北原鈴淳 琴古流尺八教室 in八王子

尺八の音色は心を癒してくれます。

演奏すれば「無」の境地になれ、演奏が終われば満足感、充実感が得られます。

母の新盆と駒ケ根

2017-08-17 17:48:00 | 旅行
母の新盆のため、8月13日に八王子駅発11時30分の特急あずさに乗り、岡谷で飯田線の各駅停車に乗り継いで、飯田駅に15時49分に着いた。

4時間以上かかる程、飯田は都心から遠いのである。

通常は中央高速バスで行くのだが、お盆の渋滞を避けるため電車にした。私は気が早く、一ケ月前の朝7時前に自転車を飛ばして、西八王子駅まで予約に行ったのである。

その努力が実り、帰りもあずさに乗り無事に帰宅した。やはり中央自動車道は大変混雑したようだから、正解である。

新盆供養は17時30分から行われ、親類筋が15~16人集まり供養後は、酒が入った。
通常はあまり飲まない私も、ついビールに日本酒を飲んでしまった。

妻も一緒だったのでその夜はホテルに泊まり、翌日はせっかくだからと駒ケ根を見学することにした。

乗車券は3日間有効のため、八王子まで買って駒ケ根に途中下車をした。
飯田線は今では1時間に一本である。車掌が通常の10倍の乗車率だと言う。

若い頃、父親が連れて行ってくれた「光前寺」のひかり苔を是非見たいと妻が言った。

駒ケ根と言ったら千畳敷きカールである。しかしお盆の時期は大変混んでおり、ロープウェイは2時間待ちだと言う。何回か行ったし、子供を連れて混んでいる中、宝剣岳まで登ったこともあるので、今回は避けた。

「光前寺」までは不便なので、先ず駅前にいたタクシーを飛ばして「光前寺」に行った。
その丸八タクシーの運転手は親切に、駒ケ根と有名ソースかつ丼の分かり易いマップをくれて、それがすごく役立った。

あらかじめ調べていたとおり、「光前寺」の目の前の「やまだや保翁(やすおう)」で蕎麦を食べた。気が付いた方はおられますか。何故「やすおう」に行ったかを。
そうです。私は「やすお」です。その関係です。



ここでは私は「天ざるそば」をいただいた。天婦羅に何と「りんご」があって珍しかった。

レジ精算時に若主人に、私が「やすお」であることを言って、身分証明書を見せ、その関連性で「縁だからサービスは無いの?」と言ったら、笑って「それは無いですね」と言下に断られた。

道路をはさんで、光前寺はある。



先ずは光前寺の仁王門。参道は修理中。



参道の石垣には「ひかり苔」が光って見える。分かるかな?



参道は立派な杉並木となっており、ここは参道の脇道だが、一面に苔が生えている。



ここは本堂。
正式名称は天台宗 別格本山 宝積山 光前寺とある。不動明王をまつる。
天台宗の本聖上人が清和天皇貞観2(860)年に開基した。

光前寺には「霊犬早太郎伝説」がある。小学生の時、学芸会でこの早太郎の物語を見たことがある。

光前寺を後にして、駒ケ根高原散歩マップにより、ホテルまで散歩することにした。

どんよりとした天気の中、光前寺通りの道なりに進む。
やや坂道を上ることになったが、道路は自動車ばかりでほとんど人に会わない。
車は頻繁に通るので車道と歩道は明確に、ブロックで分離されている。

うっすらとした杉木立の中、登り始めて割とすぐだった。先頭の私は、とぐろを巻いた蛇を目の前に見つけて「ギョッ」とした。蛇の名前は分からない。
マムシか、ヤマカガシか、青大将か?しかし恐れながらも見ると死んでいて、ハエが群がっていた。

歩いて10分程度で旧竹村家住宅に着いた。
国指定の重要文化財である。



ここも以前親父に案内してもらったところである。
写真は長屋門で、その奥に主屋がある。肝心の主屋の写真が無いが、寄棟造の茅葺である。

主屋に入ると、そこが土間。右に、とおり、うまや、左側にいろり、台所、座敷がある。
江戸時代の中ごろの建築と思われ、上農の民家だそうだ。
現天皇が皇太子時代に、美智子さまと訪れた写真が飾ってあった。



左隣に駒ケ根郷土館がある。ここは駒ケ根市の旧市役所だったのを、移築した。
大正期の洋風建築で、今は民俗文化財を展示している。
両方見られて200円は安い。



さらに光前寺通りを登り切ったところに、「大沼湖」があり、静かな湖畔を少し散策して、今度は下り坂になった。

ほぼ下りきったところに「駒ケ池」があった。(写真)
何人か釣り人がいて、何を釣っていたのだろうか。何か釣れてびくに入れていた。

天気は曇っていて、やや疲れも出て来た。
タクシ-の運転手さんが言っていた「ソフトクリーム」の美味い所がもう近くだった。

そこは「味わい工房・すずらんハウス」で、「すずらんソフトクリーム」を購入した。250円。
これは昔、清里の清泉寮で食べたソフトクリーム同様、美味だった。



こまくさ橋はつり橋である。太田切川を横切るこのつり橋は結構揺れる。
全長146メートル。四国旅行の大歩危峡のかずら橋ほど怖くは無いが、まるで酔っているようで浮遊感があり、気持ちが悪かった。

