状態の物理学
熱力学は「状態の物理学」「状態利用の物理学」か。
”状態”から”仕事”を取り出す。
閉鎖系・開放系 系全体状態を認識するところから。
影響範囲全体を認識するところから。
汚れは、汚れ単独で存在するわけではない。ピカピカ生成と汚れ生成がセット。
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下村寅太郎 数理哲学・科学史の哲学
下村寅太郎 熱力学
熱力学は「状態の物理学」「状態利用の物理学」か。
”状態”から”仕事”を取り出す。
閉鎖系・開放系 系全体状態を認識するところから。
影響範囲全体を認識するところから。
汚れは、汚れ単独で存在するわけではない。ピカピカ生成と汚れ生成がセット。
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下村寅太郎 数理哲学・科学史の哲学
我々はここで一応前述の近世の自然像の展開を綜括する。物理学の領域は最初、これを知覚する人間の感覚に応じて力学、光学、音響学等々に分かたれていたが、漸次、自然自身にとって偶然的なかかる区別を越えて専ら客観的な統一的自然像の形成に進み、前世紀の終りに至って漸く、物質のカ学と電磁気力学--場の理論との相対立するニつの領域に統一された。しかし更にこの両者を統一する最後の完結に当って、電磁気力学を物質の力学に還元することは--古典的カ学の理想は、原理的に不可能であることが確立された。自然はもはや物の力学として規定し尽くされ得ない。古典的自然観の非完結性、制限が露呈される。ここに古典的な物質概念とは全く逆に、新しく「場」の概念に基づいて物質を場に還元し、揚の立揚から究極的統一的な自然像を組織しようとするもの、これが「場の物理学」である。これは、光や電磁気を物質の現象として理解するのとは逆に物質を光や電磁気と同様に物質でない場の現象に還元しようとするものである。それ故これは「物質の物理学」でなく「空間の物理学」、[状態の物理学]である。したがって「物の力学」でなくむしろ「場の幾何学」である。自然の幾何学化である。場の概念を始めて物理学に導人したのは前述の如くファラデーの天才であるが、この思想はマックスウェル、ヘルツ、ローレンツらによって発展されたが、これを動機として場の物理学の根本的組織を企てた者はアインシュタインの天才である。アインシュタインの特殊相対性論から一般相対性論を経て、統一的場の理論に至る発展は正にこの思想の徹底である。
下村寅太郎 熱力学