ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

芝生が生えた今

2017-07-26 | アメリカ事情

義兄の妻は、私より一つ上で、二年ほど癌を患い、あちらこちらに転移が始まり、それでも新しい治療法をメイヨークリニックで始めるという矢先、力尽きたように、逝ってしまった。おととしの九月末だった。カリフォルニアの山の中の新しい家に移り、大きな窓のあるファミリールームのゆったりとしたカウチに座って、家族と話しているうちに、そのまま穏やかに息を引き取った。

義兄はアメリカ空軍でLieutenant General(中将)で数年前にリタイアし、引退後を夫婦ふたりで、楽しく過ごすと計画していたが、義姉の癌はアメリカで二症例目と言われる、非常に珍しくまた進行の早い癌だった。六人目の子供が生まれる前から大学へ戻り、修士課程を終え、教師になった義姉は、空軍人の夫を支え、世界中転勤になるたび、その任地を詳しく調べ上げ、精通していたものだ。六人の子供達を立派に育て上げ、末息子が結婚して一年後のことだった。

そんな義兄が昨日夫に電話してきて、同じく伴侶が病死した女性と婚約した、と伝えた。熟年結婚は来年の二月になるという。

この九月でやっと二年。少し早いかなあとお節介に思ったが、お墓にはもう芝生がすっかり生えそろっている。義兄の幸せを夫と共に願う私だが、私は今はない義姉に思いを馳せる今日一日だった。

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