第二東京弁護士会の日隅一雄先生が昨晩永眠されたそうです。
NPJ日隅一雄編集長は、6月12日午後8時28分がん性腹膜炎で亡くなりま
した。
末期癌の告知を受けてからも病を乗り越えて発言と活動を活発に行ってきま
したが、12日から急速に容態が悪化し、本日ご家族と親しい友人たちに見守ら
れながら他界しました。
まだなにかを語りかけているような最後の表情が印象的でした。
暖かいご声援に心から感謝もうしあげます。
ありがとうございました。
2012.6.12 NPJ代表 梓澤和幸 事務局長 田場暁生
NPJとは、いわばインターネットジャーナルで、多数の評論家やブロガーの記事が転載されています。うちのブログもほとんど毎回転載されていました。
日隅先生は、もともとジャーナリストでもあり、情報流通促進計画by日隅一雄(ヤメ蚊)のブログはうちのお手本でした。記事はブロゴスに転載され、何度もランキング1位になっておられました。
ヤメ蚊先生(のほうが私にはなじみの呼び名です)は、2011年5月に,余命半年の告知を受けました。しかし、その後、『検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか』『「主権者」は誰か―原発事故から考える』を発刊されました。
ヤメ蚊先生のご著書
◇「主権者」は誰か――原発事故から考える (岩波ブックレット)
◇検証 福島原発事故・記者会見――東電・政府は何を隠したのか(岩波書店)
◇自由報道協会が追った3.11 (扶桑社)
◇マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか? 権力に縛られたメディアのシ
ステムを俯瞰する(現代人文社)
◇審議会革命―英国の公職任命コミッショナー制度に学ぶ(現代書館)
NPJ誌上でインタビュー連載も開始されたり、ブログ記事も都度都度更新されていました。
お身体の具合がどんどん悪くなっていっておられるのも、自らブログに報告されていましたが、ついこの間までブログ記事を更新されていたのに、本当に突然の死という感じがしてやりきれません。
ブログの表題もかつては、情報流通促進計画byヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)となっており、一応匿名だったのですが、本名に変えられたところにも、この混沌とした世界に自分の遺志を遺そうという覚悟を感じていました。
そんなヤメ蚊先生の最期を描いた「バッチとペンと~日隅一雄の闘い~」が、TBSのドキュメンタリー『報道の魂』で、来る6月17日深夜に放送されるとのことです。
死を覚悟されたうえで、この番組の製作に協力されていたのでしょう。
原発のこと、法律家のこと、ジャーナリズムのこと。少しでも関心のあられる皆様、是非是非是非、ご覧ください。
日隅一雄。49歳。弁護士。元新聞記者。そして末期がん患者。福島原発事故発生後、日隅一雄は東京電力の記者会見に連日出席して、事故を過小評価しようとする東電や政府の幹部らを質してきた。弁護士と記者、両方の経験を持つ日隅の質問は鋭く、汚染水の海上放出、低線量被爆問題など、市民生活に直結する問題について、厳しく情報開示を迫った。
そんな日隅が腹部に異常を覚えたのは震災から2ヶ月経った2011年5月末のこと。医師による診断の結果、胆嚢にできた悪性腫瘍が大腸に転移したいわゆる末期ガンの状態で、余命半年であることを告げられた。
運命を悟った日隅は決意する。東電記者会見を通して見えてきた、この国の有り様を世に問い、社会に問題提起してゆこうと。弁護士と記者、両方の経験を持つ自分にだからこそ出来る「ニッポンの総括」をしようと。
余命告知後も日隅は、体調の許す限り東電記者会見に出席し続けた。精力的に講演活動などもこなした。そして余命宣告の半年を過ぎた頃に『検証・福島原発事故 記者会見』『主権者は誰か』といった著書を次々に発表してゆく。
番組は、そんな日隅一雄に密着した記録である。法律家であり同時にジャーナリストである日隅が、時に弁護士バッヂをつけ、時にペンを持って活動する日々を追った。
ヤメ蚊先生の遺志を少しでも受け継ぐことをお誓いします。
2月、本紙インタビューに答える日隅一雄さん=東京都新宿区で |
昨年三月の東京電力福島第一原発事故直後から、政府や東電の責任を追及してきた元新聞記者で弁護士の日隅一雄(ひずみ・かずお)さんが十二日午後八時二十八分、入院先の東京都新宿区河田町八の一の東京女子医大病院で死去した。四十九歳。昨年五月、末期胆のうがんで余命半年と告知されていた。広島県出身。
京大卒業後、産経新聞記者を経て一九九八年に弁護士登録。第二東京弁護士会に所属。NHK番組改変訴訟や沖縄返還密約情報開示訴訟などに携わる一方、弁護士やジャーナリストらで設立したインターネット市民メディア「NPJ(News for the People in Japan)」編集長を務めた。
十二日に亡くなった日隅一雄さんは、弁護士として「表現の自由」や「知る権利」の実現に奔走する一方、ジャーナリストとして福島第一原発事故の問題を追及し、ブログなどで発信を続けた。東電や政府の記者会見に足を運んだ数は延べ百回以上に上る。
会見への出席は「市民に必要な情報がきちんと出ていない」との危機感を募らせたことが発端。既存のメディアにも問題を突きつけていた。
今年二月、東京新聞のインタビューでは「今は政策決定が官僚主導。『主権在官』になっている」とし、国民が情報を得にくい制度に問題があると指摘。「市民が情報共有して主権を行使できる社会にし、日本に実質的な民主主義を根付かせなくてはいけない」と強い口調で説いた。
一方で「今の記者はおとなしすぎる」と憂い、「官僚は常にメディアをコントロールしようとする。勝たなきゃだめだ」とも訴えていた。
今年一月に「検証 福島原発事故・記者会見」(共著)、四月には「『主権者』は誰か」を刊行。病をおして対談や講演に出向き、真の民主主義の実現に最期まで執念を燃やした。
東京共同法律事務所の同僚で前日弁連事務総長の海渡雄一弁護士は訃報に接し「日隅さんとは一緒にたくさんの仕事をした。本当によく働く誠実な人でジャーナリスティックな視点で訴訟に取り組んでいた」と話した。
「報道の魂」必ず拝見いたします。
ヤメ蚊さんの分まで、これからもこのブログを頑張っていただきたいです。
遺志を引き継ぐ大人が多いことを望み、心からご冥福をお祈り致します。
この『報道の魂』は関西では放送されているのでしょうか?
もしされているなら、
関西在住の家族、友人、知人に知らせたいのですが、、、。