岸田首相は30日の衆議院予算委員会で、国連総会が緊急特別会合で採択したイスラエル軍とイスラム組織ハマスに「人道的休戦」を求める決議案を日本が棄権したことについて、「決議はハマス等によるテロ攻撃への強い非難や、すべての国連加盟国が国際法に従って自国および自国民を守る権利の重要性に関する言及がないなど、全体として内容面でバランスを欠いていると判断したために棄権した」と説明した。

その上で、「決議に含まれているガザの人道状況に対処するための重要かつ前向きな要素は我が国として支持できる内容だ」とし、カナダから提出されたハマスによるテロ攻撃と人質拘束を明確に非難する修正案については賛成したと説明した。

質問した共産党の宮本議員は、「ハマスの3文字がないだけで賛成しないなんていうおかしい話はない。アメリカが反対するものに賛成するわけにはいかないと棄権したのではないか」と追及した。

これに対し岸田首相は、「今回の中東情勢は大変微妙なバランスの中に存在する。決議の内容、全体のバランスがどうなっているかを総合的に判断することが重要だ」と述べた。