『踏みとどまった社民党 「老舗」の弱点と長所 佐高信さんの実感(毎日新聞)』。硬骨の評論家佐高信氏「とはいえ社民には老舗の味がある。新自由主義に真正面から対峙できるのは社会民主主義をおいてほかにない」

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かつて我が兵庫県には内橋克人という護憲派リベラルの大経済評論家がおられまして、内橋さんがご存命だったらNHK党の立花孝志党首が乗り込んでこようが、絶対に斎藤元彦兵庫県知事の再選は阻止してくださったのではないかと思うのですが。
経済が語れるブレない評論家は本当に大切な存在で、今や佐高信さんをおいてほかにはないという気がします。
20年ほど前に兵庫県で9条の会をやっていた頃、佐高さんのご講演をお聞きしていて、その中で、
「9条を守ろうという人は経済音痴が多い。それじゃダメだ」
というお話と
「市民運動をする人はちょっと上品すぎるね。相手の安倍や自民党があんなに下品なんだから、こっちも下品にならないと」
というお話には特に痛く感銘を受けました。
そんな佐高さんはこの暑いのに齢80歳にして連日社民党の応援をなさっていました。
その佐高さんへのインタビュー記事が毎日新聞に載っていましたので是非お読みください。
社民党と福島みずほさんに苦言も呈しながらの
「とはいえ社民には老舗の味がある。新自由主義に真正面から対峙(たいじ)できるのは社会民主主義をおいてほかにない。
社民の事務局にも若い人はいる。
ラサールさんを中心に、若い有権者にも響くような訴えかけを考え出して挽回してほしい。
老舗には、老舗にしか出せない味はあるんです。」
というお言葉は実に味わい深い。
老人には、老人にしか出せない味があるんです。
20日投開票の参院選で、「党存亡を懸けた戦い」に臨んだ社民党は、比例代表で得票率2%を上回り、かろうじて政党要件を維持できた。後押ししてきた評論家・作家の佐高信さんに、今の思いを聞いた。
いやあ、ぎりぎり踏みとどまったね、社民党。
負ければタレントとしては全てを失うラサール石井さんが、立候補を決断してくれた。そのおかげで国政政党でいることができたんです。
私も彼を含め、社民候補の応援演説に行きました。これまでは聴衆も「見たことある顔」が多かったが、ラサールさんの立候補で「新顔」も増えた。これは収穫です。
とはいえ議席を増やしたわけではない。のみならず、一応は「リベラル」と色分けされる立憲民主党は伸びず、共産党も議席を減らした。
歌人の石川啄木は「性急な思想」という論評で、本質と乖離(かいり)し、地に足がつかない明治日本の慌ただしい「近代化」を批判した。結局、その日本は「性急」に突き進み、戦争の時代になだれこんでいきました。
その「性急」ぶりが今の日本に重なります。護憲を掲げ、人権や富の再分配を訴えてきた政党ではなく、国民民主党や参政党のような弱者切り捨ての新自由主義、排外主義的な主張を掲げる勢力が拡大した。「性急」にともかく現状を変えたい、と考える人が増えている。危ないよ。
社民にもまずいところはたくさんある。労働組合に代わる支持基盤を作れなかったことが大きい。幅広い市民との絆を築いていく道を歩むべきだったが、労組至上主義や理論中心主義から抜け切れていないと思う。
私自身は党首の福島瑞穂参院議員の後援会長をしているんです。彼女は参院の比例代表からの選出だ。厳しい言い方になるが、党首たるもの、衆院で戦うべきではなかったか。後に立憲に移る辻元清美参院議員は衆院議員時代、激戦の大阪の選挙区を勝ち抜いた。そんなドブ板選挙の味を福島さんが知らないのはやはり弱点でしょう。
とはいえ社民には老舗の味がある。新自由主義に真正面から対峙(たいじ)できるのは社会民主主義をおいてほかにない。社民の事務局にも若い人はいる。ラサールさんを中心に、若い有権者にも響くような訴えかけを考え出して挽回してほしい。老舗には、老舗にしか出せない味はあるんです。【聞き手・吉井理記】
編集後記
今の世の中、玉木雄一郎代表や神谷宗幣代表のように、言うことがコロコロ変わる予測可能性のないコロコロ王子ばかりなんですから、ブレないというだけで大変な価値があると思うんですよ、佐高さんみたいな人は。
いつまでもお元気で健筆を奮ってほしいです。
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