北原鈴淳 琴古流尺八教室 in八王子

尺八の音色は心を癒してくれます。

演奏すれば「無」の境地になれ、演奏が終われば満足感、充実感が得られます。

終わった人

2023-04-19 16:29:27 | 随想

図書館から借りた内館牧子の「終わった人」を読み終えた。

読んでいるとまるで自分が主人公のようだ。田舎出身で上京し、大学卒業後就職、結婚して定年過ぎて妻とぎくしゃくして、「卒婚」で田舎に帰るストーリーである。

これは以前映画で見たので興味があった。
主演は田代壮介を舘ひろし、妻の千草は黒木瞳である。舘ひろしが面白可笑しく演じていたのが、印象的だった。

映画は会社勤めを終わった田代が会社で花束をもらい、タクシーで送ってもらうシーンで始まった。
盛岡出身の田代は東大を出て、大手の銀行に勤めた。やがて出世コースを外れ、関連会社に異動になり定年を迎える。一方妻は美容院で働き、やがて独立店舗を構える。

田代は自宅に帰って妻に「これからゆっくり温泉でも行こう」と言ったが、妻には忙しいからと断られる。

毎日が日曜日になり、図書館や公園に行ったが年寄りばかり。昼はコンビ二の弁当で済ませる。職安に行ったり、スポーツジムにも通った。そこで知り合ったのが若い会社の社長で話をしていると、顧問に来てくれませんか?と言われる。

ストーリーを全部書くわけにはいかないから割愛する。ネットで調べれば全て分かる。
原作の内館牧子がスポーツジムで婆さん達と映っていたのが、ご愛敬だ。
しかし、内館が会社の資金の借り入れや融資、返済、医学的な事など事細かに書いてあったのが感心する。もちろん巻末にお世話になった人として、会計士や医者などの名前を上げてお礼を述べていた。

借りた本は2週間が限度で返却する。都合で図書館に行けなかったが、幸いめじろ台の郵便局外に返却用の箱があり、当日に返却した。その3日後図書館に行ったので、確認したらもう本棚にしっかりあった。返却日のしおりを挟んだまま返却したので、手に取って見たところ挟んだままだった。しおりはさりげなく持ち帰った。

図書館でもう一つ面白いのを見つけた。これも映画化された「老後の資金がありません」だ。垣谷(かきや)美雨原作。

たまたま川端康成の本を探している時に目に入ったのだ。
早速、図書館内で読みだしたら、映画のシーンが浮かんでこれは面白かった。20ページ読み、休憩で近くのコーヒー店へ行って戻って来たら、もうこの本が無い。
その後、何回も図書館に行っているが無い。3月11日に見つけたのが最後で、ずっと無いのだ。

ところがやっと4月8日に図書館に行って先ず本棚を覗いたら、奇跡的にあったのだ。
すぐに借りた。やぁ面白い。もう笑ってしまう。
映画では「天海祐希」が主演だった。娘の結婚式費用だとか、舅の葬儀の費用など、かかる事。

余りにも面白かったので、妻も同時に読みだした。それぞれ「しおり」を挟んで読んだのだが、妻は「斜めに読む」と言って早い事。
2人で競争で読んで6日目には、図書館に返却してしまった。