こまくさ橋を渡り、2日目の宿「早太郎温泉・こまゆき荘」は近くだった。
曇り空だったが、どうやらぽつりとして来た時に宿に着いた。
ざっと2時間の散策で結構、疲れていた。すぐに風呂に入りたかった。



ここは一般の人も温泉に入れるところで、宿は2階に6部屋しかない。
ロッジ風の造りで、部屋は畳だった。

風呂はこじんまりしていたが、美肌の湯と言う訳で肌がつるつるになった。単純アルカリ温泉で41度に加温してある。

夕食はやはり風呂上りにビールだった。
刺身、茶わん蒸し、天婦羅、牛陶板焼き、ダイコン煮、うなぎかば焼き、キノコ入り炊き込みご飯を炊いた。

21時過ぎにバタンキュー。

翌朝は雨。朝6時半過ぎに風呂に入る。たった一人でゆっくり出来た。宿の水はやはり飯田より冷たかった。上手い水でこれで養命酒が上手く出来る訳である。(近くに工場があるが見学はしなかった)

この日は残念ながら終日雨だった。



帰りの駒ケ根駅発は12時半過ぎだからゆっくり出来る。
9時30分過ぎに宿を出る。太田切川の遊歩道を上流に向かって散策。結構の雨が降って来た。
駒ケ根橋上方向の、千畳敷きカール方面はガスっている。

太田切川は木曾駒ヶ岳を源流とする一級河川である。氷河が崩れて来たのか太田切川は、巨岩や割と丸くて大きい石がゴロゴロしている。下流は天竜川になる。

駒ケ根橋を右から左に渡り、今度は下流に向かって歩いて来た。
広い太田切川に並行して流れる、幅1メートル位の川があったが、水量が多く、坂になっているため、その流れが早いこと。仮に足を入れたらいっぺんに転んで、おぼれてしまいそうだ。




遊歩道の途中で見つけた東屋で休憩をした。その辺まで土石流が来たと表示されて驚く。
再び散歩で見つけたこの家は、古民家ウェディング「音の葉」だ。もう一度結婚式を挙げるならここが良いなあ。

昨日行った味わい工房に又来て、コーヒーで一息つく。
土産物店で、日本名水100選に選ばれた猿庫(さるくら)の泉の水を使用した、飯田の「猿庫の泉」なる純米酒を購入。これが美味いんだ。

この辺は菅の台バスセンターで広く、栄えている。
マップで見ると右方面に「キャンプ場」がある。思い出したが中学の時にこの「キャンプ場」に来て、テントを張って泊まった。クラス単位で来たと思う。

バスセンター近くを見学して、当初予定通り11時過ぎに有名な「明治亭登山口店」に入った。

もう店内は満席だと言われたが、ラッキーなことにテラス席はいくつか空いていた。
座った途端に、テラス席もあっと言う間に満席になった。

私の席のすぐ裏は川で、せせらぎ音が聞こえていた。
屋外なのに不思議に虫はこなかった。 



駒ケ根名物は「ソースかつ丼」である。
我々は「ヒレカツ御膳」にした。食べ出してから写真を思い出したから、これこの通り見るにはやや汚いがご免。

ヒレカツは美味かったが、量があったので私は3個食べて1個残し、パックをいただき、妻の2個も入れて持ち帰って夕食にした。

食べ終わると、もう長蛇の列だった。
菅の台バスセンターに向かって歩いている時にサイレンが鳴った。

何だろうと時計を見たら正午だった。
そうだ本日は終戦記念日で、立ち止まって黙祷をした。

菅の台バスセンターでは駒ケ根駅行きのバスは出た後だったので、タクシーを呼び、駒ケ根駅まで行った。行きに親切にしてくれた丸八タクシーでやはり、前と違う運転手でも親切に駒ケ根の話をしてくれた。

まだ時間はある。駅前のスーパーで駒ケ根の地元の酒「信濃鶴」やコーヒーゼリーを購入した。
駒ケ根駅発12時46分は2両編成のいっぱいの人で、やっとシルバーシートに座れた。
可愛らしい御嬢さんの浴衣姿も多く、考えたら諏訪湖で花火大会があったからだ。

岡谷ですぐ「あずさ」に乗り換えた。我々は一番前の車両で満席だった。甲府付近でコーヒーゼリーを食べ、満足した。
無事八王子に定刻の16時01分に到着した。

千畳敷きカールには秋紅葉の時期に来たいものであるが、やはり混雑するのがネックだな。