自分よりも大切にする夫婦は、一人が亡くなると、二年経つか、経たないかで、残された一方も亡くなると聞いたことがあるが、まさにその例にぴったりと、あてはまったご夫婦だったようである。この広い世界でめぐり逢い、縁があって、結婚したお二人。なんでも使い捨てのでき、婚姻関係さえ、そうなる今日、そうした愛の在り方が、心に残るし、夫と私も見習いたいと心を新たにした。



コメント (4)
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