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マンションの防災について

2023年07月03日 | 社会・経済
近年は「50年に一度」あるいは「100年に一度」という規模の災害が毎年のように様々な場所で発生しています。
わが国においては、従来は「防災」という言葉は主として「地震対策」とイコールであると解されていたように思われますが、地球温暖化の影響により風水害による被害も大きくなるなかで、地震以外の災害への対応も必要であると考えられるようになってきています。もちろん、地震の活動も活発になってきているので、私たちも一定の確率で災害に遭遇する可能性は高まっていると考えるべきでしょう。ところで、大きな災害が発生すると、私たちの日常生活に影響が出ることに加えて、「住まい」も被害を受ける可能性があります。このようなことを考えると、私たちは、万が一の場合に対応できる備えをしておくとともに、災害が発生したときに、その被害を軽減できるような対応も考えておくべきです。最近は住宅としてマンションを選択する人がより増えています。その主たる理由はマンション生活の利便性が好まれていることだと思いますが、マンションの防犯・防災機能なども副次的に評価されているものと思われます。現実に、多くのマンションは、「鉄筋コンクリート造」あるいは「鉄骨鉄筋コンクリート造」という極めて堅牢な構造の建物となっているため、基本的には災害には強い建物であるとみなされています。特に風水害に対しては、浸水等で設備関係に被害が及ぶことはあっても建物の構造が深刻な被害を受ける可能性は高くないと考えてよいでしょう。しかしながら、建物本体に大きな問題が及ばなくても設備機器の被害があるときは、その復旧までは不便な生活を強いられることになりますし、そもそも復旧には時間も費用もかかります。また、大地震のような災害が発生すると建物本体にも被害が及ぶことは十分に考えられます。さらに、マンションが災害で被害を受けることになると、その復旧を進めるためには区分所有者の合意形成が必要となりますし、その手続きの中には通常の手続きと異なるものもあります。特に大都市部で大きな災害が発生して多くのマンションが被災するようなことになると、復旧等を進めるためには合意形成が必要となるのですが、これに対応できる人材はあまり多くありません。一般に「防災」を考えるときは、災害発生時点の安全の確保や周辺との助け合いの仕組みと、水や食料の備蓄等についての話が中心となります。しかしながら、建物が被害を受けると、その復旧についても準備が必要なことが少なくありません。ことに、マンションにおいては前述のように復旧には区分所有者の合意形成も必要となるので、これらの点を踏まえた準備が必要と思われます。

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