ちぎれ雲

熊野取材中民俗写真家/田舎医者 栂嶺レイのフォトエッセイや医療への思いなど

人に注意するのは度胸がいるのだ

2011-03-27 | 心理

 大学病院の1階ロビーフロアには、3~4人掛けの丸テーブルがいくつか置いてあります。スタバでコーヒーを買ってその丸テーブルで一服するのが、私も楽しみの一つです。テーブルはいつもいっぱいで、「相席いいですか?」「どうぞ、私どもはすぐ立ちますから、ごゆっくり」「いえいえ、私もすぐ済みますから、どうぞごゆっくり」、こんな会話が日常の風景となっています。

 相席のご夫婦が席を立った後、一人でコーヒーをすすっていると、すぐ目の前の別のテーブルに、スタバのお盆をかかえた中学生くらい?のお兄ちゃんと若いお母さん?の親子がやってきました。実はそこは優先席で、車椅子マークの立て札が置いてあるのです。するとお兄ちゃん、他のテーブルを見回すなり、怒ったような口調で、
「みんな一人で座ってるから、悪いんだ」
 そう言って、「優先席」立て札を足下の床の上に下ろして、座ってしまいました。お母さん?も苦笑いしながら着席。
 私が「んー」と思ったのは、優先席に座ったことよりも、「相席しないで1テーブルに1人で座っている他の人たちが悪い」という他人を攻撃するような能書きをたれたことですかね。そんなに相席しないのが悪いと言うなら、それぞれのテーブルには明らかに2個か3個の椅子が余っているんだから、キミが率先してその人たちの所に相席しに行けばよい。私の目の前だったので、思わず「ここ相席どうぞ~」って言おうとしたのですが、なんとなく言いそびれてしまった。飲食するテーブルの上の立て札を、病人が土足で歩き回る床の上に置いてしまったというのも、私はちょっとイヤだったかも。
 それで、コーヒーを飲み終わって席を立つ時に、その親子のテーブルの所へつかつかと行って、足下に置かれた「優先席」立て札を拾い上げ、自分が立って空席となったテーブルの上にポンと置いてその場を出てきました。
 
 ・・って、ここまではとってもスマートでよかったと思うんだ(笑)
 ところが、それが私にはものすごーい緊張だったらしくて、手がぷるぷる震えてるの! うひゃー。
 その日は私は患者として病院にいて、処置をしてもらう日だったんだけど、体温や血圧を計ってもらっていたら、血圧が186/106にも上がっているではないか!(いつも130/80くらいです・・) 処置が始まっても血圧が下がらなくて、主治医の先生は笑いながら「そういうのは勇気が要るもんねえ。じゃあ、さっさと麻酔をかけちゃった方がいいね」
 というわけで、さっさと麻酔をかけられました。きゅう。
 人に何か注意をするのは度胸がいるのだ。
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2 コメント

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コミュニケーション (JOJOママ)
2011-03-31 00:47:33
Reiさん、かわいいって思ってしまいました。ごめんなさい。
今は地域振興課の非常勤なのですが、前職が地区センター(横浜版公民館+児童館)の副館長だったので、普通の人がよけて通るような悪ガキ中高生に「最近どうよ?学校行ってる?」と声かけしたり、注意したりが日常だったんです。まあ、殴られたりしたこともありますが...
でも、そういう事が平気な私はどんどん言っていかなくちゃ!って感じました。人には得手不得手がありますから。
Reiさんは知床開拓スピリットの第2弾を頑張ってください。第2弾の文字を見て震災以来落ち込んでいた心が少し上向きになりました!
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意外と気が小さかったです(笑) (Rei Tsugamine)
2011-04-09 01:50:37
 御礼大変遅くなってしまいすみません。
 ふだん患者さん相手にガシガシ言ってるくせに、自分も一患者になったら意外に気が小さかったです、お恥ずかしい限りで(笑) それにしてもJOJOママさんはいろいろやっていらっしゃるのですね、声かけるだけでなく、悪ガキたちからいろんなコミュニケーションを引き出していらしたことと想像します。

 知床開拓スピリットは、膨大な量の取材テープを、皆さんの方言や喋り方をそのまま生かしたかったので、できるだけ忠実にテープ起こし(文字起こし)し、それに○か月かかり(しぬかと思いました(笑))、それを今度は、読みやすい文脈になるようにつづめている、というのが現段階です。遅々とした進行ではありますが、知床の当時を知らない人が読んで目からウロコとなってもらうのが目標です。
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